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米アムウェイ(Amway)のダグ・デヴォス(Doug DeVos)共同会長が2026年3月にベトナムを訪問し、グローバル創業70周年とベトナム市場進出20周年に向けた展望を現地メディアに語った。100カ国以上で事業を展開する同社が、ベトナムを「世界で最も起業家精神に満ちた市場の一つ」と位置づけている点は、同国の消費市場・直接販売市場の成長ポテンシャルを示すものとして注目に値する。
デヴォス家が受け継ぐ創業者の遺産
アムウェイは1959年、リッチ・デヴォス(Rich DeVos)とジェイ・ヴァン・アンデル(Jay Van Andel)の2人が地下室から始めた企業である。ダグ・デヴォス氏はリッチの息子にあたる第2世代で、現在は取締役会の共同会長として経営を主導している。同氏は妻のマリア氏とともに、ファミリー投資会社コンティニュアム・ベンチャーズ(Continuum Ventures)も設立。2018年には米国商務省から米印CEOフォーラムのメンバーに任命されるなど、グローバルなビジネスリーダーとして広く認知されている。
同氏は世界直接販売協会連盟(WFDSA)会長(2014〜2017年)や米国直接販売協会(DSA)会長(2003〜2004年)を歴任し、DSAの「殿堂入り」も果たしている。
70年間変わらない4つの創業者原則
デヴォス氏が強調したのは、創業以来変わらない「共同創業者の基本原則(Founders Fundamentals)」と呼ばれる4つの柱である。
- 自由(Freedom):個人が自らの人生とビジネスを主体的にコントロールできる機会を提供すること。
- 家族(Family):強固で長期的な人間関係を基盤にビジネスを構築すること。
- 希望(Hope):より良い未来への信念を鼓舞すること。
- 報酬(Reward):努力と成果にふさわしい対価を認め、還元すること。
さらにグローバル展開を支える4つのコアバリューとして、「協働(Partnership)」「誠実さ(Integrity)」「個人の価値(Personal Worth)」「責任(Responsibility)」を掲げている。デヴォス氏はこれらを「アムウェイのOS(オペレーティングシステム)」と表現し、100カ国以上の市場で文化的一貫性を保つ仕組みだと説明した。
ベトナム市場への高い評価
デヴォス氏にとって今回は6度目のベトナム訪問となる。同氏はベトナムについて「我々が調査した世界の多くの国の中でも、起業家精神と将来への楽観度が最も高い市場の一つ」と評価した。
ベトナムは人口約1億人、平均年齢30歳前後という若い人口構成を持ち、中間層の拡大に伴い健康食品・美容・日用品市場が急速に成長している。アムウェイが展開するヘルスケア、ビューティー、ホームケアの3分野はまさにこの成長トレンドと合致する。同社は2008年にベトナムに進出し、2028年に20周年を迎える予定で、すでに記念イベントのキックオフが始まっている。
デヴォス氏は「ベトナムは急速な成長市場であるだけでなく、当社のアジア太平洋地域戦略における重要な基準点(ベンチマーク)だ」と述べ、同国のディストリビューター(販売員)ネットワークに対しては「皆さんはビジネスを構築しているだけでなく、コミュニティにより健康的で良い生活をもたらしている。次の20年を形づくるのは皆さん自身だ」とメッセージを送った。
ビジネスモデルの持続性とグローバル戦略
アムウェイのビジネスモデルの核心は、会社とディストリビューターの「相互依存」構造にある。デヴォス氏は「ディストリビューターは会社に依存し、会社もディストリビューターに依存する。報酬プランの設計や法的基盤全体がこの結びつきを前提に構築されている」と説明した。同社は「Founded for Better(より良い暮らしのために創業された)」をスローガンに、70周年を単なる節目ではなく、次の成長ステージへの踏み台と位置づけている。
投資家・ビジネス視点の考察
アムウェイは非上場企業であり、同社株への直接投資は不可能だが、今回の動きはベトナムの消費市場と直接販売セクターの成長性を裏付ける材料として重要である。
第一に、グローバル大手がベトナムを「アジア戦略のベンチマーク」と公言した意義は大きい。外資系消費財企業のベトナム投資拡大は、現地の小売・物流・包装関連の上場企業(例:マサングループ=MSN、モバイルワールド=MWG、ファーアン物流=PANなど)にも間接的な追い風となり得る。
第二に、ベトナムの直接販売市場は政府規制の整備が進む中で透明性が高まりつつあり、消費者保護と業界成長の両立が図られている。これは2026年9月に判断が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げ議論においても、制度的成熟を示す一例として評価される可能性がある。
第三に、ベトナムの若年人口と中間層拡大は、健康・美容セクター全体の構造的成長を支えている。日本企業にとっても、ベトナムでの消費財事業や流通パートナーシップを検討する際の重要なシグナルと捉えるべきである。
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出典: 元記事












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