ベトナムGelex、2025年第1四半期の税引前利益806億ドン超で前年比25%増—電力・インフラ複合企業の成長力

Gelex lãi hơn 800 tỷ đồng quý I
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ベトナムの大手複合企業であるGelex(ジェレックス・グループ、ホーチミン証券取引所ティッカー:GEX)が2025年第1四半期の業績を発表し、税引前利益が806億ドン(=8,060億ドン)に達したことが明らかになった。前年同期比で約25%の増益であり、同社の多角化戦略が着実に成果を上げていることを示す結果である。

目次

Gelexグループとは何者か

Gelexグループ(正式名称:Tập đoàn Gelex)は、もともとベトナムの国営電気機器メーカーを前身とする企業である。現在はハノイに本社を置き、電力設備製造、水力・火力発電、上下水道インフラ、不動産開発、さらには物流・倉庫事業まで幅広い事業ポートフォリオを有するコングロマリットへと変貌を遂げた。ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場しており、VN30指数の構成銘柄ではないものの、時価総額で中大型株に位置づけられ、機関投資家からの注目度も高い銘柄である。

傘下には、電気機器の大手であるカドヴィ(Cadivi、銘柄コード:CAV)やティエンナム電機(Thibidi、銘柄コード:THI)、配電設備のゲリックス・エレクトリック(Gelex Electric)などがあり、ベトナムのインフラ整備需要を取り込む形で事業を拡大してきた。近年は不動産事業にも注力しており、ハノイ市内の大型開発プロジェクトにも参画している。

第1四半期業績の詳細

今回発表された2025年第1四半期決算によると、Gelexグループの税引前利益は806億ドンに達した。これは前年同期と比較して約25%の増加にあたる。ベトナムの多くの上場企業が米中貿易摩擦の影響やグローバルな景気減速への懸念を受けるなか、同社がしっかりとした増益を確保できた点は注目に値する。

利益成長の背景には、同社の主力事業である電力設備・電線ケーブル部門の堅調な需要がある。ベトナムは2025年に入っても電力インフラの拡充を国家的課題として掲げており、南北送電網の増強や再生可能エネルギー接続のための配電設備需要が旺盛である。Gelexグループはこの需要を直接的に取り込むポジションにあり、受注の増加が業績を押し上げた可能性が高い。

また、同グループが保有する水力発電所からの売電収入も安定的な収益源となっている。ベトナム北部では2025年初頭にかけて降水量が比較的安定しており、水力発電の稼働率が良好であったとみられる。さらに、不動産事業においても、ハノイのマンション市場が依然として旺盛な需要を維持しており、開発プロジェクトからの利益貢献が期待される。

ベトナム経済の文脈での位置づけ

ベトナム政府は2025年のGDP成長率目標を8%以上に設定しており、そのためのインフラ投資を加速させている。南北高速道路の延伸、ロンタイン国際空港(ドンナイ省に建設中のベトナム最大級の新空港)の建設、ホーチミン市やハノイ市の都市鉄道(メトロ)整備など、大規模プロジェクトが同時並行で進んでいる。これらのプロジェクトは電力需要の増加に直結するため、Gelexのような電力インフラ関連企業にとって追い風となる環境が続いている。

加えて、ベトナムは外資系製造業の生産拠点としての地位を強化しており、工業団地の電力インフラ需要も拡大の一途をたどっている。サムスン、LG、フォックスコンといったグローバル企業がベトナム北部を中心に大規模工場を稼働させており、これに伴う電力設備・配電機器の需要はGelexの事業と直接的に関連している。

投資家・ビジネス視点の考察

株式市場への影響:GEX(Gelex)の株価は2024年後半から2025年にかけて、ベトナム株式市場全体のボラティリティの影響を受けてきたが、今回の増益決算は株価の下支え材料となり得る。前年比25%の利益成長は、VN-Index構成銘柄のなかでも相対的に良好なパフォーマンスであり、中期的な再評価の可能性がある。

日本企業との関連:Gelexグループは電力設備・インフラ分野でサプライチェーンの一翼を担っており、日本の重電メーカーや商社にとっても取引先・協業先として重要な存在である。ベトナムのインフラ投資拡大は、日本のODA(政府開発援助)案件とも密接に関連しており、日本の建設・エンジニアリング企業がベトナム市場で事業を展開する際に、Gelexグループとの接点が生まれるケースは少なくない。

FTSE新興市場指数への格上げとの関連:ベトナムは2026年9月にもFTSE新興市場指数への格上げが決定される見込みであり、これが実現すれば大量のパッシブ資金がベトナム市場に流入すると予想されている。Gelexのような中大型のインフラ関連銘柄は、流動性の向上とバリュエーションの見直しの恩恵を受ける可能性がある。特に、外国人投資家の保有比率が高まる過程で、業績の安定成長を示せる企業は優先的に資金が流入する傾向があるため、今回のような増益決算の蓄積は格上げ局面で大きな意味を持つ。

リスク要因:一方で、Gelexグループは多角化の過程で不動産事業への投資を拡大しており、ベトナム不動産市場が調整局面に入った場合には業績への下押し圧力となるリスクがある。また、同社は社債発行による資金調達も積極的に行ってきた経緯があり、金利動向やベトナムの信用環境の変化にも注意が必要である。加えて、2025年に入って激化する米中貿易摩擦の余波が、ベトナムの輸出産業ひいてはインフラ投資計画に影響を及ぼす可能性も排除できない。


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出典: VnExpress元記事

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