高市早苗首相がベトナム訪問——半導体・レアアース・エネルギー安保で日越首脳会談へ

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

2026年5月1日夜、高市早苗首相がハノイのノイバイ国際空港に到着し、ベトナム公式訪問を開始しました。訪問期間は5月1日から3日まで。首相就任後、初めてのベトナム訪問となります。

ハノイに住んで13年になりますが、日本の現職総理がこの国を訪れるたびに、街の空気が少し変わる気がするんです。警備が厚くなって、幹線道路にたくさんの国旗が並ぶ。今回もタイ湖周辺のホアンキエム通り方面でそういう光景を見かけました。それが「この国は本気で日本との関係を重視しているんだ」と実感させてくれる瞬間でもあります。

ノイバイ国際空港での出迎えには、ダン・スアン・フォン外務大臣兼官房長官、グエン・ミン・ヴー外務省常任副大臣、ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使らが立ち会いました。随行団には佐藤敬官房副長官をはじめ、南津裕之外務副大臣、松尾武彦経済産業副大臣、加納浩二防衛副大臣ら政府の要人が名を連ねており、今回の訪問がいかに重みのある外交日程であるかが分かります。

2日の首脳会談で何が話し合われるのか

5月2日、高市首相はベトナム共産党のトー・ラム書記長兼国家主席およびレ・ミン・フン首相との首脳会談に臨みます。中東情勢や経済安全保障について意見交換する見通しです。 Nikkei

エネルギー、重要鉱物、科学技術等の経済安全保障分野を中心に、日越「包括的・戦略的パートナーシップ」の強化について議論が行われる予定です。また今回の訪問中、高市首相は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の進化を訴える外交政策演説も行う予定で、日本の対ASEAN外交の新しい方向性が示される歴史的な場面となりそうです。 Ministry of Foreign Affairs of Japan

ベトナム側が今回の訪問で重点を置くとしているのは、経済、科学技術、イノベーション、エネルギー・食料安全保障、半導体製造分野での協力、人工知能、グリーン変革、質の高い人材育成、観光、そして地域協力と文化交流です。対話のテーマの幅広さが、日越関係の深さを物語っています。

高市早苗首相とはどんな政治家か

高市早苗首相は1961年3月7日、奈良県生まれ。神戸大学経営学部卒業後、1993年に衆議院議員として初当選。総務大臣、経済安全保障・科学技術・イノベーション担当大臣など多くの要職を経て、2025年10月に第104代内閣総理大臣に就任しました。経済安全保障と科学技術政策のエキスパートとして知られており、今回の訪問テーマである半導体・重要鉱物・AIといった分野との親和性は極めて高いと言えます。

なぜ「今」ベトナムなのか——中東リスクとサプライチェーン再編

高市首相は出発に先立ち、「中東情勢を踏まえたアジア域内のエネルギー安定供給、重要鉱物などを含むサプライチェーンの強靱化について協力を確認する」と述べました。 Nikkei

ホルムズ海峡をめぐる緊張が続く中、日本にとってエネルギーと重要鉱物の供給網をアジア内で多様化しておくことは急務です。その観点から見ると、政治的に安定していてFTAネットワークが充実したベトナムは、日本の経済安全保障戦略における最重要拠点のひとつに位置づけられています。これは2019年頃から続くチャイナ・プラスワンの流れが、今や「エネルギー安全保障プラスワン」へと進化していることを意味します。

レ・ミン・フン首相の地元、ハティン省の経済成長率が2026年第1四半期に前年比12.4%増と全国トップを記録したのも、今回の訪問の背景として興味深いです。ビングループが電気自動車・バッテリー工場を展開し、日本企業が主導する発電所も稼働するこの省が、ベトナム国内で急速に存在感を高めていることは、日越経済協力の具体的な成果として評価できます。

ベトナム株投資家の目線で見ると

ハノイで13年生活していると、日越首脳会談のたびに「今度は何が動くか」を意識して見てしまいます。今回の会談で注目したいのは3点です。

まず半導体分野の協力です。日本の半導体サプライチェーンにベトナムをどう組み込むかという議論は、FPT CorporationなどのベトナムIT大手にとっての追い風になり得ます。2点目がエネルギー安全保障です。ブンアン発電所をはじめとする日本主導のエネルギープロジェクトの拡張が議題に上れば、関連インフラ企業への資本流入が期待されます。3点目はグリーン変革です。ベトナムのEV転換政策と日本の技術・資本の組み合わせは、長期的なテーマとして引き続き注目しています。

私が「富の南下」という言葉で表現している構造変化——富の重心がグローバルサウスへ移動するという大きな流れ——は、今回の高市首相のベトナム訪問によって、日本の国家戦略レベルでも追認される形になったと見ています。詳しくは富の南下シリーズの第1回(https://note.com/gonviet/n/ndcd64cc184eb)をご覧ください。

日本の現職首相が、中東危機という地政学的な嵐の中で、連休をつかってベトナムに飛んだという事実そのものが、この国の戦略的重要性を雄弁に語っています。そういうことなんです。

いかがでしたでしょうか。今回の高市早苗首相ベトナム訪問について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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