こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
「ベトナム投資」と検索してこのページにたどり着いたあなたは、何かを感じているはずです。日経平均の上下に一喜一憂する毎日、S&P500は割高という声、そして「もっと成長率の高い市場があるはずだ」という直感。
その直感は正しいです。
2025年、ベトナムの実質GDP成長率は8.02%を記録しました。日本のおよそ10倍のスピードで経済が拡大しているということです。そして2026年9月21日、世界の運用資産約15兆ドルが連動するFTSE Russellの指数にベトナムが正式組み入れされます。これは予測ではなく、すでに日付が決まった「メカニズム」の話です。
ハノイに13年住んでいる私が言えることは一つです。「気づいた人から、動いている」。
この記事では、ベトナム投資の基礎から実践的な始め方まで、個人投資家が本当に知りたい情報を一本にまとめました。「そもそもベトナム投資って何?」から「具体的にどの証券会社でどう買うか、コストはいくらか」まで、順を追って解説します。
ベトナム投資とは何か——基礎から押さえる
ベトナム投資とは、ベトナム国内の株式市場、不動産、ファンドなどを通じてベトナム経済の成長に参加する投資活動の総称です。個人投資家の文脈では主にベトナム株式市場への投資を指します。
ベトナムの株式市場は大きく3つの取引所で構成されています。ホーチミン証券取引所(HOSE)が最大の市場で、時価総額の大きい主要企業が上場しています。ハノイ証券取引所(HNX)は中規模企業が中心で、UPCoM(Unlisted Public Company Market)は未上場の公開会社向けの取引市場です。
日本の個人投資家がベトナム株に投資する方法は、大きく「直接株式投資」「投資信託」「ETF」の3ルートがあります。それぞれの詳細は後述しますが、まず「なぜ今ベトナムに投資するのか」という問いに答えることから始めましょう。
なぜ今ベトナム投資なのか——2026年に注目すべき3つの理由
理由① 成長率8%の実績と構造的な成長ドライバー
2025年のベトナム実質GDP成長率は8.02%でした。これは過去15年間で2022年に次ぐ高水準であり、政府の目標値をも上回る結果です。四半期別に見ると、Q1が7.05%、Q2が8.16%、Q3が8.25%、Q4が8.46%と加速し続けています(ベトナム統計局)。一人当たりGDPも初めて5,026ドルを突破し、消費市場としての魅力も急速に高まっています。
成長を支える構造的な要因は複数あります。人口約1億人、平均年齢33歳という若い人口ピラミッド。15以上のFTA(自由貿易協定)ネットワークによる貿易の優位性。米中関係の緊張を背景に中国から生産拠点を移す企業を受け入れる「チャイナプラスワン」の恩恵。そして政治的安定という投資環境の基盤。
こうした要因は一時的なトレンドではなく、少なくとも20〜30年スパンで継続すると私は見ています。

理由② FTSE昇格——最大US$60億ドルの資金が動く「メカニズム」
2026年最大の投資テーマは、FTSE Russellによるベトナムの「二次新興市場(Secondary Emerging Market)」昇格です。
2026年4月8日に昇格が公式確定し(LSEG公式発表)、同年9月21日から段階的な指数組み入れが始まります。2027年9月までに完全組み入れが完了する見通しで、初期ウェイトは約0.35%から段階的に引き上げられます。
これが何を意味するかというと、世界中のパッシブファンドが「ルールに基づいて自動的に」ベトナム株を買わなければならなくなるということです。ファンドマネージャーの判断ではなく、メカニズムとして動くお金です。流入規模はUS$50億〜60億ドル(Reutersおよびアナリスト試算)と見られており、保守的に見てもUS$30億〜50億ドルと試算されています。
過去の昇格事例と比較すると、サウジアラビアのFTSE EM組み入れ時(2019年)にはUS$150億〜200億ドル規模の資金が流入したとされています。ベトナムの規模はそこまで大きくないものの、クウェートの昇格時(US$6億〜10億ドル)より明らかに大きい「中大型の昇格イベント」です。
昇格実施の2026年9月21日まで、残り数ヶ月あります。

理由③ FDIの継続増加が証明する「投資先として選ばれる国」
2025年のFDI(外国直接投資)実行額は276.2億ドルと前年比9%増でした(ベトナム計画投資省)。投資件数も4年連続で前年を上回っています。サムスン、インテル、LGを筆頭に、日系・韓国系・台湾系の大手製造業が次々とベトナムに生産拠点を構えています。
2025年の輸出総額は4,750.4億ドルに達し、米国向けが32.3%(1,532億ドル)と最大のシェアを占めています。「チャイナプラスワン」の受け皿として、ベトナムの地位は年々強固になっています。
ベトナム経済の現在地——最新データで見る実力
VN-Index(ホーチミン証券取引所の主要株価指数)は2026年4月29日時点で1,854ポイントで推移しており、直近1年間で約11%上昇、2025年通年では実に41%の上昇を記録しました(Investing.com)。これは主要新興国の中でも際立ったパフォーマンスです。市場全体の時価総額は3,500億ドル超(市場全体推計)に達しています。
もう一つ注目すべきデータがあります。ベトナム株式市場の国内個人投資家口座数です。2021年末に431万口座だったものが、2024年末には930万口座、そして2026年3月末には1,267万口座に達しています(ベトナム証券保管振替機構)。5年間で約3倍という伸びは、ベトナムの個人が自国株式市場への投資を加速させていることを示しています。
2025年のインフレ率(CPI)は3.31%と安定しており、外国人観光客数も2,120万人と過去最高を更新しました。デジタル経済の規模はGDP比14%(約320億ドル)にまで拡大し、AI関連スタートアップへの投資額はASEAN第2位という実力も備えています。
2026年のGDP成長率については、政府が10%超えを目標に掲げる中、世界銀行が6.5%、アジア開発銀行(ADB)が7.2%を予測しています。米国との関税交渉において20%の関税率で合意(USTR公式発表)するなど、貿易環境の安定化も進んでいます。
ベトナム投資の3つのルート——どれが自分に合うか

ルート1:直接株式投資(個別銘柄を選ぶ)
国内証券会社(主にSBI証券)を通じて、ホーチミン証券取引所上場銘柄を直接売買する方法です。
メリットは、個別銘柄を選んで集中投資できること、配当を直接受け取れること、そして企業分析を通じてベトナム経済を深く理解できることです。
コストについては正直にお伝えします。SBI証券のベトナム株手数料は約定代金の2.0%(税込2.2%)で、最低手数料が1,320,000 VND(税込)です。さらに売却時は売却代金の0.1%が別途課税されます(SBI証券公式)。米国株や国内株と比べて明らかにコスト高であることは理解した上で利用してください。
注意すべき点として「外国人持株比率上限(FOL)」があります。各銘柄には外国人が保有できる上限が設けられており、一般銘柄は最大50%、銀行セクターは合計30%までとなっています。上限に達した銘柄は外国人には購入できません。購入前に必ず確認してください。
なお2026年に施行されたCircular 08/2026によりプリファンディング(事前入金義務)が撤廃され、外国人投資家のアクセスが大幅に改善されたことも大きな変化です。これがFTSE昇格の後押しにもなりました。
ルート2:投資信託(手軽にベトナム株分散投資)
日本で購入できるベトナム株関連の投資信託を信託報酬で比較すると、以下のとおりです。
| 商品名 | 信託報酬(年率) |
|---|---|
| iFreeNEXT ベトナム株インデックス | 0.781% |
| イーストスプリング・ベトナム株式オープン | 約0.989% |
| One ベトナム株式ファンド | 1.903% |
| ベトナム成長株インカムファンド | 1.881% |
| ベトナム・ロータス・ファンド | 2.167% |
| CAMベトナムファンド | 2.618% |
コスト面で最も有利なのは「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」です。ホーチミン証券取引所上場の流動性上位100銘柄で構成されるVN100指数への連動を目指し、SBI証券・楽天証券・マネックス証券など主要ネット証券で購入できます。直近1年間の騰落率は+65.14%、純資産総額は154億円(2026年5月1日時点)まで拡大しており(大和アセットマネジメント公式)、個人投資家の資金流入が続いていることが分かります。
外国人持株比率の問題も回避できますし、100円からの積立投資も可能です。ベトナム投資の入門として最もハードルが低い方法です。
ルート3:ETF(ドル建てでアクセス)
米国市場に上場しているVanEck Vietnam ETF(ティッカー:VNM)が代表的な商品です。ドル建てで取引され、外国株口座があれば購入可能です。香港市場には03087.HKというFTSE Vietnam ETFもあり、楽天証券を通じてアクセスできます。
日本円で直接投資する手段としてはルート1・2の方が一般的ですが、米国株投資の延長としてベトナムに分散したい場合には選択肢になります。
注目セクターと代表銘柄——現地13年の視点で選ぶ
ここでは私が継続的に注目しているセクターと代表銘柄をご紹介します。これはあくまで私個人の分析と見解の共有であり、特定銘柄への投資をお勧めするものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
主要5銘柄の最新財務データ(2025年通期)を以下に整理します。
| 銘柄 | 売上高 | 純利益 | PER | ROE | 時価総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| FPT(IT) | 701兆VND | 112兆VND | 29.2倍 | — | 2,118兆VND |
| VCB(銀行) | 715兆VND | — | — | 16.4% | 4,997兆VND |
| TCB(銀行) | 534兆VND | 260兆VND | 9.2倍 | 16.0% | 2,399兆VND |
| VHM(不動産) | 1,541兆VND | 421兆VND | 26.2倍 | 18.4% | 5,997兆VND |
| HPG(鉄鋼) | 1,583兆VND | 155兆VND | — | 11.8% | 1,362兆VND |
(VNDの「兆」は10億VNDのことで、ここでは100億VNDを1単位として記載しています)
FPT Corporation(FPT)——ベトナムIT成長の象徴
ベトナム最大のIT企業で、PER29倍というバリュエーションは「成長株」として評価されている証拠です。国内システム開発から海外向けソフトウェア輸出まで多角展開しており、特に日本向けオフショア開発では高い実績を持ちます。配当利回りは約2.65%と、成長株にしては安定した配当も享受できる点が特徴です。
Techcombank(TCB)——PER9倍台の金融成長株
ベトナム中産階級の拡大に直接恩恵を受ける民間大手銀行です。PER9倍台というのは、成長率や収益性の高さを考えると注目すべき水準と私は分析しています。2025年の純利益は2.6兆VND(約260億円相当)と安定した収益を確保しています。
Vinhomes(VHM)——市場最大時価総額の不動産王
時価総額が市場最大水準の住宅デベロッパーです。2025年純利益は4.2兆VNDと大幅回復しており、不動産市場の正常化を如実に示しています。タイ湖周辺の高級物件は外国人駐在員にも人気が高く、ハノイの街を歩くとその存在感は際立っています。
Hoa Phat Group(HPG)——インフラ拡大の恩恵を受ける製鉄大手
ベトナム最大の鉄鋼メーカーです。2025年のベトナム政府の公共投資執行額は310億〜360億ドル規模に拡大しており、インフラ整備の加速がHPGの需要を支えています。ROE11.8%と資本効率の改善も着実に進んでいます。
ベトナム投資のリスク——正直に伝えます
投資にはリスクが伴います。ベトナム投資も例外ではありません。正直にお伝えします。
為替リスクとして、過去3年間のVND/JPYレートは0.005437〜0.006358円/VNDの範囲で推移しており、最大で約17%の変動幅がありました(exchange-rates.org)。新興国通貨である以上、円との相関で投資リターンが変動することは覚悟が必要です。
流動性リスクも重要です。日本株や米国株に比べてベトナム株市場は流動性が低い銘柄が多く、特に中小型株では売りたいときに希望の価格で売れないリスクがあります。
カントリーリスクとして、規制変更のリスクがあります。2022年の社債市場・不動産市場への規制強化がきっかけでVN-Indexが大幅に下落した事例があります。ベトナムは政治的に安定していますが、規制環境は変化することがあります。一方でCircular 08/2026によるプリファンディング撤廃など、投資環境の整備も着実に進んでいます。
格付けについては、現在ムーディーズがBa2、フィッチとS&PがBB+近辺とされており(Reuters等)、依然として投資適格級には達していません。先進国市場と同等のリスク管理は期待できない点は認識が必要です。
米国との関税問題は2025年の最大リスクでしたが、米越間の枠組み合意により20%の関税率で決着しています(USTR公式発表)。ただし米国の通商政策は流動的であり、引き続き動向を注視する必要があります。
外国人持株比率上限(FOL)の制約も実務上の注意点です。特に銀行セクターは合計30%という上限が厳しく、人気銘柄では購入できないケースが生じます。
新興国比較——ベトナムを他のASEAN市場と比べる
日本の個人投資家が投資できる主要新興国市場と比較すると、ベトナムのポジションが見えてきます。
| 国 | 2025年GDP成長率 | 平均年齢 | 市場PER(概算) | SBI証券での直接投資 |
|---|---|---|---|---|
| ベトナム | 8.02% | 33歳 | 約15倍 | ○ |
| インド | 高成長 | 29歳 | 約21倍 | 主に投信経由 |
| インドネシア | 5.11% | — | 約21倍 | ○ |
| タイ | 2.4% | — | 約18倍 | ○ |
| フィリピン | — | 27歳 | 約9倍 | 限定的 |
成長率ではベトナムが突出しており、バリュエーション面でもインドより低く、成長性とのバランスで優位性があると私は分析しています。
現地13年の肌感覚——数字では見えないベトナムの今
数字で見るベトナムと、実際に暮らして肌で感じるベトナムは、どこか違う温度感があります。
タイ湖(Tay Ho)周辺のエリアは、私が住み始めた13年前と比べると別の街のように変わりました。高層マンションが林立し、洒落たカフェが並び、週末のショッピングモールには家族連れが溢れています。可処分所得が増えた若者たちが消費にお金を使い始めている。この変化のスピードが一定していることが、長く住んでいる私には一番大きな確信の根拠です。
株式市場の個人口座数が5年で3倍(431万→1,267万口座)になっているという数字は、ハノイの街の肌感覚と完全に一致しています。カフェで隣に座った若いベトナム人が株の話をしている、なんていう光景は13年前には想像もできませんでした。
富の南下、という言葉をよく使っています。19世紀は西欧、20世紀は北米、そして21世紀の経済の重心はアジアへと移動しています。その流れの中で、ベトナムは最も注目すべき目的地の一つです。詳しくはこちらの連載記事(https://note.com/gonviet/n/ndcd64cc184eb)をご覧ください。
あなたの祖父母は日本の高度経済成長の波に乗って資産を築きました。同じ波が今、ベトナムにあります。違いはただ一つ——あなたはそれを「投資家として」体験できるということです。そういうことなんです。
まとめ——ベトナム投資を始める前に確認すること
この記事でお伝えしたことを整理します。
ベトナムは2025年に実質GDP成長率8.02%を達成し、一人当たりGDPも5,026ドルを突破しました。VN-Indexの2025年年間騰落率は+41%という実績があります。2026年9月21日のFTSE昇格実施に向けて最大US$60億ドル規模のパッシブ資金流入が見込まれます。
個人投資家がアクセスする方法は、直接株式(SBI証券:税込2.2%+最低手数料1,320,000VND)、インデックス投資信託(iFreeNEXT:信託報酬0.781%、1年実績+65.14%)、ETFの3ルートがあります。
投資を始める前に確認してほしいことは3点です。まず、ベトナム投資をポートフォリオ全体の何%に位置づけるかを決めること。リスク許容度に応じた配分を考えてください。次に、情報収集の手段を確保すること。日本語情報が少ない市場だからこそ、継続的にキャッチアップする仕組みを作ることが長期投資の基盤になります。そして最後に、短期的な値動きに惑わされない長期視点を持つこと。ベトナムの成長ストーリーは数ヶ月ではなく数年〜数十年のスパンで起きる変化です。
いかがでしたでしょうか。今回のベトナム投資解説について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。
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