こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
2026年第1四半期(1〜3月)の決算シーズンが本格化しています。ベトナム上場企業の四半期決算は、VN-Indexの動向を読む上で欠かせない材料です。今回は私が分析したレポートをもとに、製造業・金融・不動産・IT・航空・エネルギー・港湾と、セクターをまたいだ15社の決算を一覧でまとめました。
「ベトナム株に興味はあるけど、個別企業の決算をどう読めばいいかわからない」という方にも、横断的に比較することで「ベトナム経済の今」が立体的に見えてくる構成にしています。ぜひ最後までお読みください。
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今回分析した15社の決算レポート
製造業・素材セクター
ホアファット・グループ(HPG)の2026年Q1決算は、純利益が前年比+169%という圧倒的な数字を叩き出しました。ダンクアット製鉄所の第2期設備がフル稼働に入ったタイミングと、中国製品へのアンチダンピング関税という二つの構造的追い風が重なった結果です。一時的な特需ではなく、生産能力の拡大という「基礎体力の向上」が数字に出始めた局面として読み解いています。
ビンミン・プラスチック(BMP)は派手な数字はないものの、粗利益率47.2%を達成しました。売上原価を3.0%削減しながら南部市場シェア50%を維持しており、「高配当・低ボラティリティ」を好む投資家に向けた内容の濃い分析になっています。
不動産・コングロマリットセクター
ビンホームズ(VHM)は純利益が前年比9倍増という衝撃的な数字を記録しました。この記事ではその数字の「中身」を丁寧に解剖しています。特に注目すべきは受注残(バックログ)201兆VNDという規模感で、ベトナム不動産市場回復を背景に積み上げられたこの「未来の売上」を理解すると、好決算が単なる一時的な反発ではないことが見えてきます。
Vingroup(VIC)はもっとも読み解きが難しい決算でした。純利益+150%という見出しに飛びついてはいけません。営業利益は▲18%とむしろ悪化しており、創業者ファム・ニャット・ヴオン氏の個人債務引き受けという特殊要因が純利益を押し上げた構造になっています。VinFast事業の変革が本業にどう影響するかを数字の裏側まで追いかけました。
小売・FMCG・消費セクター
モバイルワールド(MWG)は純利益+78%を達成し、この四半期の立役者は「バックホアシャン(食品小売業態)」と「インドネシア展開」の2点です。スマートフォン販売一本足からの多角化が着実に進んでいることを数値の分解を通じて確認しています。
Masan Group(MSN)は売上が前年比▲2%なのに純利益が2倍超という逆説的な決算でした。トップラインではなくボトムラインを重視する経営への転換が、収益の質としてどう表れているかを分析しています。
銀行・金融セクター
銀行3社の横並び比較も今回の見どころの一つです。
BIDV(BID)は史上最高益を更新した翌年も+15%の増益を続けています。ただ株価は高値から約3割の調整を経ており、「業績は良いのに株価が落ちている」というギャップをバリュエーション・不良債権比率・政府持ち株比率という三つの視点から検証しています。
Vietcombank(VCB)は引当前利益+23%の力強さと与信費用が前年比3倍に膨らむという二重構造の決算でした。資産の質と利益の質、どちらで評価するかによって結論が変わる読み応えのある内容です。
VPBank(VPB)は税前利益+57.9%という突出した数字を叩き出しました。コンシューマーファイナンスの再構築と法人ビジネスの拡大という二つのエンジンが同時に回り始めた「第二成長サイクル」として分析しています。
そしてHDバンク(HDB)は、慎重ムードの市場環境下で税引前利益+14.0%・純利益+12.5%を記録しつつ、費用対収入比率(CIR)を26%未満という業界屈指の水準で維持しました。「信用コストを削って利益を嵩上げしているだけでは?」という疑問に正面から向き合い、2026年通年で+41%増益を狙う計画の実現可能性まで踏み込んでいます。
ITセクター
FPT Corporation(FPT)は海外IT事業が欧州+44%・日本+19%と二桁成長で快調です。さらに高市政権が掲げた「ベトナムAI支援」の方針が、今後の受注拡大という新たな触媒として加わる可能性があります。日本の読者にとって最も身近なベトナム企業の一つとして、日本市場との関係性という独自の切り口から分析しました。
航空・物流・インフラセクター
ベトナム航空(HVN)は純利益+29.5%の好決算ですが、この記事ではあえてその裏側を掘り下げました。国際線旅客数の好調な一方で、中東情勢の緊迫化という地政学リスクが燃油コストと路線運営の両面で影を落としはじめています。ハノイ在住の視点から見ると、空港の混雑ぶりや日本・韓国・欧州便の増便ペースに確かな手応えを感じる一方で、好決算の「質」を問い直す内容です。
ベトジェットエア(VJC)は搭乗率85%・純利益+60%という好決算を達成しました。ただ、52週の値幅が77,100VNDから220,000VNDと最安値から最高値が約2.85倍に達した株価の水準が「すでに上がりすぎでは?」という疑問に、バリュエーションの観点から向き合った記事です。数字の表面だけでなく、株価の妥当性まで踏み込んでいます。
ジェマディプト(GMD)は親会社帰属純利益+32.6%の堅実な増益です。注目すべきはゲマリンク港の第2期工事着工で、FTSE昇格後に増加が見込まれる貿易量と港湾インフラの関係性——「富の南下」の動脈とも言えるこの企業の戦略的ポジションを掘り下げています。
エネルギーセクター
PV GAS(GAS)は売上高+48%に対して純利益は+8%という、一見すると物足りない数字に見えます。ところが中身をよく見ると、これは単なる利益率の悪化ではなく、同社がベトナムのエネルギー構造転換に乗って事業の中身を大きく塗り替えている「証拠」でもあります。9,100億円相当の現金を抱える財務の強さと合わせて、「LNG革命」というキーワードで読み解いた一本です。
15社を横断して見えてくること
製造業・小売・FMCG・不動産・金融・IT・港湾・コングロマリット・航空・エネルギーとセクターをまたいで並べてみると、ベトナム経済の「層の厚さ」が改めて見えてきます。
一つの共通点として気づくのは、どのセクターも「構造的な変化の途上にある」という点です。単純な景気回復の恩恵ではなく、設備投資の回収(HPG)、経営改革の成果(MSN)、インフラ拡張の前倒し(GMD)、市場回復とバックログの積み上げ(VHM)、そしてエネルギー転換への対応(GAS)——それぞれに固有のストーリーがあります。
銀行4社(BID・VCB・VPB・HDB)を横並びにすると、国営と私立でリスクの取り方とリターンの性格が対照的に見えてきます。また航空2社(HVN・VJC)の比較は、同じ「好決算」でも株価水準と今後のリスクが全く異なることを教えてくれます。こういった比較読みができるのも、まとめ記事を作る意味の一つです。
FTSEセカンダリー・エマージング昇格(2026年9月が重要マイルストーン)まで残り4か月余り。パッシブ資金の流入を前に、各社がどれだけ「昇格後の評価に耐えうる実力」を積み上げているか——そういう目線でこれらの記事を読んでいただけると、より立体的に楽しんでいただけると思います。
決算レポートをまとめて読む最もお得な方法
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