こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
スマートフォン1台で証券口座が約1分で開ける。そんな時代が、ベトナムで静かに、しかし確実に始まっています。
2026年5月、公安省が管理する国民IDアプリ「VNeID」が、証券口座の開設機能に対応しました。銀行口座に続いて、今度は投資口座まで。ベトナムの金融インフラが、想像以上のスピードで変わっているというのが、ハノイに13年住んでいる私の正直な実感です。
VNeIDとは何か、改めておさらいしておきます
VNeIDは、公安省が2022年から本格展開してきた国民電子身分証明プラットフォームです。いわば「デジタル版マイナンバーカード」に近い存在で、在留外国人を除くベトナム国民であれば取得できます。
レベル1とレベル2の認証区分があり、今回の証券口座開設に対応するのは「レベル2」、つまり生体認証まで完了した上位認証です。
これまでVNeIDは、行政手続きや各種証明書の電子発行が主な用途でした。2024年から銀行口座の開設にも対応し、そして2026年5月、ついに証券口座へと対応範囲が広がったわけです。
何が変わったのか、投資家目線で整理します
従来のオンライン口座開設では、スマートフォンのカメラで身分証明書の表裏を撮影し、自撮り写真と照合するeKYC(電子本人確認)が一般的でした。それはそれで便利になっていたのですが、正直なところ、認識率の低さや照明条件の問題で「何度やり直しても通らない」という経験をした方も少なくなかったはずです。
VNeID経由の口座開設は、そこが根本的に違います。
認証データはすでに国家人口データベースに存在している。VNeIDアプリがそれを直接照合するため、ユーザー側で撮影も書類準備も不要になります。一元管理されたデータとの照合なので精度も高く、手続き時間は約1分とされています。電子署名が完了すれば、その場で投資口座が使える状態になるということです。
ベトコムバンク証券(VCBS)がこのソリューションの先行導入を表明していますが、今後は他の証券会社への波及が見込まれます。
「インフラが先行する国」の投資的含意
ベトナムという国を長く見てきて感じるのは、「制度が整ってから普及する」のではなく、「インフラが先に走って、普及が後からついてくる」という独特のダイナミズムです。
VNeIDの普及状況を少し数字で確認しておくと、2025年末時点でVNeIDのユーザー数は8,000万人を超えたと報告されています。ベトナムの15歳以上の人口がおよそ7,500万人前後とされることを考えれば、成人のほぼすべてに行き渡りつつある計算です。
証券口座の保有率は、2025年末時点で労働力人口の約9%台と言われています。日本と比較すると格段に低い数字ですが、裏を返せばそれだけ伸びしろがあるということです。口座開設の摩擦が大幅に下がれば、この数字が動き始める起点になり得ます。
VNeIDが金融口座と本格的に接続されていくことは、単なる手続き効率化の話ではありません。証券市場に参加しうる人口の裾野が広がるという、市場全体の流動性と深さに関わる話です。
ベトナム株式市場は今、FTSEラッセル二次新興国への昇格というマクロイベントに向けて動いています(2026年9月の実装開始が重要マイルストーンです)。外からパッシブ資金が流入するタイミングに合わせて、国内投資家の裾野もデジタルインフラによって拡大している。この二つの流れが重なることの意味は、ちょっと立ち止まって考えてみる価値があると思っています。
ハノイで見ていると、こういうことが見えてきます
私がハノイで暮らしていて感じるのは、20代〜30代のベトナム人がスマートフォンで金融サービスを使うことへの抵抗が、ほとんどゼロに近いということです。
MoMoやZaloPayといったモバイルウォレットはコンビニや路上屋台まで浸透していて、現金を出す場面がどんどん減っています。タイ湖周辺のカフェで友人たちが「ちょっとVCBのアプリで送っておくね」と言いながらスマートフォンを操作する光景は、もう日常の一部です。
そういう土台があるからこそ、VNeIDで証券口座を1分で開けるという機能は、「使ってみようか」という人の背中を確実に押すことになります。銀行口座はすでに持っている。投資もやってみたいとは思っている。でも手続きが面倒だからまだいい——そのハードルが消えるわけです。
証券会社各社が今後このインフラ対応を競い合う展開になれば、使いやすさと手数料の引き下げが同時進行することも考えられます。
富の南下という大きな流れの中で、ベトナムの国内インフラが着実に整っていく。これもその一つの証左だと私は見ています。
いかがでしたでしょうか。今回のVNeIDと証券口座開設の話について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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