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ベトナム証券取引所運営会社が史上最高益2,987億ドンを計画—金ETF・カーボン取引所も始動へ

Đơn vị vận hành HoSE và HNX lên kế hoạch lãi kỷ lục
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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ベトナムの証券取引インフラを一手に担うベトナム証券取引所(VNX=Vietnam Exchange)が、2025年に過去最高となる2,987億ドンの税引後利益を計画していることが明らかになった。同社はホーチミン証券取引所(HoSE)とハノイ証券取引所(HNX)の双方を傘下に持つ持株会社であり、金ETFの導入やカーボン取引所の創設、スタートアップ支援市場の整備など、ベトナム資本市場の進化を象徴する複数の大型プロジェクトを同時並行で推進している。

目次

VNXとは何か——ベトナム証券市場の「司令塔」

VNX(ベトナム証券取引所)は2021年に財務省の主導で設立された国営の持株会社である。南部の経済都市ホーチミン市に拠点を置くHoSE(ホーチミン証券取引所)と、首都ハノイに拠点を置くHNX(ハノイ証券取引所)の2つの取引所を統括する形で運営されている。HoSEは時価総額が大きい大型銘柄が上場する「メイン市場」、HNXは中小型銘柄や国債取引を主に扱う市場という位置づけだ。VNXの設立により、従来は別々に運営されていた2つの取引所の戦略・システム・規制対応が一元化され、ベトナム資本市場全体の効率化と国際基準への適合が加速してきた。

史上最高益2,987億ドン——その背景

VNXが今年度の目標として掲げた税引後利益2,987億ドンは、同社にとって設立以来の最高水準となる。この強気の計画を支える背景には、いくつかの構造的要因がある。

まず、ベトナム株式市場全体の売買代金が回復基調にあることが大きい。2024年後半から個人投資家の取引参加が再び活発化しており、HoSEの1日平均売買代金も増加傾向にある。取引手数料がVNXの主要な収益源であるため、売買代金の拡大はそのまま収益増に直結する。

さらに、VNXは新たな収益源の多角化にも着手している。元記事が言及する金ETF(上場投資信託)、カーボン(炭素排出権)取引所、スタートアップ向け市場といった新規事業が軌道に乗れば、取引手数料に依存しない安定的な収益構造を構築できる。

注目の新規プロジェクト①:金ETFの導入

ベトナムでは金に対する投資需要が伝統的に極めて高い。国民の多くが金を「安全資産」として保有する文化があり、SJC(サイゴン・ジュエリー・カンパニー)が製造する金地金は事実上の「国民通貨」とも揶揄されるほどだ。しかし、これまで金への投資は現物購入に限られており、保管コストや偽造リスクなどの課題を抱えてきた。

金ETFが取引所に上場されれば、投資家は証券口座を通じて手軽に金に投資できるようになり、現物保有に伴うリスクとコストを大幅に削減できる。ベトナム国家銀行(中央銀行)が進める金市場改革とも方向性が一致しており、実現すれば個人投資家の取引所への資金流入を後押しする強力な商品となるだろう。

注目の新規プロジェクト②:カーボン取引所の創設

ベトナム政府は2050年までにカーボンニュートラルを達成するという国際公約を掲げており、その実現手段の一つとして国内カーボン取引所の設立を計画している。VNXがこのカーボン取引所の運営を担う方針であり、実現すればASEAN(東南アジア諸国連合)域内でも先進的な取り組みとなる。

カーボンクレジット市場はグローバルに急拡大しており、ベトナムは豊富な森林資源を活用したカーボンクレジットの創出ポテンシャルが高い国として国際的に注目されている。実際、2024年にはベトナムが世界銀行との間で森林炭素クレジットの売却契約を締結した実績もある。取引所として正式にカーボン取引を制度化できれば、VNXにとって長期的な収益の柱となり得る。

注目の新規プロジェクト③:スタートアップ向け市場

ベトナムはASEAN域内でも有数のスタートアップ・エコシステムを擁している。フィンテック、Eコマース、EdTech(教育テック)など多様な分野で急成長するスタートアップが存在するものの、上場基準の厳しさから証券取引所での資金調達が難しいという課題があった。VNXがスタートアップ向けの新市場を整備することで、成長企業の資金調達手段が拡大し、ベトナム資本市場全体の厚みが増すことが期待される。

投資家・ビジネス視点の考察

■ ベトナム株式市場への影響
VNXの積極的な事業拡大計画は、ベトナム資本市場のインフラが着実に高度化していることを示している。金ETFやカーボン取引所などの新商品が導入されれば、市場の流動性向上と投資家層の拡大が見込まれる。これは証券会社銘柄(SSI、VCI、HCMなど)にとって中長期的な追い風となる。

■ FTSE新興市場指数への格上げとの関連性
2026年9月に正式決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げにおいて、市場インフラの整備状況は重要な評価項目の一つである。VNXが進めるシステム統合、商品多様化、国際基準への適合は、まさにFTSEが求める「市場の成熟度」を引き上げる取り組みそのものだ。格上げが実現すれば、グローバルなパッシブファンドからの大規模資金流入が予想され、VNX傘下の両取引所の売買代金はさらに拡大する可能性が高い。

■ 日本企業・投資家への示唆
カーボン取引所の創設は、ベトナムに生産拠点を持つ日本の製造業にとっても無視できない動きである。今後、ベトナム国内でカーボンプライシング(炭素価格付け)が制度化されれば、排出コストの管理がサプライチェーン戦略の重要な要素となる。また、金ETFの導入はベトナム国内の余剰資金を証券市場に還流させる効果が期待でき、間接的にベトナム上場企業全体のバリュエーション底上げに寄与する可能性がある。

■ ベトナム経済全体のトレンドにおける位置づけ
ベトナムは「チャイナ・プラスワン」戦略の恩恵を受けて製造業の集積が進む一方、金融・資本市場のインフラ整備は経済成長に対してやや後れを取ってきた面がある。VNXの今回の計画は、ベトナムが「製造業の国」から「資本市場も成熟した中進国」へと脱皮するプロセスの一端を示すものであり、ベトナム経済の構造転換を示す重要なシグナルと言える。


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出典: 元記事

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