こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
「なんで市場は上がってるのに、自分の口座は全然増えてないんだろう」
ハノイにいると、日本からメッセージをもらうことがあります。2025年、VN指数は約40%上昇したのに、ポートフォリオが全然追いついていない、という声です。「自分の選球眼が悪いのか」「ベトナム株って言われるほど儲かるのか」、そう悩んでいる方が実はかなり多い。
これ、あなたの選球眼の問題じゃないんです。構造的な話なので、今日はちゃんと整理してお伝えしたいと思います。
「外は緑、中は赤」という現実
5月6日、資産運用会社VinaCapitalが年次投資家会議を開催し、シニア投資ディレクターのディン・ドゥック・ミン氏が2025年の市場を総括しました。
彼が使ったフレーズが面白くて、「外側は緑、内側は赤」という表現です。要するに、指数の見た目は鮮やかなグリーンでも、実際の投資家の口座の中身は赤だらけ、ということです。
なぜそうなったのか。答えはシンプルで、指数の上昇の大半がビングループ傘下の銘柄に集中していたからです。ビングループをVN指数から除外すると、2025年の市場全体の成長率は「17%程度」にとどまります。そこからさらに2026年4月末まで見ると、ビングループ抜きの市場はほぼ横ばいです。
数字で見ると、さらに現実が見えてきます。ホーチミン証券取引所の400銘柄以上を集計したとき、市場パフォーマンスの「中央値」はわずか2.8%でした。時価総額10億ドル超の大型株で、VN指数を上回った銘柄は12本だけ。5億〜10億ドルのグループに至っては、たった4銘柄です。
40%の上昇を享受できたのは、事実上ビングループを多く保有していた投資家だけだった、ということなんです。
では、2026年はどう見るか
暗い話ばかりしてもしょうがないので、前向きな部分も見ていきましょう。VinaCapitalの見立てでは、2026年の市場には「3つの注目点」があると言っています。
まず、バリュエーションの話です。ビングループを除いた市場の予想PERは、現在「約10倍」。過去10年でほぼ最低水準です。この水準に達したのは、コロナ禍や関税ショックなど深刻な危機が起きたときだけだったと、ミン氏は説明しています。つまり、危機でもないのに危機並みの割安さが続いているわけで、これは逆に言えば「安全マージンが厚い」ということを意味します。
次に、企業業績の話です。2025年通期の上場企業の利益成長率は24〜25%と、多くの予測を上回りました。そして2026年第1四半期の速報値では、なんと平均30%増。証券会社の最も楽観的な予測さえ超えてきています。VinaCapitalは通年で16%成長を見込んでいますが、このQ1の数字を見ると、上方修正の余地が十分あります。
3つ目が、FTSE昇格の話です。これは私がずっと追いかけているテーマで、今月ついにFTSEがベトナム市場の格上げを正式に開始しました。詳細な仕組みについては「富の南下」シリーズの第4〜5回で解説していますので、ぜひあわせてご一読ください。「昇格は予測ではなくメカニズムだ」というのが私の一貫した主張ですが、そのメカニズムがいよいよ動き出しました。
インフラ投資の加速も見逃せません。道路・空港・鉄道・地下鉄など、官民双方から資金が流れ込んでいて、建設工事のペースは過去1年で明らかに上がっています。ハノイを歩いていると、至るところでクレーンが動いているのが目に入ります。これは数字の話ではなく、私の日常の実感です。
集中リスクだけは、目を背けずに見ておく
ここで一つ、正直に書いておかなければならないことがあります。
ビングループグループの株式が、現在の市場全体の時価総額の「約30%」を占めています。VinaCapitalもこの集中リスクを明確にリスク要因として挙げています。これだけ集中していると、このグループが下落した場合のドミノ効果は相当大きい。
「じゃあビングループを買えばいいんじゃないか」という発想も自然に出てきますが、問題は逆です。すでに指数の30%を占めているということは、ベトナム株のインデックスETFを保有している人はすでに大きくビングループに依存しているということでもあります。
銘柄の分散を考えるなら、ビングループ以外で業績が伸びている企業を丁寧に探す作業が、今年の投資の核心になると思っています。Q1利益が30%増という数字の中に、注目すべき企業が散らばっているはずです。
まとめると
2026年のベトナム株市場は、バリュエーションが歴史的に低い水準にあり、企業業績は好調で、FTSEという制度的な追い風もある。ただし、ビングループへの集中という構造的なリスクが存在していて、指数全体が上がっても自分のポートフォリオが乗れるかどうかは、銘柄選定の巧拙にかかっています。
「市場が上がっているのになぜ口座が増えないのか」という2025年の疑問への答えが、そのまま2026年の投資戦略のヒントになっています。そういうことなんです。
いかがでしたでしょうか。今回のVinaCapital市場見通しについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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