こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
今回はベトナムのフィンテック業界から、ちょっと気になるニュースが入ってきました。電子ウォレット大手のMoMoが、ファンド証書サービスを2026年7月1日をもって全面終了するという発表です。
「ベトナムの投資信託市場が縮小しているのか?」と思いたくなるニュースですが、実は話はそう単純ではありません。むしろこれ、ベトナムの個人投資家向けプラットフォームが次のステージに移行しつつあるサインかもしれないんです。
MoMoがファンド証書サービスを終了する、その背景
まず今回の発表の概要を整理しておきます。
MoMoは2026年7月1日をもって、電子ウォレット上でのファンド証書(投資信託証書)の全取引サポートを終了すると発表しました。実は新規口座開設と証書の購入機能はすでに停止済みで、現在は6月30日までの売却取引のみが可能な状態です。7月1日以降は完全に機能が落ちる、というスケジュールです。
ただし、大事なことを先に言っておくと、現在MoMo経由で保有しているファンド証書は消えません。各ファンド運用会社のプラットフォームに引き継がれて、そのまま管理・取引が続けられます。Dragon Capital Vietnam(DCVFM)、Vietcombank証券投資信託運用、SSI Fund Management、IPA Partner Investment Fund Managementなど、主要なファンド会社のプラットフォームに移行して引き続き取引できます。
慌てる必要はないですが、6月30日までに自分がどのファンドを保有しているか確認して、各社のアプリへの移行準備をしておくのがよいと思います。
実は「撤退」ではなく「再編」である理由
ここが今回のニュースで一番面白いところです。
MoMoはサービスを終了する一方で、新たにCV証券(CVS)が提供する「CVSファンド証書」サービスを開始すると発表しています。MoMoはこの新サービスで技術プラットフォームと決済仲介サービスを担当する、という役割分担です。
なぜこれが意味を持つかというと、MoMoの親会社であるM_ServiceはCVSの株式49%を保有しているからです。つまりMoMoにとってCVSは実質的な子会社に近い存在で、今回の「終了」は競合他社へのお客さんの引き渡しではなく、グループ内での業務再編という色合いが強い。
CVSの歴史を少し振り返ると、2009年にHong Bang Securitiesとして設立され、Hong Thinh Securities、CV Securitiesと名称変更を重ねてきた証券会社です。2022年にM_ServiceがCVS株の49%を取得してMoMoグループに入り、資本金も900億VNDから段階的に増資を重ねて、直近では約4,570億VNDにまで拡大しています。
要するに、電子ウォレットという間接的な形でやっていたファンド証書ビジネスを、証券会社という正規のライセンスを持つ枠組みで再構築しようという動きと見ることができます。
ベトナムの個人投資家プラットフォームが変わっていく
ハノイに住んでいると、この数年でベトナム人の若い世代が投資に対して驚くほど積極的になってきたのを肌で感じます。電子ウォレットを使いこなす20代・30代が「投資信託を買う」という行動にごく自然に移行していく、その流れをMoMoのファンドサービスは確かに後押しした側面があったと思っています。
MoMoがDCVFM(Dragon Capital Vietnam Fund Management)と提携してサービスを開始したのが2022年6月のこと。オープンエンド型ファンド証書を電子ウォレットで直接取引できるようにした、ベトナムで初めての試みでした。それからわずか4年でサービス構造が変わるというのは、市場がそれだけ急速に動いているということでもあります。
電子ウォレットの手軽さでまず投資の入口を作って、次のステップとして証券会社の正式なプラットフォームに誘導する。この二段構えの戦略は、ベトナムの個人投資家層が厚みを増していく過程で出てくる自然な流れとも言えます。
個人投資家向けの裾野が広がるということは、VN-Index全体の需要の底上げにも繋がります。もちろんそれが直接的に株価に反映されるかどうかはまた別の話ですが、「ベトナムの資本市場が着実に深みを増している」という文脈で捉えると、今回のMoMoの動きはひとつの面白いデータポイントだと個人的には感じています。そういうことなんです。
MoMoユーザーが今すること
現在MoMoでファンド証書を保有している方向けに、整理しておくと以下の選択肢があります。
2026年6月30日までにMoMoを通じて売却するか、あるいは保有を継続してDCVFM、Vietcombank、SSI、IPAなど各ファンド運用会社のプラットフォームで直接管理に切り替えるか。7月1日以降もファンド自体は消えませんし、各社のアプリで引き続き運用できます。どのみちMoMo上での操作はできなくなるので、早めに各社の公式アプリをダウンロードして口座設定を済ませておくのが安心です。
なお、今後CVSが提供する新しいファンド証書サービスへの自動移行はされません。新サービスを利用したい場合は改めて手続きが必要になる点、念のためお伝えしておきます。
いかがでしたでしょうか。今回のMoMoファンド証書サービス終了と再編について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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