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ベトナム・クアンガイ省とコントゥム省が合併、総額2.7兆ドン規模の「森・海・島」観光開発が始動

Quảng Ngãi: Sau hợp nhất, phát triển du lịch bền vững theo mô hình “Rừng - Biển - Đảo”
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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ベトナム中南部のクアンガイ省とコントゥム省の合併を受け、新・クアンガイ省が「森(Rừng)・海(Biển)・島(Đảo)」をコンセプトとした持続可能な観光開発モデルを打ち出した。マンデン(Măng Đen)高原エコリゾート、リーソン島(Lý Sơn)、サーフィン文化圏(Sa Huỳnh)という3つの核を軸に、総額約2兆7,000億ドン規模の大型都市開発プロジェクトが動き出しており、2030年に観光客1,000万人(うち外国人55万人)の誘致を目指す。

目次

省合併が生んだ「山から海まで」の観光空間

2025年に実施されたベトナム全土の行政再編の一環で、中部高原(タイグエン地方)に位置するコントゥム省と、南シナ海に面するクアンガイ省が合併し、新たな「クアンガイ省」が誕生した。これにより、標高1,200mの冷涼な高原から美しい海岸線、そして沖合の島嶼部までを一つの行政区域内に持つ、観光資源の多様性において極めてユニークな省が生まれたことになる。

2026年5月11日に開催されたクアンガイ省党委員会執行委員会会議では、持続可能な観光開発に関する決議案が討議され、「森・海・島」モデルが省の観光戦略の柱として正式に位置づけられた。海洋・島嶼観光、エコツーリズム、少数民族文化体験を有機的に結びつけ、他省との差別化を図る狙いである。

「第二のダラット」マンデン高原の魅力

旧コントゥム省に位置するマンデン(Măng Đen)は、標高約1,200mの高原地帯で、三葉松の天然林に囲まれた温暖な気候から「第二のダラット(Đà Lạt)」とも呼ばれてきた。都市開発の影響をほとんど受けておらず、静寂と清涼な空気を求める国内外の観光客に人気が高まっている。

この地域にはソーダン(Xơ Đăng)族、バナ(Bana)族、ザライ(Gia Rai)族、ジェチエン(Giẻ Triêng)族、ブラウ(Brâu)族など多くの少数民族が暮らしており、銅鑼(ゴング)演奏やソアン踊り、伝統工芸の実演といった文化体験が観光コンテンツとして整備されつつある。ストリートフェスティバルや定期市も開催されており、大自然を舞台にした「オープンステージ」として観光客を引きつけている。

マンデンの地元行政は、①天然資源、②文化的アイデンティティ、③コミュニティ参加の3本柱で観光を発展させる方針を掲げ、年間を通じた文化イベント・祭りの専門的な運営体制を構築中である。冷涼な気候を活かした「高原コーヒー体験」や湖・滝・古松林の周遊ツアーなど、滞在時間と消費額の増加を促す商品開発も進む。

リーソン島と「ホアンサ兵士供養祭」

クアンガイ省の沖合約30kmに浮かぶリーソン島(Lý Sơn、現在は「リーソン特区」に格上げ)は、約2,500万〜3,000万年前の火山活動によって形成された島で、手つかずのビーチと豊かな文化遺産を有する。特に注目すべきは、毎年旧暦3月16日にアンヴィン(An Vĩnh)集落の亭(ディン)で行われる「ホアンサ兵士供養祭(Lễ Khao lề thế lính Hoàng Sa)」である。これはかつてパラセル諸島(ホアンサ諸島)およびスプラトリー諸島(チュオンサ諸島)の主権標識設置のために出航し、命を落とした兵士たちを追悼する伝統行事で、迎神の儀、古式祭典、身代わり人形の放流、四霊(麟・龍・亀・鳳)の舟競漕など、多彩な儀礼が執り行われる。ベトナムの海洋主権の歴史を物語る文化的行事として、国内外から注目を集めている。

さらに、サーフィン文化圏(Không gian Văn hóa Sa Huỳnh)も重要な観光拠点である。紀元前1000年頃から紀元後数世紀にかけて栄えたサーフィン文化(Sa Huỳnh culture)は、東南アジア考古学における重要な文化であり、壺棺墓などの遺跡群が残されている。歴史・文化愛好家にとって見逃せない目的地である。

Sun Worldグループによる大型投資が始動

観光インフラ面では、大規模な投資が具体化している。2026年4月末、クアンガイ省人民評議会(HĐND)は、マンデンにおける「都市区域第1号(Khu đô thị số 1)」プロジェクトのために生産林約83haを転用する決議を可決した。

同プロジェクトはサンワールド・グループ(Tập đoàn Sun World、ベトナム国内でテーマパーク・リゾート開発を多数手がける大手)が主導し、総投資額は約6,647億ドンに上る。スポーツ・ウェルネス機能を備えた都市区域、文化渓谷、多様な宿泊施設・商業施設を2025年から2034年にかけて整備する計画である。

加えて、マンデンでは都市区域第1号・第4号・第5号の3プロジェクトが並行して進行中で、合計面積は約790ha、総投資額は約2兆7,000億ドンに達する。クアンガイ省のグエン・ゴック・サム(Nguyễn Ngọc Sâm)副主席は、これらを省の重点プロジェクトと位置づけ、土地測量・補償手続きの迅速化を各部局に指示している。

2030年に観光客1,000万人を目指す

新・クアンガイ省は2030年までに年間約1,000万人の観光客誘致を掲げており、うち外国人観光客は55万人を想定する。交通インフラの整備、宿泊施設の品質向上、体験型・グルメ観光商品の開発とプロモーションを柱に、グリーン成長原則に基づく環境保全と文化保存の両立を図る方針である。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の動きは、以下の点で注目に値する。

①観光・不動産セクターへの影響:サンワールド・グループの親会社であるサングループ(Sun Group)は未上場だが、同グループ傘下で上場しているサンワールド関連銘柄や、マンデン・リーソン周辺で土地・リゾート開発を手がける企業に波及効果が期待される。総額2兆7,000億ドン超の投資が地域経済に与えるインパクトは大きい。

②省合併による行政効率化と投資環境改善:ベトナム全土で進む省合併は、行政手続きの簡素化と広域的なインフラ計画の実現を後押しする。山岳部から沿岸部まで一元的に観光戦略を策定できるようになったことは、投資家にとって事業の予見可能性を高める要素である。

③FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、海外からの資金流入が加速し、観光・インフラ関連セクターにも恩恵が及ぶ可能性がある。観光客数の増加目標と相まって、リゾート・ホスピタリティ関連銘柄への中長期的な追い風となり得る。

④日本企業への示唆:マンデンの「エコ・ウェルネス」観光は、日本の温泉リゾートや健康観光のノウハウとの親和性が高い。また、リーソン島の火山地質や海洋文化はジオツーリズムの文脈で日本のジオパーク関係者との連携余地がある。建設・設計・ホテル運営など、日系企業の参入機会も検討に値するだろう。

ただし、生産林83haの転用については環境面での懸念も残る。「植林による代替」が実効性を伴うかどうか、今後のモニタリングが重要である。持続可能性を看板に掲げる以上、開発と保全のバランスが投資家の評価を左右する要素となる。


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出典: 元記事

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