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ベトナム製薬市場2025年80億ドル規模へ—知的財産権保護がR&D投資と成長の鍵に

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ベトナムの製薬業界団体ファーマグループ(Pharma Group)が5月14日にメディア向け説明会を開催し、知的財産権の保護強化が製薬業界のR&D(研究開発)投資とイノベーションを促進する上で不可欠であるとの見解を示した。ベトナム製薬市場は年間6〜8%の安定成長を続けており、2025年には推定80億ドル規模に達する見通しである。2045年にはGDPへの貢献額200億ドル超を目指すなか、知財保護の法整備と投資優遇策の拡充が急務となっている。

目次

成長著しいベトナム製薬市場の現状

ベトナムの製薬市場は、ASEAN地域でもトップクラスの成長率を誇る。市場全体では年間6〜8%、国内生産額に限れば年12〜15%という高い伸びを示しており、2025年の市場規模は推定80億ドルに達する見込みである。背景には、約1億人の人口を擁する巨大な内需市場、急速な都市化と中間層の拡大、そして医療サービスへのアクセス向上がある。

一方で、ベトナムは急速な高齢化にも直面している。2026年版の「ホワイトブック(Sách Trắng 2026)」によれば、平均寿命は上昇しているものの、平均で約10年間を何らかの疾病を抱えながら過ごしているという現実がある。国民の医療費における自己負担(OOP=Out-of-Pocket)比率は39.1%と依然として高く、政府の国内医療支出(GGHE-D)をGDP比5%以上に引き上げる余地はまだ大きい。こうした構造的課題が、製薬産業への投資拡大を後押しする要因ともなっている。

ファーマグループが訴える知財保護の重要性

説明会で登壇したファーマグループのグエン・ティ・タイン・トゥイ(Nguyễn Thị Thanh Thuỷ)ディレクターは、知的財産権の保護が製薬業界において果たす役割を強調した。同氏によれば、知財保護は単にイノベーションを奨励するだけでなく、発明者が膨大なR&D投資を回収し、さらなる研究開発へ再投資するサイクルを支える基盤である。製薬分野のR&Dは臨床試験を含む長期かつ高リスクなプロジェクトであり、知財によるリターンの保証がなければ投資は集まらない。

トゥイ氏は、ベトナム共産党の第57号決議(Nghị quyết 57-NQ/TW13)および第66号決議(Nghị quyết 66-NQ/TW14)で示された方針を実現するためには、以下の施策が不可欠だと述べた。

  • 投資優遇策の拡充:臨床試験や技術移転を行う企業に対し、最高水準の優遇措置を提供すること
  • 知的財産権の法的枠組みの整備:知的財産法の実効性ある運用に加え、臨床データ保護(Regulatory Data Protection=RDP)制度の導入・強化
  • ステークホルダーとの協議:既存の法的枠組みを活用しつつ、関係者への十分な意見聴取を通じて、実行可能かつ投資家にとって魅力的な政策を設計すること

ベトナムが目指す「地域の医療イノベーション拠点」

専門家らは、ベトナムには臨床試験、R&D、技術・知識の移転といった活動を通じて、地域における医療イノベーションの中心地となるポテンシャルがあると指摘する。製薬産業の高度化は、バイオテクノロジーやデジタルヘルスなど関連産業への波及効果も期待でき、ベトナム政府が掲げる2045年のビジョン——製薬業界によるGDP貢献額200億ドル超——の達成に向けた重要な柱となる。

ただし、現状ではジェネリック(後発薬)中心の産業構造から脱却しきれておらず、高付加価値の新薬開発や創薬研究の基盤はまだ発展途上にある。知財保護の不十分さが外資系製薬企業の本格的なR&D拠点設置をためらわせる一因ともなっており、法制度の実効性確保が課題である。

投資家・ビジネス視点の考察

今回のファーマグループの提言は、ベトナム製薬セクターへの中長期的な投資判断に影響を与えうる重要なシグナルである。以下の観点から注目に値する。

ベトナム株式市場への影響:ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場する主要製薬銘柄——ハウザン製薬(DHG)、イムエクセル(IMP)、トラファコ(TRA)、ピメファコ(PME)など——にとって、知財保護の強化は外資との技術提携やライセンス契約の拡大を意味し、収益機会の拡大につながる可能性がある。一方、ジェネリック主体の企業にとっては、知財保護強化が競争環境の変化をもたらすリスクもある。

日本企業への影響:日本の製薬大手は従来からベトナム市場に関心を持っており、知財保護が強化されれば、臨床試験の委託先や技術移転のパートナーとしてベトナムの存在感が高まる。アステラス製薬、第一三共、エーザイなど、ASEAN展開を進める日本企業にとって追い風となりうる。

FTSE新興市場指数との関連:2026年9月に判断が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げにおいて、知財保護を含む制度面の透明性・国際整合性の向上は、市場全体の評価を底上げする要素となる。製薬セクターのガバナンス改善は、海外機関投資家が重視するESG(環境・社会・ガバナンス)の観点でもプラスに働く。

マクロトレンドとの位置づけ:ベトナムは「チャイナ・プラスワン」の文脈で製造業の移転先として注目されてきたが、今後はより高付加価値領域——とりわけ医薬品R&Dやバイオテクノロジー——への産業高度化が問われる段階に入っている。知財保護の強化は、この構造転換を支える制度的インフラそのものであり、ベトナム経済の「次のステージ」を占う試金石と言える。


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出典: 元記事

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