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【IEA最新報告】ベトナムのレアアース埋蔵量が米国を超えた——350万トンの潜在力と採掘現場の厳しい現実

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

国際エネルギー機関(IEA)が「レアアース元素2026」報告書を公表しました。その中に、ベトナムを見ている投資家として見逃せないデータが入っていましたのでご紹介します。

ベトナムの希土類元素(レアアース)埋蔵量は「350万トン」。これがアメリカの「190万トン」を上回る、というデータです。

世界全体で見ると、中国が圧倒的な存在感を示しています。IEAによると、中国は2026年時点で世界の既知埋蔵量の約49%に相当する4,400万トンを抱えており、ブラジル(2,100万トン)、インド(720万トン)がそれに続きます。ベトナムの350万トンは世界4位水準であり、軍事・産業両面でレアアースの確保に躍起になっている米国(190万トン)を上回っています。

この数字が今、重要性を増している理由はひとつです。クリーンエネルギーへの世界的な転換です。

電気自動車のモーターや風力発電タービンの磁石には、ネオジムやジスプロシウムといった希土類元素が欠かせません。IEAは2030年以降、EVと風力発電を主要ドライバーとしてレアアース需要が急激に増加すると予測しており、現在の政策シナリオでは2050年に向けて両分野の需要シェアが大幅に拡大するとしています。ベトナムが持つ350万トンという地下資源は、その文脈において初めてリアルな経済価値を持ちます。

ハノイに13年住んでいると、街の変化を肌で感じます。数年前と比べると、電動バイクの台数が目に見えて増えました。VinFastの電動二輪が信号で並ぶ光景はもはや日常です。ふとそこで思うのは、「このモーターの磁石に使われているネオジムはどこから来るのか」という問いです。EVの需要地と資源の産地が同じ国に共存しているというのは、考えてみると相当に特殊な状況です。

目次

北西部の鉱山と採掘企業の実態

ベトナムの希土類元素は主に北西部地域に集中しています。天然資源環境省によると、ドンパオ、ナムナムセ、バクナムセ、イエンフーといった鉱山がライチャウ省やイエンバイ省などに分布しており、探査と経済的価値の確認は完了しています。

今回の報道で浮き彫りになったのは、この豊富な埋蔵量と、それを活かせていない現実のギャップです。

ベトナム最大のレアアース鉱山とされるドンパオ鉱山(ライチャウ省)を運営するライチャウ希土類合資会社(Lavreco)は、親会社であるヴィミコ・ミネラル・コーポレーション(証券コード:KSV)の投資証明書が取り消され、採掘・加工プロジェクトの運営が終了した状態にあります。ドンパオ鉱山は11平方キロメートルを超える面積と500万トン超の酸化物埋蔵量を持つ有望な鉱山でしたが、現状は稼働していません。

別の採掘会社であるタイ・ズオン・グループでは、取締役会長らが1,100万キログラムを超えるレアアース鉱石と1億5,300万キログラムを超える鉄鉱石の違法採掘・販売を組織したとして、合計懲役14年6ヶ月の判決が下されました。違法採掘・販売の総額は6,320億VNDに達し、国家に与えた損失は75億VNDを超えると推定されています。

さらに、ベトナムで唯一の希土類加工工場を運営するベトナム希土類公社(VTRE)でも、密輸と会計規則違反が発覚し、会長が懲役16年の判決を受けました。VTREは国内で原材料を調達できないために100%海外輸入に頼っており、その輸入過程での不正が問題となりました。

埋蔵量大国と産業未成熟のジレンマ

これがベトナムのレアアース産業の現状です。世界4位の埋蔵量を持ちながら、採掘から加工に至るサプライチェーン全体が未整備で、コンプライアンス面のリスクも依然として高い。資源大国としての「ポテンシャル」と、産業として機能するための「インフラ」の間には、まだ大きな距離があります。

「富の南下」の観点で見ると、このレアアース問題はベトナムの成長ストーリーの「まだ開いていない扉」のひとつです。EVや再生可能エネルギーへの世界的なシフトが加速する中で、ベトナムが地下に持つ350万トンの価値は今後ますます高まるでしょう。ただしその恩恵が実際の産業・企業・株式市場に反映されるためには、採掘技術の整備、環境規制の強化、そして何より法的なガバナンスの改善が不可欠です。

クリーンエネルギーの時代に「資源を持っている」ことは確かなアドバンテージです。しかし「持っている」と「活かせている」の間には、時に数十年単位の時間がかかります。このテーマは、今すぐ何かが動く話ではなく、中長期的に注視すべき構造的な動きとして捉えるのが妥当ではないでしょうか。

そういうことなんです。

いかがでしたでしょうか。今回のベトナムのレアアース動向について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。

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