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ベトナム・ホーチミン市がコンサート観光を本格推進—SaigontouristとDatVietVACが定期公演で誘客へ

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ベトナム最大の経済都市ホーチミン市で、観光業とエンターテインメント産業を融合させた新たな取り組みが動き出した。国営旅行大手サイゴンツーリスト(Saigontourist)と、大ヒット音楽番組「Anh trai say hi(アイン・チャイ・サイ・ハイ)」の制作会社ダットビエットVAC(DatVietVAC)が提携し、ホーチミン市を舞台にコンサートやファンミーティングを定期的に開催する「コンサート・ツーリズム」構想を本格化させる。

目次

サイゴンツーリストとダットビエットVACの提携内容

今回明らかになった計画によると、サイゴンツーリスト(ベトナム最大級の国営旅行会社で、ホテルチェーンや旅行代理店を幅広く展開)とダットビエットVAC(ベトナムの大手エンターテインメント制作会社)は、ホーチミン市において複数のコンサートシリーズやファンミーティングを定期的に共催する方針である。単発イベントではなく「定期開催」を打ち出している点が大きな特徴で、観光客が来訪時期を計画しやすい仕組みを整えることで、国内外からの持続的な集客を狙う。

ダットビエットVACが制作した「Anh trai say hi」は、2024年に放送されて社会現象ともいえるブームを巻き起こした音楽リアリティ番組である。番組から生まれた楽曲はベトナムの音楽チャートを席巻し、出演アーティストたちの人気は爆発的に高まった。番組終了後に開催された大規模コンサートはチケットが即日完売するなど、その集客力は実証済みだ。今回の提携は、こうしたコンテンツパワーを観光振興に組織的に活用しようという試みである。

背景にあるホーチミン市の「ナイトエコノミー」戦略

この動きは、ホーチミン市が近年推進している「夜間経済(ナイトエコノミー)」振興策と密接に関連している。ホーチミン市人民委員会は、市内の観光消費額を引き上げるため、夜間の娯楽・飲食・文化イベントの充実を重点施策として掲げてきた。コンサートは、会場での消費にとどまらず、宿泊・飲食・交通・土産物など幅広い分野に経済波及効果をもたらす。バンコクやソウル、シンガポールといった近隣のライバル都市がコンサート・ツーリズムで大きな成果を上げていることも、ホーチミン市の危機感を高めている。

特に韓国のK-POPコンサートや、タイのバンコクが海外アーティストの東南アジア公演のハブとして急成長している状況は、ベトナムの行政・業界関係者にとって刺激となっている。ベトナムは人口約1億人を擁し、平均年齢が30歳前後と若い。音楽やエンターテインメントに対する消費意欲は高く、国内市場だけでも大きなポテンシャルを持つ。加えて、ベトナムのエンタメコンテンツが周辺国に浸透すれば、外国人観光客の誘致にもつながるという期待がある。

ホーチミン市企業の観光・エンタメ連携の広がり

ホーチミン市ではこのほかにも、観光とエンターテインメントの連携が多角的に進んでいる。市内のランドマーク的な会場であるフーティエン・アリーナ(Phu Tho Arena)や新設のスタジアム・イベント施設などを活用し、国際的なアーティストの公演誘致も強化されている。ベトナム政府も2024年以降、大型イベント開催時のビザ要件緩和や入国手続きの簡素化を進めており、制度面からもコンサート・ツーリズムを後押しする環境が整いつつある。

サイゴンツーリストは、傘下に多数のホテルブランド(サイゴンホテル、マジェスティックホテルなど歴史的な名門ホテルを含む)や旅行代理店を持ち、宿泊・交通・ツアーの一括パッケージを提供できる強みがある。コンサートチケットと宿泊・市内観光をセットにした「コンサート・ツアーパッケージ」の販売も視野に入っているとみられ、旅行会社とコンテンツプロバイダーの垂直的な連携モデルとして注目される。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の提携は直接的に上場企業の大型案件に結びつくものではないが、ベトナムの観光・サービスセクター全体にとってポジティブなシグナルである。以下の観点から注目したい。

1. 観光関連銘柄への追い風:ホーチミン証券取引所(HOSE)に上場する旅行・ホテル・航空関連銘柄にとって、コンサート・ツーリズムの定着は需要の底上げ要因となる。特に格安航空のベトジェット(VJC)やベトナム航空(HVN)は、国内線・近距離国際線の搭乗率改善が期待できる。

2. エンタメ・デジタル経済の成長:ベトナムのエンターテインメント産業は急成長フェーズにあり、チケットのオンライン販売プラットフォームやライブ配信関連のテック企業にも波及効果が見込まれる。ベトナムのデジタル経済は政府が2030年までにGDP比30%を目指す戦略分野であり、エンタメはその重要な一角を占める。

3. 日本企業への示唆:日本のエンターテインメント企業や旅行会社にとって、ベトナムでのイベント共催や現地パートナーとの連携は有望な市場開拓の手段となりうる。既に日本のアニメイベントや音楽フェスはベトナムで高い人気を誇っており、サイゴンツーリストのような現地大手との協業は参入障壁を下げる一つの方法である。

4. FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、海外からの機関投資家資金が大量に流入する。その際、内需型のサービス・観光セクターは外需依存度が低い安定成長セクターとして、ポートフォリオの分散先として選好される可能性がある。コンサート・ツーリズムのような観光高付加価値化の動きは、まさにそうした投資テーマと合致する。

ベトナムの若い人口構成と急速に拡大する中間層の消費力を考えれば、エンタメ×観光の融合は一過性のブームにとどまらず、構造的な成長テーマとなる可能性が高い。ホーチミン市がバンコクやソウルに匹敵する「アジアのコンサートハブ」に成長できるかどうか、今後の展開から目が離せない。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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出典: 元記事

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