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2030年・2万戸を建て替えへ——ハノイ市が老朽集合住宅の再建補償スキームを正式発表

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

「このアパート、もう50年以上経ってるけど、立て直しになったらどうなるんだろう」——ハノイに13年住んでいると、そういう話題を現地の友人からときどき聞かされます。古い集合住宅、いわゆるチュングーが建ち並ぶエリアは、ハノイの街のあちこちに今もあって、そこに暮らす人たちにとっては決して他人事じゃない問題です。

今回、ハノイ市人民評議会が都市再生に関する決議案の中で、老朽化集合住宅の再建に向けた具体的な補償スキームを打ち出しました。投資家目線でも、不動産・建設セクターに絡む動きとして注目できる内容です。

4つの選択肢を住民が自分で選べる

明らかになった計画で興味深いのは、補償が「行政が決める」のではなく「住民が選ぶ」という設計になっているところです。

提示された選択肢は4つあります。元の敷地内に建て直した住宅へそのまま移転する案、別の場所に用意された住宅に移転する案、金銭的な補償を受け取る案、そして住宅と現金の両方を組み合わせる案——この4パターンの中から1つを選べるということです。

移転先の住宅については、面積・品質ともに「旧住宅と同等以上」であることが条件とされています。もし新しい住宅のほうが広い場合は、その差額分を開発業者に支払う仕組みになりますが、別途合意がない限り義務ではないという但し書きもついています。実際には住民が損をしない方向での調整が想定されているようで、少なくとも政策の建て付けとしては住民保護を前面に出した内容と言えます。

優先的に守られるのはどんな人たちか

現地移転の優先対象として市が挙げているのは、退役軍人、障害者、貧困世帯、準貧困世帯、優遇措置を受けている家族、そして一人当たりの居住面積が基準を下回る多世代同居世帯の6グループです。

ハノイ在住13年の感覚で言うと、こういった優先順位の設定はベトナムらしいなと感じます。共産党体制のもとで社会的弱者の保護という建前はわりと真剣に扱われていて、少なくとも制度設計の段階では丁寧に配慮が盛り込まれることが多い。もちろん実際の運用がどうなるかはまた別の話ですが。

世帯主に対しては仮住居か家賃補助が提供される予定で、合法的に事業用スペースを持っている場合は追加支援の可能性もあるとされています。影響を受ける労働者には研修やキャリア支援、就職支援まで用意するという内容で、補償の範囲がかなり広く設定されています。

投資家側への優遇措置がポイント

この政策で個人的に注目しているのは、投資家(デベロッパー)向けのインセンティブが手厚く設計されている点です。

解体が必要な物件と防火安全基準を満たしていない物件については、入札手続きなしで再建プロジェクトを発注できる仕組みが提案されています。さらに、共同改修プロジェクトは「グリーンレーン」と呼ばれる市の優先審査制度に乗せる可能性があり、土地使用料や公共インフラ整備に関わる財政的義務の一部または全部が免除される見込みとのことです。

加えて、建物の高さの引き上げや土地利用機能の調整、商業・サービスエリアの追加も検討できるとされています。つまり開発業者は、再建で生まれた余剰の商業スペースや住宅ユニットを販売・賃貸することで、投資を回収する道筋が用意されているわけです。これはデベロッパーにとって旨みのある条件で、民間資金をうまく呼び込む設計になっていると言えます。

2030年、2万戸の再建という野心的な目標

ハノイ市が掲げる数字は具体的です。現在進行中の老朽集合住宅改修プロジェクトは11件、すでに3件が完了しています。そして2030年までに、取り壊し予定の老朽集合住宅2万戸の改修を完了することが目標として設定されています。さらに2035年には、約2,160棟の集合住宅が都市再生・再建の対象になる予定です。

2万戸という数字は小さくありません。それだけの規模の再開発が首都ハノイで動くとなれば、建設需要・不動産需要ともに相当なものになります。既存の建物を壊して新しいものを建てるわけですから、鉄鋼や建材の需要も当然生まれます。Hoa Phat(HPG)のような素材系企業や、不動産開発に絡む企業の動向を継続して観察していきたいと考えています。

ただ現実として、ベトナムの都市再開発はスケジュール通りに進まないことが珍しくありません。2030年目標はあくまで目標として受け止めつつ、法整備や実際の事業者選定がどのように進むかを追いかけていくのが現実的な見方だと思います。そういうことなんです。

いかがでしたでしょうか。今回のハノイ老朽集合住宅の再建政策について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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