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店舗数1,011 vs 78。ベトナムコーヒーチェーン戦争2026、勝者と敗者が決定的になってきた

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

ハノイに13年住んでいると、街の変化が体感として伝わってきます。数年前まであちこちで見かけたザ・コーヒーハウスの看板が、いつの間にか減っている。その代わりにフックロンが増え、カティナットという聞き慣れなかった名前がいつの間にかあちこちに現れている。

2026年のベトナムコーヒーチェーン市場で、何が起きているのか。今日はその実態を整理してみたいと思います。

調査会社Q&Meが発表した「ベトナム現代小売市場展望2026」レポートと、各社が公表した最新データをもとに読んでいきます。

ハイランズコーヒーは、依然として圧倒的なトップです。2026年3月末時点での店舗数は国内外合計で1,011店舗。フィリピンへの海外出店も果たし、ついに4桁の大台を突破しました。従業員数は1万人超、年間来客数は1億人以上というのだから、これはもはや「コーヒーチェーン」という枠を超えた存在になりつつあります。

投資家目線で注目したいのは、親会社であるフィリピンのジョリビー・フーズ・コーポレーションが、ハイランズコーヒーのIPOを2027年第1四半期に検討しているという情報です。2026年第1四半期にはEBITDAが前年同期比9%増、日本円換算で約19億円規模に到達しています。ハイランズコーヒーが単独で株式市場に登場する日が近づいているとすれば、ベトナム株ウォッチャーとして見逃せない動きです。

フックロンは、この数年で最も劇的な変化を遂げたチェーンの一つです。マサンとの合併を経て一時は店舗再編の痛みを経験したものの、今やその回復ぶりは目を見張るものがあります。2026年第1四半期の売上高は5,690億VND(約34億円)で、前年同期比34%増。3四半期連続で過去最高売上を更新し続けているのです。

店舗数も2024年の156店から2025年には237店へと50%超の成長。今年はさらに40〜50店の新規出店を目標に掲げており、特にハノイでの展開を強化する方針だと言います。私がよく足を運ぶタイ湖周辺にも近年フックロンが出店してきており、現地で暮らしていてもその存在感の増し方は実感できます。フックロンはもはやWinMartのキオスクだけのブランドではなく、独立した高品質ティー・コーヒーチェーンとして確固たるポジションを築き始めています。

そしてカティナット。2016年にホーチミン市でわずか数店舗からスタートしたこのブランドが、今や業界の台風の目になっています。2024年時点で約69店舗だったものが、2026年には120店舗に拡大する見込み。その成長速度は、ザ・コーヒーハウスをあっという間に追い越してしまいました。

若者向けのスタイリッシュなブランドイメージと、ホーチミン市のコーヒーカルチャーを感じさせる雰囲気が若い客層を引きつけています。2024年には社名を「Katinat Coffee & Tea House」に変更し、ブランド戦略を明確化。日本でいえば、まだ全国区になっていない地方発のオシャレカフェが急速に知名度を上げていくような感覚です。

一方でザ・コーヒーハウスの凋落は、見ていてなかなか厳しいものがあります。ピーク時から大幅に縮小し、2025年にゴールデンゲートに買収された時点でも78店舗。買収前よりさらに15店舗減少しており、不採算店の閉鎖と再編が続いています。Q&Meの予測では2026年に82店舗程度で落ち着く見通しですが、実態はそれを下回るペースで縮小が進んでいます。

ベトナムのコーヒーチェーン市場全体を俯瞰すると、ある構造変化が見えてきます。かつての競争軸は「いかに速く店舗を増やすか」でした。しかし今、市場は次のフェーズに移行しています。効率的な運営、コスト最適化、そして特定の顧客層に刺さるブランドの作り込み。この3点を実現できたプレイヤーが生き残り、そうでないプレイヤーは撤退か買収されていく。

ハイランズコーヒーとフックロン、そしてカティナットという3つの「勝者」が示しているのは、新興国のリテール市場でも「選択と集中」の時代が来たということです。ベトナムのコーヒー1杯の値段が最大8万VND(約480円)まで上昇している中で、消費者はより意識的に「どの店に行くか」を選ぶようになっています。

ベトナム人の可処分所得が上がり、消費が洗練されていく。その過程で強いブランドはさらに強くなり、弱いブランドは淘汰される。これはコーヒー業界だけの話ではなく、ベトナム消費市場全体で今起きているダイナミズムそのものです。

そういうことなんです。

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本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。

本記事の情報の正確性、完全性、最新性については最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者は一切の責任を負いません。

投資判断に際しては、金融商品取引業の登録を受けた専門家への相談を強く推奨いたします。本記事は法的、税務的、財務的なアドバイスを提供するものではありません。

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