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Grabが16億ドルのデジタル銀行を子会社化——東南アジア金融インフラ争奪戦の最前線

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

2025年5月20日、東南アジアのスーパーアプリ「Grab」がインドネシアのデジタル銀行スーパーバンクを子会社化すると発表しました。時価総額にして約16億ドル(日本円でおよそ2,400億円)規模の取引です。ひと言で言うと、Grabが「配車・飯デリの会社」から「東南アジアの金融インフラ」へと脱皮しようとしている、そういうことなんです。

今回の動きを少し整理しておきましょう。シンガポールの通信大手シングテルが保有していたスーパーバンク株式を、GrabとシングテルのJV(合弁会社)であるGXSバンクに譲渡しました。これによりGrabのスーパーバンクへの実質的な持分が50%を超え、スーパーバンクは正式にGrabの連結子会社となります。スーパーバンクの業績は2026年5月から、Grabの金融サービス部門に完全統合される予定です。

スーパーバンクという会社、実は数字がかなり面白いんです。2024年にアプリをリリースしたばかりの若い銀行なのに、2025年度にはすでに黒字化を達成しています。2026年4月時点の総資産は24兆ルピア(約17億シンガポールドル)で、前年比72%増。純金利収入の伸びは84%増と、ほぼ倍増のペースです。現在のユーザー数は600万人超、1日あたりの取引件数は100万件以上に達しています。設立から1〜2年でこの規模というのは、東南アジアのデジタル金融の爆発力を示しているとも言えます。

Grabがこの動きをとる背景には、明確な戦略的意図があります。同社はすでにインドネシア最大級のデジタル決済プラットフォームのひとつであるOVOの株式を90%保有しています。つまり、決済(OVO)と銀行(スーパーバンク)を両方傘下に収めることで、インドネシアにおける金融エコシステムを垂直統合しようとしているわけです。Grab会長兼COOのアレックス・ハンゲート氏が発表で述べたのは「金融包摂の促進」という言葉でした。配車とフードデリバリーで蓄積した膨大な取引データを信用スコアリングに活用し、従来の銀行が対応しきれなかった層へのローンやサービスを届けていく、というモデルです。

ここで少し視点を広げてみると、この動きはGrabだけの話ではないと私は感じています。東南アジア全体で、配車・ECプラットフォームがデジタルバンキングへと軸足を移す動きが加速しています。東南アジアの平均年齢は30代前半、銀行口座を持たない「アンバンクト」層が今も数億人規模で存在しています。スマートフォンの普及率が銀行支店の普及率を大きく上回るこの地域では、デジタル金融が最初の金融インフラになるという構造的な必然があります。

私がよく「富の南下」という言葉で表現している世界経済の重心移動、その最前線の一場面が今回のGrabの動きだと感じています。詳しくは富の南下マガジンをご覧いただければと思いますが、人口が増え、所得が上がり、デジタル化が進む東南アジアで「金融」というインフラを握る企業の価値は、今後どう評価されるでしょうか。ベトナム株を見ている私の目線でも、この動きは非常に参考になります。TCBやVCBといったベトナムのデジタル銀行がどう位置づけられるかを考える上でも、Grabモデルは一つの参照軸になると思っています。

もちろん、リスクがないわけではありません。インドネシアは規制環境が複雑で、外資による銀行支配には制約がある市場です。スーパーバンクの高成長が今後も続くかどうかも、不確定な部分が残ります。Grabの今後の四半期決算(8月発表予定)で業績見通しが更新される予定ですので、そこも注目ポイントになります。

いかがでしたでしょうか。今回のGrabによるスーパーバンク子会社化について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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