こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
今日はいつもと少し違う話をします。株価でもFTSEでも企業決算でもない。でも、ベトナムという国の「今」を知る上で、私がここ最近ずっと気になっていることです。
ハノイのオフィスで、カフェで、タクシーの中で、ベトナム人の同僚や知人がここ数週間ずっと話しているドラマがある。「Vì Mẹ Anh Bắt Chia Tay」、日本語にすれば「母が別れを命じたから」。国産ドラマとしては異例のヒットで、視聴後に「ホアン・ミーがかわいそうすぎる」「続きが気になって眠れない」という声がソーシャルメディアに溢れている。日本でいえば、90年代の月9がそのまま現代のストリーミングに移植されたような熱狂です。
そのヒロイン「ホアン・ミー」を演じたのが、トゥイ・アインという1995年生まれの女優です。
彼女が最近語ったインタビューが、正直かなり刺さりました。
「私の顔は生まれつき傲慢な感じがする」と彼女は言う。子供の頃から「近寄りがたい」「扱いにくそう」と周囲に思われてきた。女優になってからは「出演作はすべて失敗する」「脇役顔で主役は無理」とネット上で断言され続けた。大学進学のために俳優業を一時休止したことで、タイミングを逃したとも言われた。2年近く続いた映画プロデューサーとの法廷闘争では、外見も体型も気を遣う余裕すら失った、と語っている。
普通なら、辞める。
でも彼女は辞めなかった。そして今、「ホアン・ミー」としてベトナム全土の視聴者を泣かせている。
ハノイに13年いると、ベトナムの人たちが「結果の出ない時間」をどう過ごすか、わりと近くで見てきました。正直なところ、この国の人たちの「諦めの遅さ」は日本とかなり違うと思う。もちろん個人差はあるけれど、「いつか必ずチャンスが来る」という感覚が根っこにある人が多い気がします。仏教的な時間の感覚なのか、家族の期待という緩やかなプレッシャーなのか、私には正確にはわからない。でも確かに存在する。
そしてもうひとつ、今回のヒットを語る上で欠かせない背景があります。
ベトナムの国産エンタメ産業が、いま静かに、でも確実に拡大しています。スマートフォンの普及と国内ストリーミングサービスの台頭によって、ベトナム人が「自国のコンテンツ」を求める量が急増している。5年前なら韓国ドラマや中国ドラマに席巻されていた時間帯に、今はベトナム語のセリフが流れている。これはコンテンツ産業だけの話ではなくて、中間層の拡大と消費の高度化が進んでいることの表れでもあります。
「自分たちの物語を、自分たちの言葉で見たい」という欲求は、一人あたりGDPが一定の水準を超えた時に爆発的に出てくる。日本も韓国も、かつてそのフェーズを経験した。ベトナムはまさに今そこにいます。そういうことなんです。
トゥイ・アインはインタビューの中でこう言っている。
「たとえ人生が私に優しくなくても、私は優しい人を選ぶ。」
この言葉を読んだとき、私はベトナムという国そのものを少し思い浮かべました。長い戦争の歴史、経済制裁、国際的な孤立。それらを背負いながら、今のベトナムはどこか前を向いている。批判や困難の中でも、自分の道を歩み続けた女優の話は、この国の縮図みたいに見えました。
「ホアン・ミー」を観ていないベトナム人はほとんどいない、という今のハノイの空気。投資家として、経済の数字を追うだけではなく、こういう文化的な熱量も、ちゃんと感じておきたいと思っています。
いかがでしたでしょうか。今回のトゥイ・アインとベトナムエンタメ産業の話について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナムの「今」を伝えたいと思っています。
【メンバーシップのご案内】 より詳細な投資分析や、ポートフォリオの具体的な銘柄情報、現地からのリアルタイム情報をお求めの方は、ぜひメンバーシップへのご参加をご検討ください。 https://note.com/gonviet/membership
一緒にベトナム株でFIREを目指しましょう!
【速報ニュース】 ベトナム経済や社会の速報ニュースは私のサイト日刊ベトナム経済通信もご活用ください。こちらのサイトは毎日ベトナムの経済、社会、投資関連情報をいち早く速報ニュースで配信しているニュースサイトです。
【免責事項】 本記事は、情報提供のみを目的としており、特定の金融商品への投資の勧誘や推奨を意図するものではありません。執筆者は金融商品取引業の登録を受けておらず、投資助言・代理業を行う資格を有していません。
本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。
本記事の情報の正確性、完全性、最新性については最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者は一切の責任を負いません。
投資判断に際しては、金融商品取引業の登録を受けた専門家への相談を強く推奨いたします。本記事は法的、税務的、財務的なアドバイスを提供するものではありません。
#ベトナム株 #投資 #アジア株 #FIRE #ベトナム #投資信託 #資産形成 #ベトナムニュース #海外ニュース #ニュース #経済












コメント