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ベトナム・ホーチミン市、2026年7月から社会保険料の新基準額を適用——基準月額253万ドンに引き上げ

TP.HCM áp dụng mức đóng bảo hiểm xã hội mới từ 1/7/2026
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ホーチミン市社会保険局は、2026年7月1日から適用される社会保険・医療保険・失業保険・労災保険の新たな保険料基準について詳細なガイダンスを公表した。基準参照額(旧「基礎給与」)が月額2,530,000ドンに引き上げられることに伴い、各種保険料の上限・下限が一斉に改定される。ベトナムで事業を展開する日系企業にとっても、人件費コストに直結する重要な制度変更である。

目次

強制加入社会保険の保険料基準

今回の改定の核心は「参照額(mức tham chiếu)」の引き上げである。ベトナムでは従来「基礎給与(mức lương cơ sở)」と呼ばれていたこの基準額が、社会保険料算定の基盤となっている。2026年7月1日以降、この参照額は月額2,530,000ドンとなる。

社会保険・医療保険・労災職業病保険の算定基礎となる給与は、下限が参照額(2,530,000ドン)上限が参照額の20倍(50,600,000ドン)と定められている。一方、失業保険については、下限は同じく参照額だが、上限は「地域別最低賃金の20倍」となっており、社会保険とは異なる計算根拠が用いられる点に注意が必要である。

ホーチミン市は、ベトナム全国4区分の地域別最低賃金のうち最も高い「第1地域」に該当する。同市で適用される地域別最低賃金の具体的な金額は、社会保険局が別途表で示しているが、失業保険料の上限算定に直接影響するため、企業の人事・経理担当者は確認が不可欠である。

任意加入社会保険の保険料基準

任意加入の社会保険については、加入者が自ら選択する所得額を算定基礎とする。その範囲は以下の通りである。

  • 下限:農村部貧困世帯基準額である1,500,000ドン
  • 上限:参照額の20倍、すなわち50,600,000ドン

任意加入者に対する国からの保険料補助は、農村部貧困世帯基準額に対する月額保険料を基準に、一定の割合で最大10年間(120カ月)支給される。貧困世帯、準貧困世帯、その他の対象者で補助率が異なり、複数の対象に該当する場合は最も高い補助率が適用される。

世帯単位の医療保険料

世帯単位で加入する医療保険についても、参照額の引き上げに伴い保険料が改定される。ベトナムの医療保険制度では、同一世帯で2人目以降の加入者は保険料が段階的に割引される仕組みとなっており、今回の参照額変更により各段階の具体的な金額も変動する。

学生・生徒向け医療保険

ホーチミン市内の国民教育体系に属する教育機関に在籍する学生・生徒(ベトナム政府奨学金を受けていない外国人学生を除く)は、学生向け医療保険への加入が求められる。保険料の計算式は以下の通りである。

医療保険料 = 参照額 × 4.5% × 加入月数

参照額が2,530,000ドンとなったことで、月額保険料は2,530,000 × 4.5% で算出される。学生は年度・課程の開始時に所属する教育機関で登録・納付を行い、教育機関が社会保険機関へ名簿と保険料を一括で提出する仕組みである。

なお、2026年中に保険証の有効期限が切れる場合や、これまで未加入だった場合は、2026年12月31日までの残余月分のみ納付し、2027年分から通常の方式で加入する。準貧困世帯に属する学生は原則として居住地の自治体で加入するが、未加入の場合は学校経由での加入が認められる。後日、別の対象グループとして保険証が発行された場合は、重複分の返金手続きが行われる。

また、既に3カ月・6カ月・12カ月一括払い、あるいは複数年分の前払いを行っている加入者については、納付期間中に貧困基準額や参照額が変更されても、差額の追加徴収や返金は行われない。この点は加入者・国庫双方に適用される重要なルールである。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の参照額引き上げは、ベトナム政府が毎年段階的に進めている社会保障制度の充実策の一環であり、以下の観点から注目に値する。

①日系企業を含む在越企業への人件費影響:社会保険料の企業負担分は給与の約17.5%(社会保険14%、医療保険3%、失業保険0.5%)に上る。参照額の引き上げにより、最低賃金水準で雇用している労働者の保険料負担が増加するため、製造業やサービス業など労働集約型の産業では利益率への影響を注視する必要がある。特にホーチミン市は第1地域として最低賃金が全国最高水準であり、コスト上昇圧力は最も大きい。

②ベトナム株式市場への影響:直接的には個人消費の面で二面性がある。保険料負担増は手取り収入の減少要因となるが、社会保障の充実は将来不安の軽減を通じて消費意欲を下支えする可能性もある。保険セクターでは、バオベト(BVH)やバオミン(BMI)など上場保険会社は主に商業保険を扱うため直接的影響は限定的だが、社会保障制度全体への信頼向上は商業保険市場の成長にも間接的にプラスに働く。

③FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げにおいて、ベトナムの制度的成熟度は重要な評価要素である。社会保障制度の段階的整備は、国際的な投資家がベトナム市場の「制度リスク」を評価する際のポジティブ材料となりうる。安定的な労働環境の構築は、外資系企業の進出・拡大判断にも影響を与えるためである。

④ベトナム経済のマクロトレンド:参照額の引き上げは実質的な最低保障水準の底上げを意味し、ベトナムが「中所得国の罠」を回避するために進めている所得向上・内需拡大路線と軌を一にしている。中長期的には、社会保障の安定が人材の定着率向上にもつながり、労働生産性の改善を後押しする可能性がある。


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出典: 元記事

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