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ベトナム証券株が年初来50%上昇も二極化鮮明—銀行系が市場シェア60%へ拡大

Nhiều cổ phiếu chứng khoán tăng 50% từ đầu năm, động lực còn không?
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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ベトナムの証券セクター株が年初来で最大50%上昇する銘柄がある一方、半数以上がマイナスリターンにとどまるという激しい二極化が進行している。背景には、銀行系証券会社の台頭と市場全体の構造変化がある。VDSC(ベトナム龍証券、Viet Dragon Securities)の最新データをもとに、その実態と今後の展望を読み解く。

目次

年初来パフォーマンス:50%上昇と半数超のマイナスが共存

VDSCの統計によると、証券セクター株のリターン格差は極めて大きい。一部の銘柄が50%もの上昇を記録する一方、全体の半数以上が年初来でマイナス圏に沈んでいる。この分化は、市場が2026年の業績見通しに対して銘柄ごとに大きく異なる評価を下していることを如実に示している。

証券株の上昇は主に年初の1〜2月に集中していた。この時期はベトナム株式市場全体が活況を呈し、証券業界の利益成長見通しも楽観的に評価されていた。しかし3月から4月にかけて、イランを巡る地政学的緊張がインフレリスクを高め、VN-Indexは1,600ポイント台まで深い調整を経験した。4月中旬以降は回復基調にあるものの、上昇を牽引しているのは大型株に限られ、2025年第3四半期のような幅広い銘柄への資金波及は見られていない。

2026年第1四半期決算:全体は増益も中身に大きな偏り

2026年第1四半期、証券会社全体の税引後利益は前年同期比23.2%増となった。ただしこれは、2025年第1四半期の市場流動性が低水準だったという比較基準の低さによるところが大きい。成長を支えたのは主にブローカレッジ(仲介手数料)とマージン融資(信用取引向け貸付)である。

一方、2025年第4四半期との比較では、ほぼすべての主要事業セグメントが大幅に悪化した。2025年第3四半期以降の「過熱期」を経て、市場の平均売買代金に鈍化の兆しが出ているためである。VN-Indexは依然として1,850ポイント付近で推移しているものの、自己売買部門の利益は前年同期比でわずかな増加にとどまり、前四半期比では大幅減となった。指数の上昇が一部の大型株主導であり、幅広い銘柄に波及していないことの証左である。

利益の集中度はさらに顕著である。税引前利益の上位4社だけで業界全体の約52%を占め、利益成長への寄与度は実に93%に達する。上位20社に広げると、利益シェアは98%、成長寄与度は110%(赤字企業が存在するため100%を超える)となる。上位20社を除いた残り25社は、税引前利益が前年同期比で45%もの減少を記録しており、小規模証券会社の苦境が浮き彫りになっている。

銀行系証券会社がシェア60%へ——業界地図の書き換え

証券業界で最も注目すべき構造変化は、銀行をバックに持つ証券会社の急速な台頭である。銀行系証券会社の市場シェアは5年前の40%未満から、現在は約60%にまで拡大した。このシェアは主に外資系証券会社や独立系証券会社から奪取されたものである。

マージン融資残高の上位20社のうち、すでに11社が銀行からの支援を受けている。これは5〜10年前と比較して、銀行業界が証券分野への関与を大幅に深めていることを反映している。銀行系証券会社は親銀行からの資金調達コストの優位性を活かし、マージン融資の拡大やブローカレッジ手数料の引き下げ競争で有利なポジションを築いている。

マージン融資の動向と市場心理

各証券会社のマージン融資残高は、自己資本の2倍以内という規制上限を遵守している。上位20社の中でHCM(ホーチミン市証券)、MASVN、MBS、CTSの4社がこの上限に近づいており、さらなる融資拡大には増資が必要となる見通しである。

歴史的にマージン残高の増加は売買代金の増加と正の相関を持つが、直近3四半期では売買代金の伸びがマージン残高の伸びを上回っている。これは、米国とイランの対立によるエネルギー価格上昇など、グローバル経済の不確実性を前に投資家がレバレッジの使用に慎重になっていることを示唆している。

バリュエーションと資金供給が下支え

売買代金は2025年第3四半期のピークから減少しているものの、VN-Indexは大型株の牽引により上昇基調を維持している。現在のPER(株価収益率)は約14倍と、直近2年間の平均水準にとどまり、10年平均の15.3倍をなお下回っている。割高感はまだ出ていないと言える。

市場の最大の追い風は、信用拡大を通じたマネーサプライの増加である。上場31行の与信伸び率は前年同期比19.25%と高水準を維持しており、特に不動産やインフラ向けの中長期貸付が中心となっている。VDSCは「マネーサプライの拡大傾向は今後も続く可能性が高く、これが資産市場全体、とりわけ株式市場を下支えする重要な資金源となる」と分析している。なお、月次のマネーサプライ統計は2025年9月以降公表が停止されており、市場参加者は間接的な指標から動向を推測する状況が続いている。

投資家・ビジネス視点の考察

今回のデータが示す最大のメッセージは、ベトナム証券セクターにおける「勝ち組と負け組の明確な分離」である。以下の観点から整理したい。

銘柄選別の重要性:証券株を一括りにした投資は極めてリスクが高い。銀行系の大手証券会社(VCI、SSI、HCMなど)は資金力と市場シェアの拡大で優位に立つ一方、独立系の中小証券は利益が急減しており、淘汰圧力が強まっている。投資対象としては、銀行のバックアップを持ち、マージン融資の拡大余地がある企業が相対的に有利と考えられる。

FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、海外からの資金流入が大幅に増加し、証券会社のブローカレッジ収入やカストディ業務にプラスに作用する。特に外国人投資家の取引を多く扱う大手証券会社への恩恵が大きい。格上げ期待がすでに一部の銘柄の年初来上昇に織り込まれている可能性もあるが、実際の格上げ決定時にはさらなる資金流入が期待できる。

日本企業への示唆:ベトナム証券業界への出資や提携を検討する日本の金融機関にとって、銀行系証券会社の支配力強化は参入障壁の高まりを意味する。一方で、KYC(顧客確認)やリスク管理などの分野では日本のノウハウへの需要が依然として存在し、技術提携の余地はある。

マクロ環境:信用伸び率19.25%という高水準は、ベトナム政府が経済成長を最優先する政策姿勢を維持していることの表れである。ただし、イラン情勢に起因するエネルギー価格上昇やインフレリスクが顕在化すれば、金融引き締めへの転換を余儀なくされる可能性もあり、その場合は証券セクター全体への逆風となる。PER14倍という水準は10年平均を下回っているとはいえ、流動性環境の変化には注意が必要である。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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出典: 元記事

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