タイを代表する建設資材メーカーであるSCG(サイアムセメントグループ)が、ベトナム事業の好調ぶりを明らかにした。同社はベトナムを「成長の中心地」と位置付け、長期的な投資戦略の軸に据える姿勢を鮮明にしている。
SCGのベトナム事業、売上17億ドルを達成
SCGはこのほど、ベトナムにおける直近の年間売上高が17億ドル(約2,500億円)に達したことを発表した。同社はベトナム市場をグループ全体の「成長センター(trung tâm tăng trưởng)」として明確に位置付けており、東南アジア域内でも最重要市場の一つとして注力している。
SCGとはどのような企業か
SCGは1913年に設立されたタイ最大級のコングロマリットであり、セメント・建材事業を中核としながら、化学品、パッケージング、流通など多角的な事業を展開している。タイ王室系の名門企業としても知られ、東南アジア全域で積極的なM&A(企業買収)と設備投資を続けてきた。ベトナムには1990年代から進出を開始し、現在はセメント、屋根材、合板、建築資材など幅広い分野で現地生産・販売を行っている。
なぜベトナムが「成長の中心」なのか
ベトナムは約1億人の人口を抱え、都市化率は依然として40%程度にとどまる。これは裏を返せば、今後数十年にわたり住宅・インフラ建設需要が拡大し続けることを意味する。政府は2030年までに高速道路網を5,000km以上に拡充する計画を掲げており、セメントや建材の需要は右肩上がりが見込まれる。加えて、外資誘致による工場建設ブームも継続しており、SCGにとって理想的な市場環境が整っている。
日本企業への示唆
SCGの動きは、日本の建材・インフラ関連企業にとっても示唆に富む。ベトナムでは日系企業による都市開発やインフラ整備への参画が進んでおり、住宅市場でも中間層向けマンション需要が急増している。タイ資本の攻勢が強まる中、日本企業がベトナム建材市場でどのような差別化を図れるかが今後の課題となるだろう。また、SCGは環境配慮型の「グリーン建材」開発にも注力しており、脱炭素分野での競争も激しさを増す見通しである。
出典: VnExpress












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