ベトナム株式市場にETF資金が回帰、海外勢主導で99億ドン(約6億円)の純流入に転換

2026年1月最終週、ベトナム株式市場に投資するETF(上場投資信託)を通じた資金フローが、純流入へと転換した。前週の452億ドン超の大幅な純流出から一転、99億ドンの純流入を記録し、海外投資家の姿勢に変化の兆しが見え始めている。

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海外ETFが牽引役、Xtrackers・Global Xに資金集中

2026年1月26日から30日までの週間データによると、全25本のETFのうち10本で資金流入が確認された。特に顕著だったのは海外籍ETFの動向である。海外ETF全体で115億ドン超の純流入となり、その内訳はドイツ系のXtrackers Vietnam Swap UCITS ETFが79.8億ドン、米国系のThe Global X MSCI Vietnam ETFが45.2億ドンと、この2ファンドに集中した。

一方、台湾系のFubon FTSE Vietnam ETFは7億ドン超の純流出となったものの、前週の200億ドン超の流出と比較すれば大幅に縮小しており、売り圧力の一服がうかがえる。

国内ETFは小幅流出、タイ投資家も売り継続

ベトナム国内籍のETFは、16億ドン超の純流出を記録した。最大の流出元はVFMVN Diamond ETF(マイナス39.5億ドン)だったが、Vina Capital VN100 ETFが10億ドン超、SSIAM VNFIN LEAD ETFが9億ドン超の流入を確保し、部分的に相殺された。

タイの投資家による預託証券(DR)を通じた動きも注目される。VFM VNDiamond ETFのDR(証券コード:FUEVFVND01)が120万口、約48億ドン相当の売り越し。VFM VN30 ETFのDR(証券コード:E1VFVN3001)も40万口、14億ドン超の売り越しとなり、タイ勢の慎重姿勢が継続している。

週間で買われた銘柄はVIC、FPT、MSNなど大型株

1月26日から30日の週に各ETFが積極的に買い増した銘柄として、VIC(ビングループ=ベトナム最大手コングロマリット)、FPT(FPTコーポレーション=IT最大手)、MSN(マサングループ=食品・小売大手)、SSI(SSI証券)、SHB(サイゴン・ハノイ商業銀行)などが挙げられる。これらの買いは主にThe Global X MSCI Vietnam ETFとXtrackers FTSE Vietnam Swapから発生した。

2026年1月は305億ドンの純流入、年初から潮目に変化か

2026年1月全体を通じて、ETF経由の資金は305億ドン近くの純流入となった。1月30日時点で、ベトナム市場に配分されたETF全体の純資産総額は約6兆6800億ドンに達し、2025年末比で1%増加した。

これは注目すべき転換点といえる。2025年はETF資金が年間を通じてほぼ一貫して流出し(11月を除く)、年間累計の流出額は約12兆2000億ドンに達していた。ただし、この数字は2024年同期比では24.1%減少しており、流出ペースは鈍化傾向にあった。2025年12月単月では63億ドンの純流出で、主にFubon FTSE Vietnam ETF(619億ドン流出)とXtrackers FTSE Vietnam ETF(26億ドン流出)が主因だった。

東南アジア比較:ベトナムETFは2025年に最大の流出国

地域全体を見ると、2025年の東南アジアETF市場ではベトナムが最も厳しい状況に置かれた。年間の純流出額は4億6400万ドルでワーストとなり、マレーシア(3100万ドル流出)、タイ(1500万ドル流出)が続いた。

対照的に、シンガポールは年間5億9800万ドルの純流入を達成し、地域首位となった。これは同国が推進するファンドマネージャー向け税制優遇策(FSI-FM制度)によるもので、適格な投資運用・助言収入に対して通常17%の法人税が5%に軽減される。この政策が運用会社の集積を促し、ETF市場の活性化につながっている。インドネシアも2億300万ドル、フィリピンも2700万ドルの純流入を確保した。

日本企業・投資家への示唆

ベトナムETF市場への資金回帰は、同国経済への期待が再び高まりつつある兆候と解釈できる。ベトナムはサプライチェーン多様化の受け皿として日系製造業の進出が続いており、株式市場のセンチメント改善は現地法人の事業環境にも好影響を与える可能性がある。一方で、タイ投資家の売り継続や、シンガポールとの税制面での競争力格差など、構造的な課題も残る。今後、ベトナム政府が市場の国際化やMSCI新興国指数への昇格に向けた制度改革を加速できるかが、資金フローの持続性を左右する鍵となるだろう。

出典: VnEconomy

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