VN指数は伸び悩むも中小型株に資金流入、ベトナム株式市場で「二極化」鮮明に

2月3日のベトナム株式市場は、主要指数の動きと個別銘柄の騰落に大きな乖離が生じる展開となった。ホーチミン証券取引所(HoSE)の代表的指数であるVN指数は前日比0.38%高の小幅上昇にとどまったが、中小型株には大量の資金が流入し、多くの銘柄がストップ高を記録するなど「熱狂」と呼べる相場が形成された。

目次

大型株の失速が指数を押し下げ

午前中は堅調に推移していたVN指数だが、午後1時13分に20.72ポイント高(1.15%上昇)の高値をつけた後、大型株の売り圧力により急速に上げ幅を縮小した。終値ではわずか6.9ポイント高(0.38%上昇)にとどまった。時価総額上位30銘柄で構成されるVN30指数に至っては0.33%安と、マイナス圏で取引を終えている。

特に銀行大手の動きが顕著であった。ベトコムバンク(VCB、ベトナム最大の国営商業銀行)は午後の取引で1.37%下落し、終値ではわずか0.42%高にとどまった。同じく国営銀行のBIDV(BID)は午後だけで3.57%急落し、前日比1.64%安と完全に下落に転じた。石油ガス大手のペトロベトナムガス(GAS)も終値では2.18%高を維持したものの、午後の取引で2.82%もの価値を失っている。

VN30構成銘柄のうち、午後の取引で高値から2%以上下落した銘柄は12に達し、さらに13銘柄が1〜2%の下落を記録した。午前と午後を比較すると、VN30では21銘柄が下落し、改善したのはわずか6銘柄にすぎなかった。

中小型株に資金集中、15銘柄がストップ高

しかし、市場全体の景色は指数とはまったく異なるものであった。HoSE全体では191銘柄が上昇し、127銘柄が下落と、上昇銘柄数が下落銘柄数の約1.5倍となった。中型株で構成されるMidcap指数は1.78%高、小型株のSmallcap指数も0.84%高と、いずれも力強い上昇を見せた。

特筆すべきは、15銘柄がストップ高(上限価格)に達したことである。午前中のストップ高銘柄は5にすぎなかったが、午後にかけて大幅に増加した。工業団地開発大手のキンバック(KBC)、港湾物流のジェマデプト(GMD)、エネルギー・電機のGEX、IT機器流通のDGW、建設資材のVGC、石油化学商社のPETといった銘柄は、いずれも売買代金が2,000億ドン(約12億円)を超える高い流動性を伴ってのストップ高であった。建設大手のコテックコン(CTD)、保険のバオベト(BVH)、ゴムのPHR、工業団地のSZC、GEEなども1,000億ドン規模の売買を記録した。

Midcap指数の構成銘柄は売買代金が前日比15%増加し、12兆4,180億ドン(約750億円)と過去14営業日で最高を記録した。一方、VN30構成銘柄の売買代金は2%減少している。HoSE全体の売買代金は前日比4.1%増の30兆7,810億ドン(約1,850億円)に達し、過去9営業日で最高となった。

投資家心理に変化の兆し

2%以上上昇した銘柄だけで、HoSE全体の売買代金の22.3%を占めた。1%以上上昇した銘柄まで含めると34%に達する。一方、下落した128銘柄の売買代金は全体の31.8%にとどまった。つまり、投資家は午後の取引で積極的に「買い上がり」の姿勢を見せたのである。

これは市場心理の重要な変化を示している。通常、VN指数が下落し大型株が急落する局面では、中小型株も連れ安となることが多い。しかし今回は、投資家が指数の動きにとらわれず、個別銘柄の投資機会を積極的に追求する姿勢を見せた。VN指数の1,800ポイント維持が確実視されない中で、資金が指数構成銘柄から離れ、中小型株に向かう「循環物色」の動きが鮮明になっている。

外国人は625億円の売り越し

外国人投資家は午後だけで約2,220億ドン(約13億円)を売り越し、1日合計では6億2,560万ドン(約38億円)の売り越しとなった。主な売り対象は、ビングループ(VIC、ベトナム最大のコングロマリット)が2,943億ドン、宝飾品のPNJが2,286億ドン、ベトコムバンク(VCB)が1,951億ドン、家電量販のMWGが1,676億ドン、アジア商業銀行(ACB)が1,248億ドン、携帯販売のFRTが1,041億ドンであった。一方、買い越しは鉄鋼最大手のホアファット(HPG)が2,494億ドン、MBバンク(MBB)が1,390億ドン、GEXが784億ドンとなった。

今後の見通しと日本企業への示唆

今回の相場展開は、ベトナム株式市場の成熟化を示す一つの兆候といえる。従来、個人投資家が大半を占めるベトナム市場では、指数追随型の売買が主流であった。しかし、投資家が指数の動きに惑わされず、個別銘柄のファンダメンタルズや成長性を見極めて投資判断を行う動きが広がりつつある。

日本企業にとっては、ベトナムの上場企業との提携やM&Aを検討する際、時価総額だけでなく、実際の株式流動性や投資家の関心度を注視する必要がある。特に工業団地、物流、エネルギー関連の中型株に対する現地投資家の関心の高さは、これらのセクターへの日本企業の進出機会を示唆しているといえよう。

出典: VnEconomy

noteメンバーシップのご案内

ベトテク太郎noteメンバーシップ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次