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欧州グリーン電力の蓄電競争が加速—580億ユーロの送電網投資とベトナムへの示唆

Lưu trữ điện xanh: Nhiệm vụ cấp bách để phát triển năng lượng sạch của châu Âu
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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欧州が再生可能エネルギーの「次なるボトルネック」に直面している。風力・太陽光発電の急拡大により、もはや「グリーン電力の生産量」ではなく「蓄電能力の不足」が脱炭素の最大課題となっているのである。EU全体で約580億ユーロの送電網投資が必要とされる中、蓄電池市場と送電インフラの整備が急務となっている。

目次

余る昼間の電力、足りない夜間の電力——欧州のジレンマ

ドイツをはじめとする欧州各国では、日照や風力に恵まれた日に再生可能エネルギーの発電量が実需を大きく上回る事態が頻発している。しかし大規模蓄電池システムが不足しているため、余剰電力を夜間やピーク時間帯に回すことができない。太陽が沈み風が弱まると、ガス火力発電所を再稼働させて不足分を補わざるを得ないのが現状である。

RWTH アーヘン大学(ドイツの名門工科大学)のディルク・ウーヴェ・ザウアー教授によると、昨年ドイツでは昼間の電力価格が約0.03ユーロ/kWhだったのに対し、夕方には約0.18ユーロ/kWhまで跳ね上がった。この6倍もの価格差が、蓄電池投資を経済的に極めて魅力的なものにしている。

政策立案者の間では、カーボンニュートラル達成は風力・太陽光発電所の増設だけでは不十分であり、蓄電・送電のエコシステム全体を構築しなければならないとの認識が広がっている。

EU蓄電容量の現状——14GWから750GWへの長い道のり

EU(欧州連合)は現在、電力の約半分を再生可能エネルギーから生産しており、2050年までのカーボンニュートラル達成を目標としている。ドイツはさらに早い2045年を目標年に設定している。

欧州委員会の共同研究センター(JRC)のデータによると、欧州全体の蓄電容量は現在約14GWにとどまる。一方、計画・建設段階にある新規蓄電プロジェクトは約84GWに達しており、数年以内に稼働する見込みである。民生用と産業用を合わせた蓄電容量は2022年以降すでに10倍に拡大したが、気候目標の達成には約750GW——現在のさらに約10倍——が必要とされる。

この急成長を支える最大の要因がリチウムイオン電池価格の急落である。近年、電池価格は年間約20%のペースで下落しており、EUの予測では2030年までに2022年比で半減する見通しである。コスト低下は大規模蓄電施設だけでなく、住宅用太陽光パネルと組み合わせた家庭用蓄電池の普及も後押ししている。

ブルームバーグNEF(BNEF)によれば、蓄電分野で最も成長が著しいのはアジア、とりわけ中国とインドである。欧州ではドイツとイタリアが、風力・太陽光発電の規模拡大を背景に主要市場として台頭している。

老朽化する送電網——580億ユーロの巨額投資が必要

蓄電だけでなく、欧州は送電インフラの老朽化という構造的問題にも直面している。多くの送電網は40年以上前に建設され、大規模火力発電所から一方向に電力を送る従来型モデルを前提としている。しかし再生可能エネルギーは本質的に分散型であり、数千カ所の風力・太陽光発電所や蓄電施設が各地に点在する。既存の送電網では、大量のグリーン電力を効率的に吸収・配分することが困難なのである。

欧州委員会は、2030年までに送電網のアップグレードに約580億ユーロの投資が必要と試算している。しかし2024年の送電網投資額は約350億ユーロにとどまり、2027年でも約470億ユーロと、必要額には大幅に届かない見通しである。

ドイツでは連邦政府が約1万6,000kmの新規送電線建設を計画しているが、現時点で稼働しているのは約20%にすぎない。許認可手続きの簡素化が進められているものの、期限内の完了は依然として困難との見方が多い。

中国依存と原材料戦略

EUはリチウムイオン電池のサプライチェーンにおける中国への過度な依存にも危機感を強めている。原材料の採掘・精錬から完成品製造に至るまで、中国が圧倒的なシェアを握っているためである。

これに対しEUは、域内での原材料開発、欧州域内でのレアアース採掘拡大、安全なサプライチェーンの構築、そしてリチウム・ニッケル・コバルト・ガリウムといった戦略物資のリサイクル推進を柱とする「原材料戦略」を加速させている。

ザウアー教授は「毎年約800億ユーロをエネルギー輸入に費やしている。これは極めて大きな依存であり、再生可能エネルギーはこの構造から脱却する手段となり得る」と述べ、発電・蓄電・送電を一体的なシステムとして捉える必要性を強調している。

投資家・ビジネス視点の考察——ベトナムへの示唆

今回の欧州蓄電インフラの動向は、ベトナムの投資家・企業にとっても複数の重要な示唆を含んでいる。

第一に、ベトナム自身の蓄電課題との類似性である。ベトナムも太陽光発電の急拡大に送電網と蓄電能力の整備が追いつかず、出力抑制(カーテイルメント)が深刻化した経験を持つ。欧州での蓄電技術の成熟とコスト低下は、ベトナムの再エネ政策にも波及する可能性が高い。

第二に、電池関連銘柄への注目である。ベトナム株式市場ではビンファスト(VinFast、ティッカー:VFS)をはじめとするEV関連企業が蓄電池サプライチェーンに関与しており、グローバルな電池価格の下落トレンドは原材料コストの低減を通じて収益改善に寄与し得る。

第三に、日本企業のビジネス機会である。パナソニックや住友電気工業など日本の蓄電池・送電機器メーカーにとって、欧州市場の拡大は直接的な商機であると同時に、ベトナムを含む東南アジアでの蓄電インフラ案件への波及も期待される。日本の政府開発援助(ODA)や官民連携によるベトナム送電網近代化プロジェクトへの参画も視野に入る。

第四に、2026年9月に予定されるFTSE新興市場指数への格上げとの関連である。ベトナムが格上げされれば海外資金流入が加速するが、その恩恵を最大化するには、エネルギーインフラの安定性が外国人投資家の信頼を左右する重要なファクターとなる。蓄電・送電インフラへの投資がベトナム経済全体の「投資適格性」を高める要素として注目すべきである。

欧州の事例が示すように、再エネの「生産」から「貯蔵・送電・管理」へと競争の焦点が移行するトレンドは、世界共通の潮流である。ベトナムがこの流れにどう対応するかは、同国のエネルギー安全保障と経済成長の双方を左右する重要なテーマとなるだろう。


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出典: VnEconomy

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