シンガポールを代表する金融グループDBS銀行のベトナム法人トップが、同国を「グローバル・バリューチェーンにおける重要な結節点」と位置づけ、長期的な投資先としての魅力を強調した。米中対立を背景としたサプライチェーン再編が加速するなか、ベトナムの存在感が一段と高まっている。
DBS銀行ベトナム総支配人が語る投資魅力
DBSベトナムのアブドゥル・ラオフ・ラティフ(Abdul Raof Latiff)総支配人は、ベトナムが長期的な投資先として選ばれる要因として「イノベーション志向の思考」と「グローバルサプライチェーンにおける戦略的地位」の2点を挙げた。近年、ベトナム政府はデジタル経済やグリーン成長に向けた政策を矢継ぎ早に打ち出しており、スタートアップ支援やフィンテック規制緩和など、変革を積極的に受け入れる姿勢が外資を惹きつけている。
「チャイナ・プラスワン」の最有力候補
米中貿易摩擦が長期化するなか、多国籍企業は生産拠点の分散を進めている。ベトナムは低廉な労働力に加え、中国と国境を接する地理的利点、そして近年急速に整備された港湾・高速道路インフラを武器に「チャイナ・プラスワン」戦略の筆頭候補として浮上している。サムスン電子はベトナム北部にスマートフォン生産の世界最大拠点を構え、アップルのサプライヤーも相次いで進出するなど、電子機器製造の集積地としての地位を固めつつある。
日本企業にとっての示唆
日本にとってベトナムは、すでに重要な生産・輸出拠点である。JETROの調査によれば、在ベトナム日系企業の約6割が今後の事業拡大を計画しており、製造業のみならず小売・サービス業の進出も活発化している。DBS幹部の発言は、グローバル金融機関がベトナム経済の成長軌道に対し強い確信を持っていることを示しており、日本企業にとっても中長期的な戦略立案の参考となろう。ただし、電力インフラの整備遅延や熟練労働者の不足といった課題も指摘されており、引き続き現地動向を注視する必要がある。
出典: VnExpress












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