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ベトナムのブランド評価会社Mibrand(ミブランド)が2026年5月27日、同国初となる「消費者金融ブランド健全性ランキング2025」を発表した。Home Credit(ホームクレジット)が総合首位に立つ一方、上位各社の得点差はわずかで、業界は「信頼」と「サービス品質」を軸にした新たな競争フェーズに突入している。
ランキングの概要と調査手法
本ランキングは、Mibrand Vietnam(ミブランド・ベトナム)が独自に開発した「Brand Beat Score」と呼ばれる指標体系に基づくものである。2025年12月にハノイおよびホーチミン市で無作為抽出された300名超の消費者を対象に定量調査を実施し、その結果をまとめた初の業界レポートとなる。
従来、ベトナムの消費者金融業界では融資実行のスピードや広告露出量が競争力の指標とされてきたが、今回の調査は「ブランドの健全性」という多面的な切り口から各社を評価している点が画期的である。
トップ5の顔ぶれ
ランキングの結果は以下の通りである。
| 順位 | ブランド | スコア |
|---|---|---|
| 1 | Home Credit(ホームクレジット、チェコ系消費者金融大手のベトナム法人) | 30.2 |
| 2 | HD SAISON(HDサイソン、ホーチミン市開発商業銀行系) | 24.4 |
| 3 | FE Credit(FEクレジット、VPBank傘下) | 23.8 |
| 4 | F88(エフ88、質屋・少額融資チェーン) | 23.5 |
| 5 | Viettel Money(ベッテルマネー、軍隊通信グループ傘下のデジタル金融) | 23.4 |
注目すべきは、首位のHome Creditでさえ評価はBランク(「良好」ではなく「まずまず」)にとどまっている点である。Mibrandの尺度では、どのブランドも圧倒的な地位を確立しておらず、業界全体が「競争オープン状態」にあると位置づけられている。2位から5位までの差はわずか1ポイント圏内であり、今後の逆転劇が十分に起こり得る状況である。
消費者が求める3つの核心要素
レポートでは、消費者が今後の金融商品選択において重視する要素も明らかにされた。
- 手続きの簡便さ:63%
- 金利・手数料の透明性:60%
- 融資実行スピード:51%
かつてはスピードが最大の差別化要因であったが、現在はそれが「当たり前」の基準となり、透明性や手続きの簡便さがより重視されるようになっている。Mibrandのライ・ティエン・マイン(Lại Tiến Mạnh)代表取締役は「スピードや手続きの容易さで差をつける段階は飽和した。競争の軸は『信頼とサービス品質』に明確に移行している」と述べている。
各ブランドの強みと地域差
レポートは各ブランドの個別の強みについても詳細な分析を提供している。
Home Creditは業界全体のブランド認知・想起で73点を獲得し、圧倒的な存在感を示した。FE Creditが67点で続く。
HD SAISONは「信頼性」指標で42点を記録しトップに立った。社会貢献活動や一貫したブランドイメージの構築が奏功している。
Viettel Moneyはデジタルプラットフォームとしての優位性を発揮し、「ブランド好感度」(44点)、「コストパフォーマンス」(80点)、「知覚品質」(60点)の3指標で首位を獲得した。軍隊通信グループ(Viettel)という国営大手の信頼感とデジタル体験の融合が評価された形である。
Mcredit(エムクレジット、MBBank傘下)は北部市場において、パートナーチャネルの展開力と実店舗の存在感で際立つ存在となっている。
地域別では興味深い傾向も浮かび上がった。FE Creditは「プレミアム支払い意欲」(より高い費用を払ってでもそのブランドを選ぶ意欲)で全国31点を獲得し首位。特にハノイではこの比率が45%に達しており、同ブランドが北部の消費者から強い信頼を勝ち取っていることを示している。
投資家・ビジネス視点の考察
今回のレポートは、ベトナムの消費者金融セクターが「量の拡大」から「質の競争」へ転換しつつあることを裏付けるデータとして注目に値する。
上場企業との関連では、FE Creditの親会社であるVPBank(VPB)、HD SAISONと関係の深いHDBank(HDB)、MBBank(MBB)傘下のMcreditなど、銀行株の評価にも間接的に影響し得る。消費者金融子会社のブランド力が向上すれば、不良債権率の低下や収益性の改善につながるためである。
日本企業にとっても示唆は大きい。SBI・三井住友フィナンシャルグループなど、ベトナムの金融セクターに出資する日本勢にとって、競争の軸が「信頼・透明性・デジタル体験」に移行している事実は、投資先の中長期的な競争力を見極めるうえで重要な判断材料となる。
2026年9月に予定されるFTSE新興市場指数への格上げ判定に向け、ベトナム金融セクター全体の成熟度が問われる局面でもある。消費者金融分野での競争が健全化し、透明性が向上していることは、市場全体のガバナンス改善を示すシグナルとして海外投資家にポジティブに映るだろう。
ベトナムの消費者金融市場は依然として成長余地が大きく、都市部だけでなく地方部への浸透が今後の勝敗を分ける。ブランド力の「見える化」が進むことで、各社の戦略がより精緻化し、業界再編の引き金にもなり得る。投資家としては、ブランドスコアの推移を継続的にウォッチし、各社の競争ポジションの変化を先取りすることが求められる。
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出典: 元記事












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