米国のドナルド・トランプ大統領がインドに対してロシア産原油の購入停止を求め、インド側が同意したと発言した翌日、ロシア政府がこれを否定する声明を発表した。クレムリン(ロシア大統領府)は、インド政府からそのような通知は受けていないと明言し、米印間の外交交渉をめぐる情報の食い違いが浮き彫りとなった。
トランプ発言とロシアの反応
トランプ大統領は、インドのナレンドラ・モディ首相との会談後、インドがロシア産原油の購入を停止することに同意したと公表した。しかし、この発言からわずか1日後、クレムリンは「ニューデリー(インド政府)からそのような情報は受け取っていない」と正式に発表。両国間のコミュニケーションに齟齬があることを示唆した。
背景:インドとロシアの深い石油取引関係
インドは2022年のウクライナ侵攻以降、西側諸国の制裁で行き場を失ったロシア産原油を大幅に輸入量を増やしてきた。割安な価格で供給されるロシア産原油は、インドのエネルギー安全保障と経済成長にとって重要な柱となっている。インドとロシアは旧ソ連時代から軍事・経済面で緊密な関係を維持しており、プーチン大統領とモディ首相は複数回の首脳会談を重ねてきた。
米国の圧力と各国の思惑
トランプ政権は、ロシアへの経済制裁の実効性を高めるため、同盟国や友好国に対してロシア産エネルギーの購入停止を働きかけている。インドは米国との関係強化を進める一方で、ロシアとの伝統的な友好関係も維持するという微妙な外交バランスを取り続けている。今回の発言の食い違いは、こうした複雑な国際関係の中で生じた情報の混乱を反映している可能性がある。
日本への影響と今後の注目点
エネルギー安全保障は日本にとっても重要な課題である。インドがロシア産原油の購入を実際に停止するのか、あるいは従来通りの取引を継続するのかは、国際原油市場の価格動向や、アジア太平洋地域のエネルギー需給バランスにも影響を与える。また、米国主導の対ロシア制裁体制の有効性を測る試金石としても注目される。インド政府からの正式な見解が待たれる状況だ。
出典: VnExpress












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