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【2026年】ホーチミン・トゥーティエムのマンションが5年で3.3倍になった本当の理由

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

ホーチミン市内で今、あまりにも静かに、しかし確実に起きていることがあります。マンションの価格が「常識」を超え始めた、というより、もう新しい常識が形成されつつある——そんな感覚を今日はお伝えしたいと思います。

舞台はホーチミン市の新都心、トゥーティエム(Thu Duc/2区)です。

1平方メートルあたり2億〜5億VND。これは何を意味するのか

数字だけ見ても、ピンとこない方もいるかもしれません。少し換算してみましょう。

1VND = 約0.006円として計算すると、1㎡あたり2億VNDは「約12万円」、5億VNDは「約30万円」になります。これは新築の一次市場での価格です。

中古市場ではどうか。ザ・ガレリア、ザ・クレスト、ザ・オペラといったすでに完成したプロジェクトは、3億3000万〜5億VND/㎡(約20〜30万円)で取引されており、川沿い・高層・眺望良好な物件に至っては7億〜8億VND/㎡(約42〜48万円)近い売値がついているものもあります。

わずか2年で50〜100%の上昇です。

「それはバブルなのでは?」という問いが当然湧いてくると思います。ですが、今回その問いに対する答えはすこし複雑です。

なぜここまで上がっているのか——3つの構造的な理由

まず、土地が物理的にないんです。

アビソン・ヤング・ベトナムのゼネラルディレクター、デビッド・ジャクソン氏によれば、トゥーティエムの河岸エリアと中心部の大半はすでに大手デベロッパーに分配済み。新たな土地でのプロジェクトはほぼ出てこない。今後供給されるのは、あくまで既存プロジェクトの次のフェーズのみという状況です。

これはつまり、セカンダリー市場(中古)価格が構造的に下がりにくいということを意味します。

次に、製品が最初から高級・超高級に振られている点。JLLベトナムのレ・ティ・フエン・チャン氏の指摘によれば、トゥーティエム中心部のプロジェクトはそもそも富裕層・超富裕層向けに設計されており、他のエリアとは異なりミドルクラス向けの供給が存在しない。市場の入口価格帯が最初から高いわけです。

そして3つ目が、「新中心地」への期待という実にベトナムらしい要素です。

ホーチミン市は現在、トゥーティエム半島に中央広場・新行政区・インフラ接続工事を集中投下しており、将来的にはここが「国際金融センター」となる計画も進んでいます。この都市としての方向性が長期的な需要を下支えしているわけです。

ここで少し余談を。

ハノイ在住の私から見ると、トゥーティエムという地名は何年も前から「次のホーチミン中心地」として語られてきた場所でして、実は何度か現地を訪れたことがあります。いつ行っても工事中で、「いつ完成するんだろう」という印象だったのですが、最近の状況を見ると、あの工事の積み重ねがようやく「価格」という形で現実化してきたんだな、と感じます。10年越しのジグソーパズルがようやく絵になってきたような感覚、とでも言いましょうか。

batdongsan.comのデータが示す現実

不動産情報サイトのbatdongsan.comのデータによると、トゥーティエムのマンション平均価格は過去1年間で約30%、2年前比で約84%、そして5年前と比較するとなんと3.3倍になっています。

CBREベトナムのレポートも、ホーチミン市全体の中古マンション価格が昨年約26%上昇するなかで、トゥーティエムはその最高値圏として40%の上昇を記録したと報告しています。

一方で、少し足を伸ばすと価格観はかなり変わります。ラックチエックやタオディエンといった周辺エリアでは、同じ新築でも1億2000万〜2億1000万VND/㎡(約7〜13万円/㎡)程度。トゥーティエム中心部との価格差は歴然としており、エリア選択次第で同じホーチミン市内でも2〜3倍の開きがあります。

投資家目線で見た「次のサイクル」

専門家たちは、今後のトゥーティエムの価格上昇は「より選択的」になると予想しています。これは興味深い言い方で、つまりは「立地だけでは上がらなくなる」という宣言でもあります。

土地の稀少性というゲームはすでに終わっていて、これからは「品質・設備・運営能力」で物件が選別される段階に入りつつある。言い換えると、「場所さえ良ければ上がる」という単純な公式が通用しなくなってきているわけです。

これは不動産市場に限らず、ベトナムの様々な産業で起きていることでもあります。土地・人件費・規制の優位性を入口にして市場が形成され、次第に「品質競争」に移行していく。製造業でも、IT産業でも、このパターンは繰り返されてきました。

そういうことなんです。

ベトナムはもう「安さで勝つ」市場ではなく、「質と信頼性で選ばれる」市場に変わりつつある。トゥーティエムの超高級マンション市場の動きは、その最も先鋭的な現れのひとつだと私は見ています。

ベトナム不動産と株式市場のつながりをどう見るか

ここで少し投資家目線を加えると、トゥーティエムで分譲マンションを展開している主要デベロッパーとしては、ヴィングループ傘下のヴィンホームズ(VHM)、サン・グループなどが挙げられます。

現在のホーチミン不動産市場の活況が続くなら、こういったデベロッパー銘柄の業績への影響も注視する価値があります。もちろんマンション市場の好調が即座に株価に反映されるほど単純ではなく、資金調達コスト・在庫の状況・政策金利といった変数も絡み合います。

あくまで情報提供として申し添えておきますが、不動産セクターはVN-Indexの中でも時価総額ウェイトが大きく、個人投資家がベトナム株に触れる際に避けては通れないセクターです。トゥーティエムの価格動向は、単なる不動産ニュースにとどまらず、ベトナム経済の体温を測るひとつの指標として読んでおくことをおすすめします。

いかがでしたでしょうか。今回のトゥーティエム不動産市場の話題について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。

本記事の情報の正確性、完全性、最新性については最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者は一切の責任を負いません。

投資判断に際しては、金融商品取引業の登録を受けた専門家への相談を強く推奨いたします。本記事は法的、税務的、財務的なアドバイスを提供するものではありません。

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