ベトナムの大手生命保険会社テックコムライフ(Techcom Life)が、親会社であるテックコムバンク(Techcombank、ベトナム有数の民間商業銀行)と緊密に連携し、最先端のテクノロジーとビッグデータを活用した保険サービスの提供を本格化させている。狙いは、顧客一人ひとりのニーズに合わせた「パーソナライズド保険」の実現だ。
銀行と保険の融合で進むDX戦略
テックコムライフは、テックコムバンクが蓄積する膨大な顧客データと、自社の保険ノウハウを掛け合わせることで、従来の画一的な保険商品設計から脱却しようとしている。具体的には、顧客の年齢、職業、家族構成、資産状況、さらには金融取引の傾向といったデータを分析し、最適な保障内容やプランを個別に提案するシステムの構築を進めている。
テックコムバンクは、ベトナム国内で約1,400万人の顧客基盤を持ち、モバイルバンキングの普及率でも業界をリードしている。この強固なデジタル基盤が、テックコムライフの保険DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる原動力となっている。
急成長するベトナム保険市場の背景
ベトナムの生命保険市場は、人口約1億人・平均年齢30歳前後という若い人口構成と、急速な経済成長を背景に、年率二桁成長を続けてきた。一方で、保険普及率は依然として低く、GDP比での保険料収入は3%程度にとどまる。これは日本の約10%と比較すると、いかに成長余地が大きいかを示している。
近年は、新型コロナウイルスの流行を契機に、ベトナム国民の間でも健康や将来への備えに対する意識が高まっており、保険への関心が急上昇している。こうした追い風の中、テックコムライフはテクノロジー投資によって競合他社との差別化を図る構えだ。
日本企業への示唆
ベトナムでは、日系保険会社も積極的に事業展開を進めている。第一生命や住友生命などがベトナム市場に参入しており、現地企業との競争は激化の一途をたどる。テックコムライフのような現地大手がデジタル技術で先行する中、日系企業にとっても、単なる商品力だけでなく、顧客接点のデジタル化やデータ活用能力が今後の成長の鍵を握ることになりそうだ。
また、銀行と保険の連携モデル(いわゆるバンカシュアランス)は、ベトナムで急速に浸透しており、日本の金融業界にとっても参考になる事例といえるだろう。
出典: VnExpress












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