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週末最終取引日のベトナム株式市場では、石油ガスセクターがGAS(ペトロベトナムガス)のストップ高を筆頭に力強い反発を見せたものの、VN-Indexはわずか0.18ポイント安で引けた。市場全体では値下がり銘柄が値上がり銘柄を大幅に上回り、取引高は4月初旬以来の過去最低水準に落ち込むなど、投資家心理の冷え込みが鮮明となっている。
石油ガス株の鮮やかな反発——GASがストップ高
この日の主役は石油ガスセクターであった。GAS(ペトロベトナムガス、ベトナム最大のガス企業)がストップ高で引け、過去7営業日で最大の出来高を記録した。BSR(ビンソン精油、ベトナム唯一の大型製油所を運営)も+4.39%、PLX(ペトロリメックス、ベトナム最大の石油小売企業)は+3.93%と大幅高。中小型の石油ガス関連も堅調で、PVD(PVドリリング)+1.7%、PVT(PVトランス)+1.4%、OIL(PVオイル)+2%と軒並み上昇した。
GASは約3週間前にもストップ高を起点とした上昇局面があり、その後さらに約16.6%上昇してから調整に入った経緯がある。今回も同様のパターンが再現されるかが注目点である。
原油価格は下落中——反発の持続性に疑問符
興味深いのは、石油ガス株の反発が世界的な原油価格の下落と逆行している点である。米国とイラン(中東の産油大国)の間で核合意に向けた交渉が進展し、ホルムズ海峡(世界の原油輸送の約2割が通過する戦略的要衝)の再開放見通しが浮上したことで、原油先物価格は軒並み下落。WTI原油は約88USD/バレル、ブレント原油も90USD/バレル前後まで下がっている。
ファンダメンタルズ面では原油安は石油ガス企業の業績にマイナス要因であり、5月前半にも同セクターは一時的な反発を見せたものの長続きしなかった。3月・4月の大幅調整からのリバウンド局面にすぎないとの見方も根強い。それでも、GAS・BSR・PLXの3銘柄だけでVN-Indexを約5ポイント押し上げる効果があり、指数の下支え役を果たした。
大型株の攻防——VIC安定、銀行株は軟調
石油ガス以外では、VIC(ビングループ、ベトナム最大のコングロマリット)が+0.24%と小幅ながら安定推移。一方、前日にストップ高をつけたVHM(ビンホームズ、ビングループ傘下の不動産最大手)は-1.08%と反落した。
銀行セクターは27銘柄中わずか10銘柄が上昇にとどまり、軟調であった。特にVCB(ベトコムバンク、ベトナム最大の国営商業銀行)が-1.27%、BID(BIDV、同じく大手国営銀行)が-1.18%と下落。ただし、これら大型銀行株の下落幅は限定的で、VN-Indexの急落には至らなかった。VN30-Index(主要30銘柄で構成)は-0.14%で、11銘柄上昇・12銘柄下落とほぼ拮抗した。
中小型株には強い売り圧力——値下がり銘柄が市場を圧倒
指数こそ小幅安で済んだものの、市場の実態はかなり厳しい。値下がり189銘柄のうち99銘柄が1%超の下落を記録した。中型株では、VND(VNダイレクト証券)が-5.34%で出来高2,522億ドン、GEE(ジオイカン・エナジー)-5.29%で217億ドン、PDR(ファットダット不動産)-2.73%で1,976億ドン、CII(ホーチミン市インフラ投資)-2.01%で1,646億ドン、SZC(ソナデジ・チャイバイ)-6.79%で115億ドン、TCH(テクコムキャピタルハウス)-2.59%で1,041億ドンと大きく売り込まれた。
1%超の下落銘柄だけでHoSE(ホーチミン証券取引所)全体の約34%の売買代金を占めており、下落局面に資金が集中していることが分かる。
取引高が過去最低水準に急減——週間でも48%減
最も懸念されるのが流動性の急激な低下である。この日のHoSEの売買代金(マッチング分)はわずか約1兆4,753億ドンで、前日比12%減、4月初旬以来の過去最低水準を記録した。
週間ベースでも深刻で、2つの上場取引所合計の1日平均売買代金は約1兆6,570億ドンにとどまり、前週比48%減、5月の最初の3週間の平均と比べても29%減という異例の低水準であった。この流動性の急減は、VN-Indexが1,900ポイントの節目を何度も奪還できなかった今週の軟調な値動きと軌を一にしている。
実質的に買われている銘柄はごくわずか
値上がり銘柄118のうち、出来高100億ドン以上かつ1%超の上昇を達成した銘柄はHoSE全体でわずか14にすぎない。その大半は石油ガス株であり、銀行ではMSB(ミリタリー商業銀行系)+1.32%、ACB(アジア商業銀行)+1.01%程度。その他はGVR(ベトナムゴム)+1.6%、VPL+1.85%、PC1+1.57%、BVH(バオベト・ホールディングス、保険最大手)+1.04%、BCM(ベカメックスIDC、ビンズオン省の工業団地大手)+1.85%、MCH+3.45%、PVP+1.43%にとどまった。
外国人投資家は大幅売り越し継続——週間で約4,864億ドン
海外投資家はHoSEで704億ドンの売り越しとなり、連日の売り越し基調が続いた。週間累計では約4,864億ドンの売り越しである。売り越し上位はCTG(ベトインバンク)-929億ドン(原文92.9億ドン表記=929億ドン相当と推定されるが、元記事の数値をそのまま記載すると)92.9億ドン、VHM -81.2億ドン、VPB(VPバンク)-71.3億ドン、ACB -68.1億ドン、SZC -59.8億ドン。一方、買い越し上位はMSB +92.4億ドン、GAS +48.9億ドン、NVL(ノバランド、不動産大手)+30.9億ドンであった。
投資家・ビジネス視点の考察
今回の市場動向から読み取れるポイントは以下の通りである。
1. 石油ガス株のリバウンドは短命に終わるリスクが高い。原油価格の下落トレンドと逆行する形での反発であり、米イラン合意が実現すれば供給増加でさらなる原油安が見込まれる。GASのストップ高はテクニカルなリバウンドの域を出ない可能性がある。
2. 取引高の急減は市場全体の方向感喪失を示唆。週間48%の取引高減少は、機関投資家・個人投資家の双方が様子見姿勢に転じていることを意味する。1,900ポイントの攻防が長引けば長引くほど、上にも下にも大きく動く可能性が蓄積される。
3. 外国人投資家の売り越し継続はFTSE格上げ期待との綱引き。2026年9月に予定されるFTSE新興市場指数への格上げ判定を控え、中長期的には海外資金の流入期待がある。しかし短期的には、世界的なリスクオフ局面やベトナム市場固有の流動性問題が売り越しを誘発している。週間約4,864億ドンという売り越し規模は、市場の需給バランスを悪化させる要因である。
4. 日本企業・投資家への示唆。BCM(ベカメックスIDC)など工業団地関連株が堅調な点は、日系製造業のベトナム進出トレンドが底堅いことの反映でもある。市場全体が調整局面にある中、こうしたセクターへの選別的な投資機会を探る余地はあるだろう。
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出典: 元記事












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