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ベトナム仮想通貨取引所TCEXとは?ライセンス審査・親会社構造・TCXの戦略を解説

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

ベトナムの仮想通貨市場が、静かに、しかし確実に動き始めています。

5月29日、テックコムバンク証券(TCX)の取締役会が2つの重要な決議を発出しました。一つは、ホーチミン市のベトナム国際金融センター(VIFC-HCM)に参加するための子会社設立。もう一つは、仮想通貨取引所インフラをグループ内のTCEXへ移管すること。どちらも単体では地味に見えるかもしれませんが、この2つをセットで見ると、ベトナムの証券業界が「次のステージ」へ向けて態勢を整えていることがよくわかるんです。

テックコムバンク証券がVIFCに子会社を設立する意味

VIFCとは「ベトナム国際金融センター」のことで、ホーチミン市に整備が進む金融特区のような存在です。ここが面白いのは、現行の法律では証券会社がVIFCに直接会員登録して事業を行うことができないという制約があること。だから各社は「完全子会社を通じる」という迂回路を選んでいます。

TCXが設立する子会社の資本金は8,000 tỷ VND、日本円換算で約480億円です。親会社のTCXが100%出資し、取締役会長のグエン・スアン・ミン氏が代表に就きます。この子会社は証券仲介・自己勘定取引・投資顧問・証券引受・デリバティブ取引と、証券業務の一通りをカバーする予定です。

興味深いことに、同じく大手証券のHSC(ホーチミン証券)も2026年の株主総会で同じ構造の子会社設立を承認しています。資本金も同じく8,000 tỷ VND。業界の横並びというよりも、VIFC参加要件として一定の資本水準が求められているのかもしれません。

仮想通貨インフラをTCEXへ移す、その本当の意味

同日のもう一つの決議が、開発中の仮想通貨取引プラットフォームに関連するツール・機械設備・AWS インフラ・人件費等をTCEXへ移管するというものです。移転総額は約50 tỷ VND(約30億円)、実施は2026年第2〜第3四半期を予定しています。

TCEXはTCXのエコシステム内の企業で、2025年5月に設立され、現在は財務省の仮想通貨取引所ライセンス審査の第2ステージへ向けて準備中です。第1次審査は5月4日時点で承認済み。ライセンス取得は2026年中を見込んでいます。

この移管は「コストの付け替え」ではなく、「事業体の整理」と見た方が正確です。TCXという証券会社の中に仮想通貨開発機能を抱え込んでおくより、ライセンスを取りにいく専門法人TCEXに集約する。そうすることで規制対応上の整合性が取れるし、将来的な出資・提携交渉もしやすくなる。そういうことなんです。

TokenBayという複雑な資本構造

ここで一つ注目したいのがTokenBayという会社の存在です。TCXも出資しているこの会社が、債券発行で7兆4,000億VND超を調達し、それをTCEXへ投資することでTCEXの親会社になることを計画しています。TCEXがライセンスを取得した後は、その配当収益がTokenBayの収益の約9割を占めると試算されているとのこと。

一方でTCXは、その投資先のTokenBay株を今後売却する予定も発表しています。1株1万VND換算で1,650万株、総額1,650億VND(約9.9億円)の優先配当株の譲渡です。

少し複雑な資本関係ですが、大筋はこうです。TCXは「TCEXの育成役」を果たしながら、一定段階でポジションを整理しつつ、本体はVIFCでの証券事業に集中していく。そういうグランドデザインが見えてきます。

ハノイの現場から感じること

私がハノイに来て13年になりますが、この数年でベトナムの金融インフラが変わるスピードは確実に上がっています。VIFCのような特区構想、仮想通貨の法整備、証券会社の大型子会社化。これらは全部バラバラの話ではなく、ベトナムが「国際金融市場の一員になる」という方向性の中で繋がっています。

TCBSは親行のテックコムバンクを含めたグループで見ると、ベトナムの金融セクターでも特に動きが速いプレイヤーの一つです。今回の2つの決議は、その戦略的な一貫性を改めて示すものだったと私は見ています。

投資という観点でどう見るかは読者の皆さんのご判断ですが、ベトナムの仮想通貨市場のプレイヤー構造と、その背後にある証券会社の動向は、今後の展開を追う上で押さえておく価値があると思っています。

いかがでしたでしょうか。今回のTCX・TCEXの動きについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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