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【ベトナム株2026】TNG(HNX)の業績見通しと投資家が注目すべき成長ストーリー

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

「デカトロン」という名前を聞いたことはありますか。

フランス発の世界最大級スポーツ用品チェーンで、ベトナムでも主要都市に店舗を構えています。ハノイに暮らしていると、週末にバイクでデカトロンに立ち寄る光景はすっかり日常の一部になっていますが、その売り場に並ぶウェアのかなりの部分が、じつはベトナム国内で縫われていることを意識している人はあまり多くない。今回取り上げるTNGは、そのサプライチェーンの重要な担い手の一社です。

TNGとはどんな会社か

TNG Investment and Trading Joint Stock Company(HNX: TNG)は、タイグエン省を拠点とするベトナムの繊維・アパレルメーカーです。米国と欧州向けの輸出を主軸に、CMT(受託縫製)モデルで事業を展開しています。日本ではあまり知名度がありませんが、ベトナムの繊維輸出産業においては中堅以上の存在感を持っています。

Rong Viet Securities(ロン・ベト証券)が最新のアナリストレポートでTNGの2026年見通しを発表しており、その内容が非常に興味深いのでご紹介します。

利益22%増という数字の背景

ロン・ベト証券の試算では、TNGの2026年の税引後利益は4,360億VND(約26億円)に達する見通しで、前年比22%増が期待されています。純売上高は9兆4,850億VND(約569億円、前年比6%増)、そのうち繊維・衣料品事業が9兆4,680億VNDとほぼ全体を占めます。

この成長の源泉は大きく2つあります。

ひとつは米国市場でのシェア拡大です。ベトナム衣料品輸出全体に占めるTNGのシェアは0.88%から0.98%へ上昇する見込みで、一見地味な数字に見えるかもしれませんが、これは巨大市場での着実な地盤固めを意味しています。米国が通過貨物に対して高い関税を課す現在の環境下では、現地調達率が45〜55%程度のメーカーが有利になるとされており、TNGはその条件を満たすポジションにあります。

もうひとつがデカトロンとの関係深化です。2024年末からTNGとデカトロンが共同で製品研究センターを設立したとされており、単なる受注生産の関係から、研究・設計段階から関与する「戦略的パートナー」としての地位へと移行しつつある。ヨーロッパ向けのシェアも2.92%から3.02%に上昇する見通しで、欧州は既に高い水準にありながらも、なお上積みが期待されています。

コスト圧力という現実も正直に見ておく

ここで少し立ち止まって考えてみたいのですが、繊維産業のビジネスというのは、構造的にコスト圧力と向き合い続ける宿命があります。

ロン・ベト証券は原材料価格が5〜10%上昇するとみており、ポリエステルなど石油由来の原材料は最大15%の上昇もあり得るとしています。タイグエン省の地元工場では人手不足も顕在化しており、人件費も上昇傾向にあります。

ただ、TNGはすでに2026年分の受注に対応する原材料価格を確定しているとされており、当面の原価変動リスクはある程度ヘッジされているようです。また、裁断・刺繍・簡易縫製といった工程での自動化投資も進んでいて、生産性向上によって単価下落圧力を部分的に打ち消す戦略が動いています。販売費及び管理費の売上比率も目標の6〜6.4%に抑える計画で、これは経営効率の一つの指標として継続して注視すべき数字だと私は考えています。

外貨リスクへの対応も面白くて、TNGは外貨建ての借入を行わない方針を堅持しつつ、売掛金の大部分を米ドル建てで計上しています。ドル高局面では恩恵を受けやすい財務構造になっているわけで、これは輸出企業としてのリスク管理の巧みさとも言えます。

13年ハノイに住んで見えること

少し余談になりますが、ベトナムの繊維産業を追いかけていると、つくづく「一次産業から製造業へ、製造業から付加価値業へ」という工業化の段階を、この国がリアルタイムで駆け上がっているのを感じます。

かつてベトナムの縫製工場は、完全に「手足だけ貸す」モデルでした。デザインも素材も全部バイヤー頼み。それが今、デカトロンと共同で研究センターを持つ段階まで来ている。規模感は違いますが、かつて日本の製造業が歩んだ道と重なって見えるんです。

そういうことなんです。TNGの決算数字の裏側に、ベトナム製造業のグレードアップという大きな物語が流れている。これを知っているか知らないかで、この銘柄の見え方がずいぶん変わってくると思います。

ロン・ベト証券の試算価格について

ロン・ベト証券はTNG株について、試算ベースの理論株価を1株あたり30,500VND(約183円)としています。この水準は繊維・アパレル部門とソンカム工業団地を含む各事業部門の合計価値から算出されたもので、現在の株価は過去の平均価格と比較して割安な水準にあるとの見方が示されています。

なお、これはアナリストによる試算の紹介であり、投資判断はご自身の責任においてご検討ください。

いかがでしたでしょうか。今回のTNG考察記事について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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本記事で提供される情報は、執筆者の個人的な分析と見解に基づくものであり、投資判断の最終的な決定は読者ご自身の責任において行ってください。ベトナム株式投資は価格変動が大きく、元本割れのリスクを伴います。

本記事の情報の正確性、完全性、最新性については最大限の注意を払っていますが、保証するものではありません。本記事の情報に基づいて行われた投資による損失や損害について、執筆者は一切の責任を負いません。

投資判断に際しては、金融商品取引業の登録を受けた専門家への相談を強く推奨いたします。本記事は法的、税務的、財務的なアドバイスを提供するものではありません。

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