ベトナムの国有商業銀行大手BIDV(ベトナム投資開発銀行)は、旧正月(テト)を目前に控え、スマートフォン向け銀行アプリ「BIDV SmartBanking」上でインタラクティブゲーム「Đón Mã du xuân(春を巡る馬を迎えよう)」をリリースした。総額約30億ドン(日本円で約1800万円相当)の賞品が用意され、ユーザーの注目を集めている。
金融アプリが「旧正月の娯楽空間」へ
かつて銀行アプリといえば、振込や残高照会といった金融機能に特化したツールであった。しかしベトナムでは近年、旧正月のシーズンになるとアプリ内にミニゲームやキャンペーンを組み込み、顧客とのエンゲージメントを高める戦略が定着しつつある。BIDVが今回投入した「Đón Mã du xuân」は、独自のコンセプトとゲーム性で話題を呼んでおり、単なるポイント還元ではなく「遊びながら得をする」体験を提供している点が特徴だ。
30億ドンの賞品──その規模感
約30億ドンという賞品総額は、ベトナムの平均月収(約1500万ドン前後)を考慮すると、200人分の月給に相当する極めて大規模なプロモーションである。ベトナムでは旧正月に「lì xì」(お年玉)を贈り合う文化が根強く、銀行各社はこの時期に合わせたキャンペーンで顧客獲得競争を繰り広げる。BIDVの今回の施策は、デジタルバンキングの利用促進と顧客ロイヤルティ向上を同時に狙ったものといえる。
日本企業への示唆──銀行×エンタメの可能性
日本の金融機関においても、スマホアプリの利用率向上は喫緊の課題である。ベトナムのように「アプリを開く動機」を娯楽コンテンツで創出する手法は、若年層の顧客基盤拡大を目指す日本の地方銀行やネット銀行にとっても参考になるだろう。特にベトナムでは、VNPay(決済プラットフォーム大手)などとの連携により、銀行・決済・エンタメが融合したエコシステムが急速に形成されつつある。日系金融機関がベトナム市場へ進出する際、こうした現地のデジタル戦略を理解しておくことは不可欠である。
出典: Thanh Niên












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