ベトナムの株式市場が冷え込みを見せている。ホーチミン証券取引所(HOSE)の取引高が2兆円を下回り、2026年に入って最も低い水準を記録した。投資家の様子見姿勢が鮮明となり、市場関係者の間で警戒感が広がっている。
取引高が前週比で大幅減少
ホーチミン証券取引所の1日の取引高が2万億ドン(約1,200億円)を下回る水準まで落ち込んだ。これは前週の平均取引高と比較して大幅な減少であり、2026年の年初から現在までで最低の流動性となった。ベトナム株式市場の約8割の時価総額を占めるホーチミン市場の低迷は、市場全体の冷え込みを如実に示している。
背景にある投資家心理の変化
ベトナム株式市場は近年、急速な成長を遂げ、東南アジアの新興市場として日本を含む海外投資家から注目を集めてきた。VN指数(ベトナムの代表的な株価指数)は過去数年で大きく上昇し、国内の個人投資家も急増した。しかし、世界的な金融環境の変化や、国内経済の減速懸念を背景に、投資マネーが一時的に市場から退避している可能性がある。
ベトナムでは不動産市場の調整が続いており、これが投資家心理に影響を与えているとの見方もある。また、旧正月(テト)明けの時期は例年、取引が低調になる傾向があることも指摘される。
日本企業・投資家への影響
ベトナムは「チャイナプラスワン」戦略の有力な投資先として、日本企業の進出が加速している国である。株式市場の流動性低下は、現地法人の資金調達や、ベトナム関連ファンドへの投資判断に影響を与える可能性がある。ただし、短期的な市場変動に一喜一憂するよりも、ベトナム経済の中長期的な成長ポテンシャルを見極めることが重要であろう。
今後、ベトナム政府の景気刺激策や、MSCI新興国指数への正式採用(アップグレード)の進展次第では、海外マネーが再び流入する可能性もあり、市場動向を注視する必要がある。
出典: VnExpress












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