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ベトナム国内の金価格が6月1日から3日にかけて3営業日連続で下落し、SJC金塊の買取・販売価格は合計で約200万ドン/ルオン(1ルオンは約37.5グラム)の下落を記録した。金リング(純度99.99%)も100万〜200万ドン/ルオンの値下がりとなり、市場全体に調整ムードが広がっている。
SJC金塊:全販売網で一斉値下げ
6月3日の朝の取引開始と同時に、SJC金塊の買取・販売価格は前日(6月2日)の終値から一律50万ドン/ルオン引き下げられた。午前10時30分時点で、SJC社(ベトナム最大の金取引企業)は買取価格を1億5,400万ドン、販売価格を1億5,700万ドン/ルオンに設定。この価格は午前中を通じて維持された。
PNJ(フーニュアンジュエリー、ホーチミン証券取引所上場)、DOJI(ドージー・グループ)、バオティンミンチャウ、バオティンマインハイ、フークイといった大手各社も同水準の1億5,400万〜1億5,700万ドン/ルオン(買取〜販売)で足並みを揃えた。
フークイでは買取価格が20万ドン/ルオン、販売価格が50万ドン/ルオンの引き下げとなり、買取・販売のスプレッドが30万ドン縮小して300万ドン/ルオンとなった。
ホーチミン市ではさらに激しい動きが見られた。ミーホン(Mi Hồng)では開場からわずか2時間で2段階の急落が発生し、買取価格が100万ドン/ルオン、販売価格が70万ドン/ルオン下落。午前10時30分時点で1億5,450万〜1億5,650万ドン/ルオン(買取〜販売)となった。買取価格の下落幅が販売価格を上回ったため、スプレッドは200万ドン/ルオンに拡大したが、それでも市場全体では最も狭いスプレッドであった。
ゴックタム(Ngọc Thẩm)でも販売価格は1億5,650万ドン/ルオン、買取価格は1億5,350万ドン/ルオンとなり、それぞれ50万ドン/ルオンの下落を記録した。
金リング(純度99.99%)も全面安
金リング市場でも金塊に連動する形で値下がりが進行した。各社の引き下げ幅は20万〜50万ドン/ルオンとばらつきがあった。
ホーチミン市のゴックタムは2営業日連続で金リング価格を引き下げ、3日朝には買取・販売ともに50万ドン/ルオンの下落。午前10時30分時点で1億4,400万〜1億4,750万ドン/ルオンで取引された。
北部の各企業も6月1日の週初から下落基調が継続。SJC社の金リングは50万ドン/ルオン引き下げられ、1億5,380万〜1億5,680万ドン/ルオンとなった。DOJI、PNJ、バオティンミンチャウ、バオティンマインハイもいずれも50万ドン/ルオンの引き下げで、1億5,400万〜1億5,700万ドン/ルオンに設定。フークイは20万ドン/ルオンの小幅な引き下げにとどまったが、同じく1億5,400万〜1億5,700万ドン/ルオンの水準である。
注目すべきは、午前中の取引でSJC社とゴックタムだけが金リング価格を金塊価格より低く設定していた点である。SJC社では金塊との差がわずか20万ドン/ルオン、ゴックタムでは950万ドン/ルオンの差があった。一方、その他の企業は金リングと金塊をほぼ同価格で提示しており、金リング価格の高止まり傾向が依然として残っている。
国際金価格との乖離
国際市場では、6月2日午前10時30分時点で金のスポット価格が0.1%超下落し、1オンスあたり4,484ドルの水準まで後退した。ベトコムバンク(Vietcombank、ベトナム最大の国営商業銀行)の為替レート(税・手数料込み)で換算した場合、SJC金塊と国際金価格の乖離は約1,281万ドン/ルオンに達している。金リングについてはこの乖離が1,261万〜1,281万ドン/ルオンと企業によって若干の幅がある。ただしゴックタムでは乖離がわずか331万ドン/ルオンまで縮小しており、国際価格に最も近い水準を提示している。
投資家・ビジネス視点の考察
今回の3営業日連続の金価格下落は、いくつかの重要な示唆を含んでいる。
第一に、国際金価格との連動性の強まりである。ベトナム政府・国家銀行はここ数年、金市場の安定化と国際価格との乖離縮小に取り組んできた。SJC金塊の独占的な地位を見直す政策議論も進んでおり、今回の下落局面でスプレッドの縮小やゴックタムのような国際価格に近い水準の出現は、市場の正常化が徐々に進んでいることを示唆する。
第二に、ベトナム株式市場への資金シフトの可能性である。金価格の調整局面では、投資資金が株式や不動産など他の資産クラスに向かう傾向がある。2026年9月に予定されるFTSE新興市場指数への格上げ判定を控え、ベトナム株式市場への海外資金流入期待が高まる中、金からの資金移動が株式市場の追い風となる可能性がある。
第三に、PNJなど金関連上場企業の業績への影響である。PNJ(銘柄コード:PNJ)はベトナム最大のジュエリー企業であり、金価格の急変動は在庫評価損益を通じて短期業績に影響を与え得る。ただし同社の収益構造はジュエリー加工・販売が主体であり、金地金売買のマージンへの依存度は相対的に低い。
ベトナムでは依然として金が個人の資産防衛手段として根強い人気を持つ。今回の下落が一時的な調整なのか、トレンド転換なのかは国際金価格と米国の金融政策動向に大きく左右されるため、引き続き注視が必要である。
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