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ウォール街で「貪欲」が「恐怖」を圧倒──S&P500は月間11回の最高値更新、ベトナム投資家が注視すべき米国市場の過熱シグナル

"Lòng tham" đang lấn át "nỗi sợ" trên Phố Wall
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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ゴールドマン・サックスのデイビッド・ソロモンCEOが「ウォール街では今、貪欲(グリード)が恐怖(フィア)を圧倒している」と明言した。S&P500は先月だけで11回の史上最高値を更新。資産の高値警戒、原油高、インフレ上昇といったリスク要因をよそに、投資家は資金を株式市場に注ぎ続けている。米国市場の過熱感は、ベトナム株式市場にも無縁ではない。

目次

ソロモンCEOの発言──「貪欲が恐怖を凌駕している」

6月2日(火)、ニューヨーク・エコノミック・クラブのイベントに登壇したソロモン氏は、スペースX(SpaceX)、オープンAI(OpenAI)、アンソロピック(Anthropic)といったテクノロジー大手の大型IPO(新規株式公開)を市場が吸収できるかとの質問に対し、「投資家の心理は明らかに『貪欲』の側に傾いている」と答えた。

この表現は、著名投資家ウォーレン・バフェット氏の格言「他人が貪欲な時に恐れ、他人が恐れている時に貪欲になれ」を想起させるものである。ソロモン氏自身も「我々は明らかに貪欲が恐怖を上回る局面にいる。これは現実であり、熟考に値する」と述べ、現在の市場の楽観ムードに対して一定の警鐘を鳴らした。

アルファベットの800億ドル調達が示す「市場の胃袋」

ソロモン氏は自らの主張を裏付ける具体例として、テクノロジー大手アルファベット(Alphabet、グーグルの親会社)が最近実施した800億ドル規模の増資を挙げた。ゴールドマン・サックスはこの案件で販売代理および共同ブックランナーを務めている。

「これは史上最大規模の公募増資だ。にもかかわらず、株価は比較的堅調に推移した」とソロモン氏は語り、投資家が超大型の株式発行でも喜んで受け入れる状態にあることの「最初の実証例」だと位置づけた。フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)によれば、スペースX、オープンAI、アンソロピックの上場が実現すれば、史上最大級のIPOとなる可能性があり、ゴールドマン・サックスはこれらの案件でも中心的な役割を担う見通しである。

AI関連株の爆発的上昇──ナスダックは3月末から30%高

足元の米国市場では、AI(人工知能)関連銘柄が驚異的な上昇を見せている。ナスダック総合指数(Nasdaq Composite)は3月末から約30%上昇。先週にはS&P500が2023年12月以来最長の週間連騰記録を達成した。

個別銘柄では、メモリーチップ大手のサンディスク(Sandisk)が記録的利益を背景に年初来約630%の上昇を記録。マイクロン(Micron)が約265%、サーバーメーカーのデル(Dell)が約250%、インテル(Intel)が約191%と、半導体・ハードウェア関連が市場を牽引している。年初に売り込まれたソフトウェア株も回復基調にある。

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメント(Morgan Stanley Wealth Management)のリサ・シャレット最高投資責任者は「第1四半期のS&P500の5%下落は、もはや遠い記憶のようだ」と今週初めのリポートで指摘している。

楽観の裏にあるリスク──「貪欲から恐怖への転換は一瞬」

ソロモン氏はAI投資ブームと米国経済の見通しに対して楽観的な姿勢を示しつつも、「投資家心理は貪欲から恐怖へ非常に速く転換し得る」と警告した。AIは今後10年間にわたり米国の生産性向上と低失業率の維持に貢献する可能性があるとしながらも、現在の市場の楽観が永続する保証はないと釘を刺している。

実際、資産の高バリュエーション、原油価格の高止まり、米国のインフレ率上昇といったリスク要因は依然として存在する。市場が「貪欲」モードにある時こそ、バフェット氏の格言通り「恐れるべき局面」である可能性も否定できない。

ベトナム投資家・ビジネスへの示唆

米国市場の過熱は、ベトナム株式市場にも複数の経路で影響を与える。

第一に、資金フローの問題である。グローバル投資家のリスク選好度が高い「貪欲」局面では、新興国市場にも資金が流入しやすい。ベトナムのVN-Indexにとっては追い風となる。一方で、米国市場が急落に転じた場合、新興国からの資金引き揚げが真っ先に起こるリスクもある。

第二に、AI関連のバリューチェーンである。サンディスクやマイクロン、インテルといった半導体企業の業績好調は、ベトナムに生産拠点を持つ企業群にとってプラス材料である。インテルはホーチミン市に大規模な組立・テスト工場を構えており、AI需要の拡大はベトナムの半導体関連産業にも波及する。

第三に、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げとの関連である。米国市場が高値圏にある間にベトナムが格上げを達成すれば、「新興国への分散投資先」としてベトナムに大規模な機関投資家資金が流入する可能性が高まる。逆に、格上げのタイミングで米国発のリスクオフが重なれば、効果は限定的となり得る。

第四に、日本企業への影響である。ベトナムに進出している日本の製造業・IT企業にとって、AI関連のグローバル需要拡大は受注増につながる可能性がある。また、米国の大型IPOラッシュが成功すれば、ベトナムでも未上場テック企業のIPO機運が高まり、投資機会が広がる展開も考えられる。

いずれにせよ、ソロモン氏が示唆するように「貪欲から恐怖への転換は一瞬」である。米国市場の楽観ムードに乗じつつも、ポートフォリオのリスク管理を怠らないことが、ベトナム株投資家にとっても最も重要な教訓であろう。


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出典: 元記事

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