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ベトナム、EV(電気自動車)の登録税を2030年末まで全額免除へ—VinFastや投資家への影響を解説

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ベトナム政府は、電気自動車(EV)の初回登録税(レ・フィー・チュオック・バー)を0%とする優遇措置を2030年末まで延長する政令を公布した。従来の措置が2027年末で期限切れとなる予定だったところ、さらに3年間の延長が決定された形であり、ベトナムのEVシフトを強力に後押しする政策として注目される。

目次

政令の概要—初回登録税0%が2030年末まで延長

ベトナムでは自動車を購入する際、初回登録時に「レ・フィー・チュオック・バー(lệ phí trước bạ)」と呼ばれる登録税を支払う必要がある。これはガソリン車の場合、車両価格の10〜12%(ハノイやホーチミン市など大都市では12%)に達する高額な税であり、消費者にとって大きな負担となっている。電気自動車についてはこの登録税が初回購入時に限り0%に免除されており、EV普及の大きなインセンティブとなってきた。

今回の政令では、この0%措置がさらに3年延長され、2030年12月31日までの適用が正式に決定された。ベトナム政府は近年、グリーン成長戦略と脱炭素目標(2050年のカーボンニュートラル達成)を掲げており、今回の延長措置はその政策路線の延長線上に位置づけられる。

背景—急成長するベトナムEV市場

ベトナムのEV市場を語る上で欠かせないのが、ビンファスト(VinFast、ティッカー:VFS(米ナスダック上場))の存在である。ビングループ(Vingroup、HOSE上場・ティッカー:VIC)傘下の同社は、ベトナム初の国産EV(電気自動車)メーカーとして2021年に本格的に市場参入し、現在ではVF5、VF6、VF7、VF8、VF9といった多彩なラインナップを展開している。ハイフォン(ベトナム北部の港湾都市)に大規模工場を構え、国内販売のみならず東南アジア、欧州、北米への輸出も進めている。

ベトナム国内におけるEVの新規登録台数は年々増加しており、特にVinFastの販売台数は2024年以降大幅に伸長した。登録税0%の優遇措置は、ガソリン車と比較した際のEVの「価格競争力」を大きく引き上げる効果があり、消費者のEV購入を後押しする最も直接的な政策手段の一つである。例えば、車両価格が10億ドン程度のEVの場合、ハノイでの登録税免除額は約1億2,000万ドンに相当し、これは消費者にとって極めて大きなメリットとなる。

なぜ3年延長なのか—政府の狙い

ベトナム政府がEV登録税免除を2030年末まで延長した背景には、複数の政策的意図がある。

第一に、ベトナムは2020年に改定された「国家グリーン成長戦略」において、2030年までに電動車両の普及率を大幅に引き上げる目標を設定している。登録税免除の打ち切りは、この目標達成に逆行するリスクがあった。

第二に、大気汚染問題への対応がある。ハノイはアジアでも有数の大気汚染が深刻な都市として知られ、PM2.5濃度がWHO基準を大幅に超える日が年間を通じて頻繁に発生している。ガソリン・ディーゼル車からEVへの転換を加速させることは、都市部の大気環境改善に直結する施策である。

第三に、国内EV産業の育成という産業政策的な側面も見逃せない。VinFastのみならず、今後中国系EVメーカーやその他新興メーカーのベトナム進出も予想される中、国内市場を一定規模以上に拡大しておくことが、サプライチェーンの集積やEV充電インフラの整備を加速させる上で不可欠と判断された可能性がある。

充電インフラの整備状況

EV普及の鍵を握る充電インフラについても、ベトナムでは急速に整備が進んでいる。VinFastは自社で充電ステーション網「V-Green」を全国展開しており、主要都市部のショッピングモールや住宅地、高速道路沿いなどにステーションを設置している。今回の記事に添えられた写真も、自宅での充電ステーション設置の様子を示しており、「自宅充電」が現実的な選択肢としてベトナムの消費者に浸透しつつあることを物語っている。

投資家・ビジネス視点の考察

VinFast・Vingroupへの追い風

今回の政令は、VinFast(VFS)にとって最も直接的な追い風となる。2030年末までの長期的な税優遇が確定したことで、同社は中長期の販売計画を立てやすくなり、投資家に対しても国内市場の成長ストーリーをより強固に説明できるようになる。親会社であるVingroup(VIC)の株価にもポジティブな影響が期待される。

日本企業への影響

トヨタ、ホンダ、三菱など、ベトナムで事業展開する日本の自動車メーカーにとっては、競争環境の変化を意味する。ガソリン車には引き続き10〜12%の登録税が課される一方、EVは0%という明確な差別化が2030年末まで続くことになるため、日本メーカーもベトナム市場向けのEV戦略を加速させる必要性が高まった。一方で、EVバッテリーや部品のサプライチェーンに参画する日本企業にとっては、ベトナムのEV市場拡大は商機拡大を意味する。

FTSE新興市場指数格上げとの関連

ベトナムは2025年にFTSEラッセルのフロンティア市場からセカンダリー・エマージング市場への格上げ要件を満たす見通しであり、2026年9月にも正式決定が見込まれている。格上げが実現すれば、グローバルな機関投資家からの資金流入が加速する。VingroupをはじめとするベトナムのEV関連銘柄は、「グリーン成長×新興市場格上げ」という二重のテーマで海外投資家の関心を集める可能性がある。

ベトナム経済全体における位置づけ

ベトナム政府は「2045年までに先進国入り」を国家目標に掲げており、ハイテク産業・グリーンエネルギー・EV産業の育成はその柱の一つである。今回のEV登録税免除の延長は、単なる自動車政策にとどまらず、ベトナムが国家戦略として脱炭素と産業高度化を同時に推進する姿勢を内外に示すシグナルとして捉えるべきである。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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出典: VnExpress元記事

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