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ベトナム・ダナン、医療ツーリズムの拠点へ—台湾人透析患者12名受入れで注目

Đà Nẵng trước cơ hội trở thành trung tâm du lịch y tế
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ベトナム中部の主要観光都市ダナンが、医療ツーリズムの拠点として本格的に動き出している。公立病院が台湾からの透析患者12名を一括受入れし成功させたことが象徴的な事例として注目を集めるなか、市は2025〜2030年の医療観光発展計画を策定し、2026年中に最低5つの医療×リゾートパッケージの試験展開を予定している。

目次

東南アジア医療ツーリズム市場は年率18%成長

CGSインターナショナルの調査によると、東南アジアの医療ツーリズム市場は2032年まで年率約18%の成長が見込まれ、世界市場の約40%を占める見通しである。この成長率は他の観光カテゴリと比較しても際立って高い。ベトナムの医療ツーリズム・ヘルスケア市場は2024年時点で約7億USDに達しており、今後さらに急拡大が予測されている。

ダナンC病院、台湾人透析患者12名の受入れに成功

2026年6月9日、ダナンC病院(Bệnh viện C Đà Nẵng、ダナン市の主要公立病院の一つ)は、台湾から観光で訪れた慢性腎不全患者12名に対し、人工透析サービスを無事に提供したと発表した。12名はいずれも台湾の医療機関で定期的に透析治療を受けている患者であり、旅行中も治療を中断できないため、出発前にダナンC病院へ事前連絡を行っていた。

病院側は腎臓・透析科を中心に、台湾側の治療機関と専門的な情報交換を実施し、医療記録の確認、健康状態の評価、透析装置の稼働、感染管理まで厳格なプロトコルに基づいて対応した。透析スケジュールは観光日程に合わせて組まれ、12名全員が安全に治療を終え、予定通り観光を継続できたという。公立病院がこれだけの規模で外国人観光客向け透析サービスを提供したのは、ダナンでは初の試みであり、医療ツーリズムの先駆的モデルとして評価されている。

ダナン市の医療観光戦略——2025〜2030年計画

ダナンはベトナムの観光地図上で三大観光拠点の一つに位置づけられている。美しい海岸線、整備された都市インフラ、温暖な気候、そしてホスピタリティの高い住民気質が強みである。市は「医療ツーリズム発展計画2025〜2030年、ビジョン2050」を策定し、これらの既存資源を活かした医療観光の本格展開を目指している。

ダナン病院(Bệnh viện Đà Nẵng)のレー・ドゥック・ニャン院長によると、同病院では既に特別外来、国際外来、美容外来において高品質な医療サービスを観光客向けに展開している。さらに2030年までに中部・中部高原地域の臓器移植・調整センターへの発展を計画しており、医療人材の質の向上と「医療ツーリズム」ネットワークの形成を進める方針である。

ダナン伝統医学病院(Bệnh viện Y học cổ truyền Đà Nẵng)も、伝統医学を活用した体系的なヘルスケアサービスを構築している。同病院の「火治療法(Hỏa trị liệu)」は2018年にベトナム保健省から伝統医学の治療プロトコルとして正式認定されており、現在はこの技術を医療ツーリズム向け商品ラインナップに組み込む準備を進めている。

2026年内に5つの医療×リゾートパッケージを試験展開

ダナン市文化・スポーツ・観光局のグエン・ティ・ホアイ・アン副局長は、2026年にダナンで開催された「グローバルビジネス会議2026」(テーマ:「イノベーション・創造性——シルバー世代のために」)で、市の取り組みを紹介した。リゾート観光に加え、医療ツーリズム、スパ・ウェルネス、リハビリ滞在型プログラムの開発を段階的に進めているという。

2026年中にダナン市保健局は、リハビリ治療、伝統医学、総合ヘルスケアといった市の強みを活かした最低5つの医療×リゾートパッケージ商品を、ポテンシャルの高いエリアで試験的に展開する計画である。市内の医療機関はペーパーレス病院モデルを目指したIT化や待ち時間短縮にも取り組んでおり、「医療ツーリズム情報ガイドブック」の作成も進行中である。

民間からの提言——長期滞在型から美容パッケージまで

旅行・イベント・輸送会社ビトラコ(Vitraco)のレー・タン・タイン・トゥン副社長は、生活水準の向上とともに旅行中のヘルスケアニーズも高まっていると指摘し、以下のような商品開発を提言している。

  • シニア向け長期滞在型リゾート・介護パッケージ(国際観光客向け)
  • 美容・スキンケアと観光を組み合わせたパッケージ
  • 高齢者向けヘルスツーリズム
  • 家族向け健康診断×リゾートパッケージ

専門家らは、国際患者の透明なデータベース構築、国際基準の医療認証取得、遠隔医療相談から空港での支援サービスまで一貫したロジスティクス体制の整備が不可欠であると指摘している。また、医療・観光・交通・商工業・民間サービス企業間の緊密な連携や、医療ツーリズムの品質評価基準の早期策定、さらには内外のパートナーを結ぶ医療ツーリズム推進センターの設立も求められている。

投資家・ビジネス視点の考察

医療ツーリズムは、単価が通常の観光に比べて格段に高く、滞在日数も長いため、ダナンの観光関連企業やホテル、不動産セクターにとって中長期的な追い風となりうる。ベトナム株式市場においては、ダナンに拠点を持つ病院・ヘルスケア関連銘柄や、リゾート開発を手掛けるデベロッパーへの注目度が高まる可能性がある。

日本企業にとっても商機は大きい。日本が強みを持つ医療機器、遠隔医療システム、介護ノウハウ、ウェルネスサービスはいずれもダナンが求めている分野と合致する。特にシルバー世代向け長期滞在型リゾートは、日本の高齢者層の「越冬・療養ロングステイ」需要とも結びつく領域である。

2026年9月に判断が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、ベトナム市場全体への海外資金流入が加速し、観光・ヘルスケアといった内需成長セクターにも資金が波及する展開が期待できる。ダナンの医療ツーリズム構想は、ベトナムが「安価な製造拠点」から「高付加価値サービス輸出国」へとシフトする大きなトレンドの一端を示すものとして注視すべきである。


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出典: 元記事

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