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ベトナム資産オークション法改正へ—投資家の能力審査厳格化と転売5〜7回の実態

Sửa Luật Đấu giá tài sản: Kiến nghị kiểm soát chặt năng lực của nhà đầu tư
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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ベトナム司法省は6月9日、資産オークション法(Luật Đấu giá tài sản)の改正草案に関する意見聴取ワークショップを開催した。大型プロジェクトが落札後に5〜7回も転売され、価格だけが吊り上がりながら実際には開発されない深刻な事態を受け、入札参加者の能力・実績審査を大幅に厳格化する方針が打ち出された。不動産市場の透明性と投資環境に直結する重要な法改正である。

目次

法改正の背景——談合・保証金放棄・価格操作の横行

ベトナムの資産オークション法は2016年に制定され、土地使用権や国有資産の競売手続きを定めてきた。しかし近年、特にハノイを中心に、オークション制度の抜け穴を突いた不正行為が相次いでいる。司法省司法補助局(Cục Bổ trợ tư pháp)のレー・ヴァン・トゥアン副局長は、今回の改正が「実務上生じた不備や法的空白を是正する」ことを目的としていると強調した。

具体的には、①入札者同士の談合(thông đồng)、②意図的な価格抑制(dìm giá)、③落札後の保証金放棄(bỏ cọc)——といった行為への防止策強化が柱となる。2023年にハノイ郊外のトゥードゥック地区などで発生した土地オークションでは、落札価格が市場価格の数倍に跳ね上がった後に保証金を放棄するケースが社会問題化しており、今回の法改正はその延長線上にある。

書類準備期間を30日から45日へ延長

ラックヴィエット合名オークション会社(Công ty Đấu giá hợp danh Lạc Việt)のド・ティ・ホン・ハイン社長は、草案に盛り込まれた書類準備期間の延長——現行30日から45日への変更——に賛同を表明した。

現行制度では30日間の準備期間のうち、最初の約15日間は書類の販売と受付が同時進行するため、投資家が実質的に準備に使える時間は極めて限られている。大型プロジェクトへの入札には、土地法違反がないことの確認書、納税義務完了証明、落札後の残額に対する銀行保証書など、複数の行政機関にまたがる書類が必要であり、15日程度では物理的に間に合わないケースが多い。45日への延長により実質30日の準備期間が確保され、公正な競争環境の整備につながるとハイン氏は指摘する。

最大の焦点——投資家の能力審査と「転売5〜7回」問題

今回のワークショップで最も注目を集めたのが、大型プロジェクトに入札する投資家の能力・実績審査の厳格化である。ハイン氏によれば、オークション公告が出されるとわずか数日後には新設法人が入札に参加するケースが頻発している。こうした法人の多くは自ら開発する意図を持たず、落札後にプロジェクトの権利を転売することが目的である。

とりわけ深刻なのは、一つのプロジェクトが5回から7回にわたって転売を繰り返され、帳簿上の価値だけが膨張する一方で、実際の開発・活用は一切行われないという事態である。これは社会資源の浪費であるだけでなく、法的要件を満たさない段階での取引や詐欺行為の温床にもなっている。

ハイン氏は具体的な対策として、入札参加者に対し「対象プロジェクトの50%〜70%相当の規模の類似プロジェクトを過去に実施した実績」の証明を求めることを提案した。さらに、資産の特性や地方の管理要件に応じた具体的基準の設定権限を各地方政府に付与すべきだとも主張している。

投資家・ビジネス視点の考察

この法改正は、ベトナム不動産市場および株式市場に複数の経路で影響を及ぼす可能性がある。

不動産セクターへの影響:能力審査の厳格化は、資本力と実績を持つ大手デベロッパー——ビングループ(VIC、ベトナム最大手コングロマリット)やノヴァランド(NVL)、バンダットグループ(PDR)など——にとっては追い風となる。一方、ペーパーカンパニーによる投機的入札が排除されれば、土地取得コストの正常化につながり、中長期的にはセクター全体の健全化が期待できる。

市場透明性とFTSE格上げ:ベトナムは2025年3月にFTSEの「新興市場」ウォッチリストに残留しており、2026年9月の格上げ判定に向けて制度面の透明性向上が不可欠である。資産オークション制度の近代化は、外国機関投資家がベトナム市場のガバナンス水準を評価する際のプラス材料となり得る。

日本企業への示唆:ベトナムで工業団地用地や商業施設用地の取得を検討する日系企業にとって、オークション手続きの透明化と準備期間の延長は実務上の恩恵が大きい。これまで短い準備期間と不透明なプロセスが参入障壁となっていたが、改正後は公正な条件での競争が可能になると見込まれる。

ただし、地方政府に裁量権を与える方針については、運用次第で基準のばらつきや新たな不透明性を生むリスクもあり、施行後の実態を注視する必要がある。


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出典: 元記事

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