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W杯2026で世界の消費市場が過熱——ベトナムでも深夜需要が爆発、恩恵銘柄は

Thị trường tiêu dùng, dịch vụ “nóng” lên cùng World Cup
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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史上最大規模となるFIFAワールドカップ2026が開幕し、米国・メキシコ・カナダの開催都市を中心に消費市場が一気に過熱している。スタジアム内の飲食価格は「強盗レベル」と批判される一方、世界各国ではW杯特需を取り込もうとする小売・外食・デリバリー業界の動きが活発化。ベトナムでも深夜・早朝の「消費の空白地帯」を埋める新たなビジネスチャンスが生まれている。

目次

スタジアム内の「異常価格」が世界で物議

英国のスポーツメディアHITC(月間3,000万アクセス超)は、FIFAが設定したスタジアム内の価格表を「Daylight robbery(白昼強盗)」と見出しで報じた。タコス3個で20USD——メキシコシティの路上では1個10〜15ペソ(1USD未満)で買えるものが、実に約12倍の値段である。

ESPNの報道によれば、メキシコシティ・スタジアムでの開幕戦当日、710mlのビールは310ペソ(約17USD)で販売された。これは同じスタジアムで行われるリーガMX(メキシコ国内リーグ)の試合時の約2倍にあたる。米国シアトルのルーメン・フィールドでは473mlのビールが17.99USD(約47万ドン)、590mlのミネラルウォーターが5.99USD(約15万ドン超)という価格が報告されている。外部からの飲食物持ち込みは厳しく制限されており、観客は事実上、場内での購入を強いられる構図である。

アナリストらは、現代のW杯が「グローバルな取引プラットフォーム」と化し、チケット・グッズ・飲食・ファンゾーンのあらゆる接点で収益化が図られていると指摘する。ビール1杯や軽食1つが「象徴的な意味」を持つほど、一般ファンのアクセシビリティが問われる事態となっている。

開催都市ニューヨークの対応——800超の飲食店が参加

批判をやわらげる動きもある。ニューヨーク市では5つの行政区の飲食店に対し、「Winners Special」と名付けた特別プログラムへの参加が呼びかけられた。26USDの特別セットにW杯2026の公式ロゴ入り記念カップが付く内容で、6月11日から7月19日まで800店以上が参加している。各店舗は屋外パーティーの開催、チーム別の座席配置、大型スクリーンやライブ音楽の設置、試合日の営業時間延長などを行い、「メキシコ料理」「アルゼンチン料理」「フランス料理」といった対戦国テーマのメニューも展開。小規模事業者も公式プロモーションポータルに登録でき、ファンがスタジアムやファンゾーン周辺のサービスを見つけやすい仕組みが整備されている。

欧州・中国——時差が変える消費行動

英国では北米との時差により、多くの試合が深夜から未明にかけての放送となる。英食品業界誌The Grocerによれば、英国の成人の54%が自宅観戦を計画しており、1人あたり平均80ポンドを飲食に支出する見込みである。生活費高騰の中、午前2時キックオフ+翌日出勤という条件下では、パブでの追加オーダーは文字通りの「贅沢」となり、消費はスーパーマーケットの棚、フードデリバリーアプリ、深夜営業のコンビニへと流れている。

ベルギーでは大手ブランドが慎重姿勢を見せつつも、食品・飲料・家庭用エンタメ機器の売上増に期待が寄せられている。ビール大手ジュピラー(Jupiler)は国旗の黒・黄・赤をあしらった特別パッケージを投入し、「ベルギー代表が大会中に10ゴール以上を決めれば、当選者に20万ユーロ相当の金塊を贈呈」という大規模キャンペーンを展開中である。カルフール・ベルギー(Carrefour Belgium)の担当者は、フライドポテト、菓子、チョコレート、清涼飲料水、ビールが代表戦のたびに売上トップに入ると明かしている。

中国ではECプラットフォームのデータで、W杯関連の検索増加により玩具・コレクターズアイテムの売上が150%超の伸びを記録。時差の関係で早朝・深夜観戦が中心となるため、カフェやレストランが特別メニューを打ち出す動きも広がっている。

ベトナム——104試合中、大半が深夜〜早朝に集中

ベトナムにとって最大の特徴は、試合時間帯の偏りである。全104試合のうち、6時〜12時が44試合、22時〜0時が5試合、0時〜3時が38試合、3時〜6時が17試合と、通常は「消費の谷間」とされる時間帯に集中している。この時間構造が、ベトナム国内の消費市場に独特の分断(フラグメンテーション)をもたらしている。

具体的には、以下のようなセグメントごとに恩恵の濃淡が分かれる。

  • ビアホール・スポーツバー・深夜営業カフェ:大型スクリーンと正規の放映権、深夜営業許可を備えた店舗が売上を伸ばす。
  • 24時間営業のコンビニ・ミニスーパー:試合前の「駆け込み需要」——スナック、カップ麺、ソーセージ、缶コーヒー、エナジードリンク、清涼飲料水、氷、ファストフードなど——の受け皿として最も有利なポジションにある。
  • フードデリバリー:キックオフ前、ハーフタイム、延長戦前、PK戦直後といったタイミングで「注文の嵐」が発生しうる。深夜に稼働する配達員の確保と手頃な配送料が鍵となる。

ベトナム各地のレストランや飲食店は既にスポーツムード一色に染まり始めており、この約40日間の大会期間が夏場の消費を大きく押し上げると見られている。

ノンアルコール飲料にシフトする世界的潮流

世界的に飲酒運転の厳罰化や「責任ある飲酒」の啓発が進む中、W杯特需の恩恵は必ずしもビール・アルコール飲料だけに集中しない。むしろノンアルコール飲料、コーヒー、エナジードリンク、清涼飲料水、スナック、即席食品といったカテゴリーに優位性があるとの見方が広がっている。ベトナムでも2024年以降、飲酒運転に対する取り締まりが大幅に強化されており、この傾向は一層顕著である。

投資家・ビジネス視点の考察

ベトナム株式市場において、W杯2026の消費特需から恩恵を受けうるセクターは多岐にわたる。

小売・コンビニ関連:24時間営業のコンビニチェーンを展開する企業、たとえばウィンコマース(WinCommerce、マサングループ傘下)やGS25(GSリテール×ソンキム)などは、深夜帯の客単価上昇が期待される。

飲料メーカー:サベコ(SAB、サイゴンビール)やハベコ(BHN、ハノイビール)はビール需要増の恩恵を受けるが、ノンアルコール飲料やエナジードリンクを手掛ける企業にも注目すべきである。

フードデリバリー・テック:GrabやShopeeFood、Beeminなどプラットフォーム事業者の取扱高増加が見込まれる。上場企業では、FPT(テクノロジー基盤)やMWG(モバイルワールド、家電・日用品EC)といったデジタルエコシステム関連銘柄が間接的に恩恵を受ける可能性がある。

日本企業への示唆:ベトナムでコンビニ事業を展開するセブン&アイ・ホールディングス(セブンイレブン・ベトナム)やミニストップ(イオン系列)にとっても、深夜需要の取り込みは成長機会となる。日系食品・飲料メーカーがベトナム市場で販売するインスタント食品やエナジードリンクの販促強化も検討に値する。

FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げは、海外資金流入を通じて消費セクター全体のバリュエーションを押し上げる追い風となりうる。W杯特需による短期的な業績改善が、格上げ期待と重なるタイミングは、ベトナム消費関連株にとって非常にポジティブな環境である。

約40日間のW杯期間中、ベトナムの消費市場がどの程度盛り上がるかは、今夏の小売統計で具体的に可視化されるだろう。深夜消費という新たなフロンティアが、どのプレーヤーにとって最大の収穫となるか、引き続き注視したい。


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出典: VnEconomy

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