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ベトナムを代表する経済メディア「タップチー・キンテー・ベトナム(Tạp chí Kinh tế Việt Nam/旧称:トイバオ・キンテー・ベトナム=Thời báo Kinh tế Việt Nam)」が2026年6月、創刊35周年を迎えた。1991年の創刊当時、ベトナム政府が初めて外国企業との協力出版を認可した画期的な経済紙であり、スイスの巨大出版グループ「リンギエAG(Ringier AG)」との提携によって誕生した同紙の歩みは、ドイモイ(刷新)後のベトナム経済メディア史そのものである。
1993年6月2日——歴史的な創刊の瞬間
1993年6月2日、ハノイの政府迎賓館(2 Lê Thạch, Hà Nội)において、政府指導部、計画投資省、文化情報省の幹部が列席するなか、「トイバオ・キンテー・ベトナム(Vietnam Economic Times=VET)」の創刊号が正式にお披露目された。同紙はベトナム政府が外国パートナーとの印刷・発行協力を許可した初かつ唯一の新聞であり、提携先はスイスのリンギエAG(Ringier AG)であった。リンギエAGは当時、欧州で出版される印刷物100点のうち75点の印刷・発行を手がけるほどの世界的出版大手であり、ベトナムの経済報道に国際水準の印刷技術とノウハウをもたらした。
30周年の再会——スイスと越の絆
創刊から30年後の2023年6月2日、ハノイ市カウザイ区のホアンクオックベト通り96番地にある近代的な本社で、30周年記念の集いが催された。ベトナム側の創設メンバーであるダオ・グエン・カット教授(GS. Đào Nguyên Cát)、チュー・バン・ラム博士(TS. Chử Văn Lâm)、ジャーナリストのダオ・クアン・ビン氏(Đào Quang Bính)らとともに、リンギエAG側からトーマス・トゥルプ氏(Thomas Trub、元プロジェクトディレクター)とアラン・ジャネ氏(Alain Jeannet、元在ベトナム代表)が出席した。アラン氏はスイスおよび欧州で活躍した経済ジャーナリストであり、かつてはレコードを出すほどのミュージシャンでもある。彼はこの30周年の場でギターを手にし、VETへの祝歌をロックンロール調で披露した。「賢くなりたければVETを読め、成功したければVET、30年のVETに乾杯、ビール30杯で祝おう!」という歌詞は、タインホア省リンチュオンの海岸での懇親会で大きな感動を呼んだ。
35周年ガラ——3世代が集うメディアの伝統
2026年6月6日〜8日、同じリンチュオンの海岸でタップチー・キンテー・ベトナム/VnEconomyのスタッフが再集結し、35周年記念ガラが開催された。席上、35年前にリンギエAGとベトナム側の厳格な選考を経て採用された「第1号記者」が紹介される場面もあり、創刊世代から第2世代、第3世代までが一堂に会した。記者自身は「35年間、常に経済と報道の専門知識を持つベテランと、最新のメディアスキルを備えた若手が共存する組織のなかで、自らをナンバーワンと感じたことは一度もない」と謙虚に振り返りつつ、「35年、なんと多くの情(tình)があったことか」と感慨を述べている。
投資家・ビジネス視点の考察
本記事はメディア社内の記念行事に関するものであり、株式市場に直接的なインパクトを与えるニュースではない。しかし以下の観点から、ベトナム経済・投資に関心を持つ読者にとって示唆に富む内容である。
1. ドイモイ期からの国際協力の象徴:1993年という時期は、ベトナムが本格的に市場経済へ移行し始めた黎明期にあたる。リンギエAGとの出版協力は、ベトナムが外資に門戸を開いた初期事例のひとつであり、現在に至る外国直接投資(FDI)拡大の礎を象徴的に示している。
2. 経済メディアの成熟と情報環境:VnEconomyは現在、ベトナムの経済・市場情報の主要ソースのひとつであり、上場企業の開示情報やマクロ経済データの発信基盤として機能している。2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げに向けて、情報開示の透明性とメディアの質は海外投資家の信頼獲得に不可欠な要素であり、同メディアの35年にわたる蓄積はベトナム資本市場のインフラの一部と位置づけられる。
3. 日本企業への示唆:ベトナムに進出する日系企業にとって、現地の有力経済メディアとの関係構築は広報・IR戦略上重要である。VnEconomyが持つ政府・産業界とのネットワークは、ビジネス環境を理解する上で参考になるだろう。
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出典: 元記事












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