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ベトナム不動産が依然として有力な投資先に選ばれる理由—2025年の資金フローを読む

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世界的な経済環境の変動が続くなか、ベトナムにおいて不動産が依然として投資資金の主要な受け皿であり続けている。リスク耐性の高い資産を求める投資家の動きが、不動産セクターへの資金流入を支えている構図である。

目次

経済環境の変化が資産配分の見直しを促す

2025年に入り、グローバル経済は関税政策の不透明感、金利動向の変動、地政学リスクの高まりなど複合的な要因に直面している。ベトナムも例外ではなく、輸出依存度の高い経済構造ゆえに外部環境の影響を受けやすい。こうした状況下で、ベトナムの個人投資家・機関投資家の双方が、ポートフォリオの再構築を迫られている。

株式市場のボラティリティが高まるなか、預金金利は依然として低水準にとどまっており、金(ゴールド)は価格が高騰して参入しにくい水準にある。こうした選択肢の限定が、不動産という「実物資産」への資金回帰を後押ししている。

不動産が選ばれ続ける背景

ベトナムにおける不動産投資の根強い人気には、複数の構造的要因がある。第一に、都市化の進展である。ホーチミン市やハノイ市をはじめとする大都市圏では人口流入が続き、住宅需要は底堅い。第二に、2024年に施行された改正土地法・改正住宅法・改正不動産事業法のいわゆる「不動産関連3法」が法的枠組みを整備し、市場の透明性向上に寄与している点である。第三に、インフラ投資の加速がある。南北高速道路の延伸やロンタイン(Long Thanh)国際空港の建設など、大型プロジェクトが周辺地域の地価上昇期待を高めている。

ベトナム人の資産形成において不動産は伝統的に最も信頼される資産クラスであり、文化的な選好も無視できない。「土地を持つことが最大の安心」という意識は世代を超えて根付いており、経済が不安定になるほどこの傾向が強まるという特徴がある。

注目されるセグメントとエリア

現在、投資家の関心が集まっているのは、実需に裏打ちされた中価格帯の住宅セグメントである。高級コンドミニアム市場は供給過多の懸念があるものの、中間所得層向けの物件は需給バランスが良好で、安定的な値上がりが見込まれている。

エリア別では、ホーチミン市東部のトゥードゥック市(Thu Duc、旧2区・9区・トゥードゥック区を統合)や、ハノイ市郊外のザーラム(Gia Lam)・ドンアイン(Dong Anh)地区が、交通インフラの整備計画とともに注目度を高めている。

投資家・ビジネス視点の考察

不動産セクターへの資金回帰は、ベトナム株式市場においても関連銘柄に追い風となる可能性がある。上場不動産デベロッパーであるビンホームズ(VHM、ビングループ傘下)、ノバランド(NVL)、カットラム(KDH)などの動向は注視に値する。特にVHMはVN-Index(ベトナム主要株価指数)における構成比率が高く、セクター全体のセンチメント改善がインデックスの押し上げ要因となり得る。

日本企業にとっても、ベトナム不動産市場の活況はビジネス機会を意味する。三井不動産、住友林業、大和ハウスなど、すでにベトナムで住宅・工業団地開発を手がける日系企業は多い。市場の制度整備が進むほど、こうした外資系デベロッパーの参入障壁は下がる方向にある。

さらに、2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、海外からの機関投資家マネーがベトナム市場に大量流入する可能性がある。その際、不動産セクターは時価総額ベースで大きなウエイトを占めるため、恩恵を受ける筆頭候補である。不動産市場の回復基調が続くことは、格上げに向けた市場全体の評価にもプラスに働くだろう。

総じて、ベトナムの不動産市場は短期的な投機対象としてではなく、都市化・人口増・制度整備という中長期の構造的成長ドライバーに支えられた資産クラスとして、引き続き資金を集める蓋然性が高い。


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出典: 元記事

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