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アジア太平洋地域最大級の食品・飲料見本市「THAIFEX – Anuga Asia 2026」が2026年5月26日から30日にかけてタイ・バンコクのIMPACT展示会議センターで開催される。ベトナムからは180社超が出展予定であり、同国の食品輸出産業にとって重要な商談機会となる。前回の取引総額は41.2億ドルに達しており、アジアの食品サプライチェーンを左右する一大イベントである。
THAIFEX 2026の全体像——過去最大規模に拡大
第22回を迎えるTHAIFEX 2026は、展示面積が14万平方メートル超に拡大され、12の展示ホール、9つの食品・飲料セグメントに3,300社以上が出展する。来場者数は8万8,000人超を見込んでおり、アジアで最も包括的な食品見本市の一つとしての地位を一段と強固にする構えである。
注目すべきは、2026年に新設される「ホール4」の存在である。ここは「イノベーションセンター」として位置づけられ、まだ広く流通していない新製品を持つサプライヤーやスタートアップ企業、新しいビジネスモデルが集結する。「Future Food Experience+」「Alternative Protein Taste & Flavour Challenge」「THAIFEX – Anuga tasteInnovation Show」「New-to-Market Street」など、食の未来を体感できるプログラムが多数用意されている。
ベトナムから180社超が出展——多彩な食品カテゴリーをカバー
ベトナムは今回、180社超の企業が出展を予定している。出展品目は加工食品、飲料、果物、農産物、コーヒー、菓子、米、カシューナッツ、香辛料、水産物など多岐にわたる。ベトナムは世界有数の米・コーヒー・カシューナッツ・水産物の輸出国であり、THAIFEXはこれらの主力産品を国際バイヤーに直接アピールできる絶好の場となる。
見本市全体の主要展示カテゴリーとしては、冷凍食品、総合食品(Fine Food)、水産物、果物・野菜、飲料、食肉、米、菓子が挙げられる。加えて、フードテクノロジー、オーガニック市場、ハラール市場といった成長著しいセグメントも設けられており、伝統的な食品から最新の消費トレンドまでを一望できる構成となっている。
国際的な広がり——EUが初の公式パートナー地域に
THAIFEX 2026では、ジョージア、レバノン、モンゴル、サウジアラビア、ウズベキスタンが初参加する。サプライチェーンの多様化を図る企業にとって、新興市場からの調達先を開拓する好機である。
さらに特筆すべきは、欧州連合(EU)が初めて「公式パートナー地域(Official Partner Region)」として参加する点である。欧州のトップサプライヤーが集結する専用展示エリアが設けられ、アジア企業がEU基準の高品質製品に直接アクセスできるようになる。これはアジアと欧州の食品貿易の新たな接点を生み出す動きとして注目に値する。
取引実績——前回41.2億ドルの商談額を記録
THAIFEXの強みは、単なる「展示」にとどまらず「実際の取引」に直結する点にある。前回のTHAIFEXでは取引総額が41.2億ドルに達した。韓国のセブンイレブン、香港のAngliss、マレーシアのBidfood、タイのCP(チャロン・ポカパン)、シンガポールのNTUC FairPriceといった大手流通・食品企業が参加しており、出展企業にとっては大口契約を獲得する現実的なチャンスが存在する。
バイヤーは同一会場内で複数のサプライヤーを比較検討でき、未流通の新製品にいち早く触れ、メーカーと直接交渉してその場で意思決定を行える環境が整備されている。
新企画「PLX Asia 2026」——東南アジア初のプライベートラベル見本市
2026年の新たな目玉として、「PLX Asia 2026」が同時開催される。これは東南アジア初となるプライベートラベル(PB・自社ブランド商品)専門の見本市であり、OEM・ODM生産を得意とするベトナム企業にとっては極めて重要な商機となる。
PLX Asiaは2つのイベントで構成される。第一に、4日間にわたる製品展示ショーケースで、テーブルトップ形式でPB製品と生産能力をアピールする場である。第二に、2026年5月29日に開催される「Industry Leadership Summit」で、経営層を対象としたクローズドの会議であり、PB戦略、調達先開拓、生産協力に焦点を当てる。
アジア全域でPB商品の市場シェアが拡大を続ける中、この新企画は食品業界のビジネスモデルの変化を象徴するものと言える。
投資家・ビジネス視点の考察
本ニュースは見本市の案内記事ではあるが、ベトナムの食品・飲料セクターに関心を持つ投資家にとっていくつかの示唆を含んでいる。
第一に、ベトナムから180社超が出展するという事実は、同国の食品加工・輸出産業の厚みを物語る。ベトナムは2024年に農林水産物の輸出額が過去最高を更新しており、THAIFEXへの大規模出展はその勢いの延長線上にある。ホーチミン市証券取引所(HOSE)に上場する水産大手ビンホアン(VHC)、乳業最大手ビナミルク(VNM)、食品加工のマサングループ(MSN)などは、こうした国際展示会を通じて海外販路を拡大してきた企業群である。
第二に、EUが公式パートナー地域として参加する点は、EU・ベトナム自由貿易協定(EVFTA)の恩恵をさらに広げる契機となり得る。EVFTAの発効以降、ベトナムからEU向けの農水産物輸出は増加基調にあり、THAIFEXの場でEUバイヤーとの関係構築が進めば、関連企業の業績にプラスに働く可能性がある。
第三に、2026年9月にはFTSE新興市場指数へのベトナム格上げ決定が見込まれている。格上げが実現すれば、海外投資家のベトナム株への資金流入が加速する。食品・飲料セクターはベトナム経済の基盤産業であり、内需・輸出の両面で安定した成長が期待できることから、格上げ後の資金流入の受け皿となるセクターの一つとして注目される。
日本企業にとっても、THAIFEXはベトナムの食品サプライヤーと直接出会える貴重な場である。日本の食品メーカーや商社がベトナムからの調達を検討する際、あるいはベトナム市場への参入パートナーを探す際に、本見本市は効率的な情報収集と商談の場として機能するだろう。
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