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なぜPC1は決算を出さないのか——HOSE二度目の警告と株価▲29%の現実

こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。

2026年5月12日、ホーチミン証券取引所(HOSE)がPCワングループ(PC1)に対し、2026年第1四半期の財務諸表(BCTC)開示の遅延について「2度目の警告文書」を送付しました。

1度目の警告が5月5日。そこから1週間が経過してもなお開示がなく、HOSEが再び動いた。こういうケースはベトナム市場でも珍しくはないのですが、PC1の場合は「ただの手続き遅延」では片付けられない事情が重なっています。

そこが今回、私が注目したい部分です。

まず法的な背景を整理しておきます。ベトナム財務省の通達(2020年Thông tư 96号)では、四半期財務諸表は「四半期末から30日以内」に開示することが義務付けられています。Q1の終わりは3月31日ですから、期限は4月30日。5月12日の時点でHOSEに2度目の警告を出されているということは、それを超過していることになります。さらに2024年の通達では2025年1月以降、英語での開示も義務化されていますから、求められているのはベトナム語・英語の両方での開示です。

ここで面白いのが、PC1はすでに「答え」を株主に伝えていたという事実です。

4月22日に開催された2026年定時株主総会(ĐHĐCĐ)で、経営陣は2026年Q1の業績見通しを株主に口頭で共有していました。内容は、売上高が年間計画の約15%、利益が約25%という水準。この数字を年間計画に当てはめると、Q1の売上高は推計で2兆3,000億VNDを超え、税引後純利益は約2,650億VNDとなります。

数字は出ている。でも財務諸表が出てこない。

株主からすれば、「なぜ?」という疑問が湧くのは当然です。

もうひとつ気になる点があります。2026年通期の純利益予想を、経営陣は約1兆600億VNDと設定しています。これは2025年の実績から22%の減少を見込んだ数字です。その理由として挙げられているのが、エネルギー部門の苦戦。2025年はラニーニャ現象による降水量の多さが水力発電所に恩恵をもたらしましたが、2026年はエルニーニョの影響で降水量が減少し、収益が落ちるという見立てです。ただし「実際の水文状況が予測より好転すれば、結果も変わりうる」とも述べており、不確実性を残したままにしています。

こうした経営環境の変化が、財務諸表の開示に慎重にならせているのかどうか、外からは見えません。

株価はというと、4月下旬以降に急速に崩れています。25,500VND台の支持線を割り込み、現在は18,000VND前後で推移。4月23日から28日にかけては3日連続でサーキットブレーカー(ストップ安)を記録しました。上場10年の歴史の中でも「最も忘れたい時期のひとつ」と表現しても大げさではない局面です。

決算開示が遅れているあいだに、株価が大きく動いている。情報の非対称性という意味では、投資家にとって非常に居心地の悪い状況が続いています。

PC1はインフラ建設、電力、不動産という3本柱を持つコングロマリットです。建設部門は「売上が第4四半期に集中する」という季節性があり、Q1の数字が年間を代表しないのは構造的な話でもあります。ただ、それを理解したうえでも、投資家が求めているのは「数字そのもの」です。早期開示こそが、市場との信頼を保つ最低限の条件です。

HOSEがどこまで強い対応をとるか、そしてPC1がいつ開示に踏み切るか、引き続きウォッチしていきます。

いかがでしたでしょうか。今回のPC1決算開示遅延について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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