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テスラやSpaceXを率い、X(旧Twitter)のオーナーでもある世界屈指の富豪イーロン・マスク氏が、カリフォルニア州連邦裁判所に姿を見せた際、手にしていたのはAppleの最新モデル「iPhone 17 Pro Max」のダークブルーだった。自社ブランドのスマートフォン製造計画すら噂される人物が、ごく一般的な市販品を愛用しているという事実が、テック業界とSNSで大きな話題を呼んでいる。
マスク氏、OpenAI訴訟の法廷でiPhoneが「目撃」される
マスク氏がiPhoneを手にしていた場面は、同氏が共同創業したOpenAIに対する大型訴訟の審理中であった。マスク氏はOpenAIが当初の非営利方針から逸脱し、自身を意思決定プロセスから排除したと主張。数十億ドル規模の賠償と組織構造の抜本的改革を求めている。一方、OpenAI側はこれらの訴えを退け、マスク氏が組織を離れた後の不満に起因する行動だと反論している。
AI業界の覇権を巡るこの法廷闘争が注目を集めるなか、マスク氏の手元にあった「たかがスマートフォン」が、SNS上では別の議論を巻き起こした。
億万長者たちは何を使っているのか
一般の人々は、テック億万長者が未公開のプロトタイプや特注デバイスを使っていると想像しがちである。しかし現実は意外なほど「普通」だ。マスク氏は以前からiPhoneのカメラ性能を高く評価しており、Apple CEOのティム・クック氏がiPhone 15 Pro Maxで著名写真家が撮影した作品を公開した際にも、X上で「画像・動画の品質は驚異的だ」とコメントしていた。日常的にiPhoneを個人端末として使用していることも公言している。
他の大物たちの選択も興味深い。Meta(メタ)のマーク・ザッカーバーグ氏はSamsung Galaxy Ultraシリーズ、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏はSamsung Galaxy Z Fold、そしてGoogle CEOのスンダー・ピチャイ氏は当然ながら自社のGoogle Pixelを愛用している。結局のところ、世界のテックリーダーたちの選択肢はiPhoneかSamsungのハイエンドモデルにほぼ集約されるのである。
ベトナムとの関連―Apple・Samsungのサプライチェーンの中心地
この話題がベトナムの読者にとって無関係でない理由がある。ベトナムはAppleとSamsungの双方にとって、グローバルサプライチェーンの最重要拠点の一つとなっているからである。Samsungはベトナム北部のバクニン省やタイグエン省に巨大な製造拠点を構え、同社スマートフォンの相当数がベトナムで生産されている。Appleもまた、フォックスコンやラックスシェアといったEMS(電子機器受託製造)企業を通じ、ベトナムでのiPhone・iPad・AirPodsなどの生産を急速に拡大中である。
ベトナムの電子部品・組立セクターは、こうしたグローバルブランドの需要に支えられ、輸出の主力産業に成長している。テック億万長者たちが手にする端末の「裏側」には、ベトナムの工場で働く数十万人の労働者と、関連するサプライチェーン企業群が存在するのである。
投資家・ビジネス視点の考察
本ニュース自体はテクノロジー業界のゴシップ的な色合いが強いが、投資家として注目すべき構造的なポイントがいくつかある。
①ベトナムのApple関連銘柄への追い風:Appleがベトナムでの製造比率を高める流れは不可逆的であり、関連するEMS企業や工業団地デベロッパー(例:ベカメックスIDC=BCM、ロンハウ工業団地=LHGなど)にとって中長期的なプラス材料となる。
②Samsung関連:Samsung Electronicsのベトナム法人は非上場だが、同社への部品供給企業やSamsungが入居する工業団地の運営企業は、ホーチミン証券取引所(HOSE)やハノイ証券取引所(HNX)に上場しており、間接的な恩恵を受ける。
③FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げが実現すれば、ベトナム市場全体への海外資金流入が加速する。電子部品・製造セクターはベトナム経済の「顔」として、海外機関投資家の注目度が特に高い分野である。AppleやSamsungといったグローバルブランドとの結びつきの深さは、ベトナム市場の信頼性を高める要因ともなりうる。
④日本企業への示唆:日本の電子部品メーカーもベトナムに多数進出しており、Apple・Samsung向けサプライチェーンの一翼を担っている。ベトナムの製造インフラが両社の主力生産地として定着することは、現地に拠点を持つ日系企業の事業安定にも寄与する。
億万長者の手元のスマートフォンという些細な話題ではあるが、その背後にあるグローバルサプライチェーンの地殻変動と、ベトナムの存在感の高まりを改めて確認する好機といえるだろう。
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