こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
ハノイに13年住んでいると、この街の変化に何度も驚かされます。タイ湖沿いの高層マンションが増えるのも、ビンファストの電動バイクが路上にあふれるのも、確かに驚く。でも今回のニュースは、少し違う種類の驚きでした。「インフラや工場ではなく、人づくりに本気になってきた」という驚きです。
5月7日、ハノイ人民委員会は市内2つの名門高校を国際水準へ引き上げるプロジェクトを正式承認しました。対象はチュ・ヴァン・アン英才高等学校とハノイ・アムステルダム才能教育高等学校、いずれもベトナム屈指の進学校です。
チュ・ヴァン・アン高校は1908年の創立で、もともとフランス植民地時代に設立された由緒ある学校です。アムステルダム高校は1985年の設立で、ベトナム統一後の新世代を担う人材育成を目的に作られました。どちらもハノイっ子ならば知らない人はいない存在で、入試の競争率は毎年高く、合格すること自体が一種のステータスになっています。
今回のプロジェクトで掲げられた目標は、正直かなり具体的です。チュ・ヴァン・アン高校については、2026年から2030年の第一フェーズで、少なくとも150名の生徒を英国・米国・オーストラリアの大学に送り出し、そのうち80名以上に国際奨学金を取得させること。2031年から2035年の第二フェーズでは、教員の90%がバイリンガル教育能力を持つこと。そして2036年から2045年の最終フェーズでは、全生徒が国際的な言語・学術・IT資格を取得することを目標に置いています。SAT、ACT、AP、IBといった欧米の大学入試標準テストの受験を学校として支援し、STEMの研究スペースや大学・企業との連携も整備していく計画です。プロジェクトの実施に必要な予算として、チュ・ヴァン・アン高校単体で約6,080億VND(日本円換算でおよそ36億円)が見込まれています。
アムステルダム高校も同様に3フェーズの導入ロードマップを設定しており、理論学習から研究プロジェクトへの重点移行、英語を研究・討論ツールとして使いこなす能力の育成、そして気候変動やエネルギー安全保障といった複雑なテーマへの体系的思考力の養成を掲げています。
この動きを投資家の目線で見ると、なかなか面白い含意があります。FPTを例にとると、同社はベトナム国内の理系人材を大量採用して日本や欧米のソフトウェア受託開発を手がけていますが、その優秀なエンジニアの多くはまさにアムステルダム高校やチュ・ヴァン・アン高校の出身者です。国がトップ校の国際水準化に約束した以上、10年後・20年後のIT人材の質はさらに上がることになる。FPTが中長期にわたって競争力を維持できる構造的な理由の一つが、ここにあります。
そしてもう少し大きな視点で言うと、これはベトナムが「安い工場」から「高付加価値の頭脳の国」へと移行しようとしているプロセスの一環です。経済の重心が南に移る「富の南下」という大きな流れの中で、単に人件費が安いから外資が来るという段階は、すでに終わりつつある。次のステージは人材の質で勝負する段階で、今回の教育プロジェクトはそのシグナルのひとつとして読めます。
タイ湖の近くを歩いていると、週末でも英語の勉強をしている学生をよく見かけます。スマホで洋楽を聴きながらリスニングの練習をしている子、近くのカフェでAP資格の参考書を広げている子。以前はほとんど見なかった光景が、ここ数年で明らかに増えました。国の制度と若者の意欲が同じ方向を向いているとき、その国はたいてい強い。ベトナムはいま、そのタイミングにいると私は感じています。
そういうことなんです。
いかがでしたでしょうか。今回のハノイ名門校の国際化プロジェクトについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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