こんにちは、ベトナム経済&株式投資ニュース解説のベトテク太郎です。
ビンバスがやってくれました。ハノイからハロンまで、タダで乗せてくれるというんです。
正確に言うと、6月1日から「HLX」という新路線が開通して、ビンホームズ・タイムズシティを出発してビンホームズ・オーシャンパーク1を経由し、クアンニン省の新都市区「ビンホームズ・ハロンサイン」まで約2時間20分で結ぶ電気バスが無料で走り始めました。距離にして約200km。ハノイからハロン湾方面への長距離バスが、民間企業の完全自腹で、事前予約なしで誰でも乗れる。
これを聞いたとき、ぼくは思わず笑ってしまいました。いい意味で。
これはバス事業じゃない、マーケティングだ
タダより高いものはない、という言葉がありますよね。でも今回の話は、その逆のような気がします。
ビンバスが無料バスを走らせる理由は、誰が見ても明らかです。総面積6,206haに及ぶ超大型不動産案件「ビンホームズ・ハロンサイン」に客を連れていくためです。現地に人が来なければ、物件は売れない。ならば自前でアクセス手段を作ってしまえ、という発想です。
不動産会社が交通インフラを整備して集客する、という手法自体は珍しくありません。日本でも鉄道会社が沿線開発をするのと似たような発想です。ただ、ビングループがやると規模が違う。路線バスを新設して、しかもそれを無料で走らせて、物件の販売オフィスへ直行させる。これをやれる会社は、ベトナムにそう多くはない。
月曜から金曜の毎日4往復、ハノイ発は7時・9時・13時・14時。帰りはハロンサイン発が11時・13時・17時・18時。平日に現地視察する人間を丸ごと運んでしまおうという設計です。
ビンバスという会社について
少しだけ補足しておくと、ビンバスは2019年に設立されたベトナム初の国産電気バス企業で、資本金は1兆VND(約61億円)。現在は国内5都市でサービスを展開しています。ビングループ(証券コード:VIC)の子会社として、都市内の電気バス路線を担ってきた会社です。
これまでは都市内交通が中心でしたが、今回は200kmの長距離路線です。ビングループがどこに向かっているかを示す一つのシグナルだと、ぼくは見ています。
さて、ここで株式投資の話を少し絡めると、ビングループ(VIC)は現在、FTSE Russell のセカンダリー・エマージング・マーケットへの段階的組み入れが進行中です。この文脈でビングループの動向を追っている読者の方も多いと思いますが、今回の無料バス路線開通というのは、ハロンサインという物件の存在感を市場に見せるための一手でもあります。大型プロジェクトが動いている、という事実は、企業の資産価値や将来のキャッシュフローを読む上で無視できない情報です。
もちろん、VICの株価への影響を直接論じるつもりはありません。それはご自身の判断でお願いします。ただ、「民間企業が200km無料バスを走らせて超大型開発地に客を連れていく」という行動を見たとき、それが何を意味するかは、考えてみる価値があると思っています。
そういうことなんです。
いかがでしたでしょうか。今回のビンバス無料バス路線開通について、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。
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