MENU
24時間以内で読まれているベトナムニュース

ベトナム、源泉徴収した個人所得税の流用を新たな犯罪類型に追加へ—刑法改正案の注目点

Dự kiến bổ sung tội phạm mới về chiếm dụng tiền thuế thu nhập cá nhân đã khấu trừ
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
ハノイ在住13年の現地投資家による、より深い企業分析・投資戦略は👉 メンバーシップで公開中

ベトナム財務省が、源泉徴収済みの個人所得税を国庫に納付せず流用(chiếm dụng)する行為を新たな犯罪類型として刑法に追加することを提案した。2025年7月1日、司法省(Bộ Tư pháp)が刑法改正案の審査資料を公開し、その中にこの提案が盛り込まれていることが明らかになった。ベトナムで事業を展開する日系企業にとっても、コンプライアンス上見過ごせない動きである。

目次

刑法改正案の概要と背景

ベトナムの現行刑法(2015年制定、2017年改正施行)には、脱税罪(第200条)や税金詐欺罪などの規定は存在するが、「源泉徴収義務者が従業員等から天引きした個人所得税を国庫に納めず、自社の運転資金等に流用する」行為を明確に処罰する条文は設けられていなかった。

ベトナムでは、企業が従業員の給与から個人所得税(thuế thu nhập cá nhân=PIT)を源泉徴収し、税務当局に納付する義務を負っている。しかし実務上、特に中小企業やキャッシュフローが逼迫した企業が、徴収した税金を一時的あるいは恒常的に運転資金として流用するケースが後を絶たない。こうした行為は従業員の税務上の権利を侵害するだけでなく、国家歳入の毀損にも直結する。財務省はこの「法の抜け穴」を問題視し、刑事罰の対象として明文化することを求めた形である。

提案の具体的な内容

財務省の提案によれば、源泉徴収した個人所得税を法定期限内に納付せず、意図的に流用した場合、新設される罪名の下で刑事責任を問えるようにする。現行法では行政罰(罰金や延滞金の賦課)にとどまるケースが多く、抑止力として不十分であるとの認識が背景にある。司法省は今後、関係省庁や専門家の意見を集約し、国会への法案提出に向けた審査を進める。

なお、今回の刑法改正案には他にも複数の新規犯罪類型の追加や既存条文の見直しが含まれており、ベトナム政府が法治主義の強化と経済秩序の整備を加速させている姿勢が鮮明に表れている。

ベトナムの税務環境の現状

ベトナムの個人所得税は累進課税方式を採用しており、居住者の場合、課税所得に応じて5%から35%の税率が適用される。外国人駐在員も対象であり、日系企業の現地法人が源泉徴収義務を負うケースは極めて多い。近年、ベトナム税務総局(Tổng cục Thuế)は電子申告・電子納税システムの整備を急速に進めており、納税状況の把握精度は年々向上している。それに伴い、源泉徴収税の未納・流用が発覚するリスクも高まっており、今回の刑事罰導入の提案はこうしたデジタル化の流れとも軌を一にしている。

投資家・ビジネス視点の考察

本件は個別銘柄に直接的なインパクトを与えるニュースではないが、ベトナムの制度的成熟という観点から中長期的に重要な意味を持つ。

日系企業への影響:ベトナムに進出している日系企業(約2,000社超)にとって、源泉徴収義務の不履行が刑事罰の対象となる可能性が明確化されることは、社内の税務コンプライアンス体制の再点検を促す契機となる。特に、現地パートナー企業やサプライヤーが源泉徴収税を適切に処理しているかどうかについても、サプライチェーン管理の一環として確認が求められるだろう。

FTSE新興市場指数との関連:ベトナムは2026年9月にもFTSE新興市場指数への格上げが決定される見通しであるが、格上げの評価基準には「法制度の透明性・予見可能性」も含まれる。刑法による税務違反への厳格な対処は、国際的な投資家から見たベトナム市場の信頼性向上に寄与し、格上げへの追い風となり得る。

市場全体への影響:法整備の進展は、ベトナム株式市場(ホーチミン証券取引所=HOSE、ハノイ証券取引所=HNX)に上場する企業全般のガバナンス水準を底上げする効果が期待される。短期的な株価材料にはなりにくいが、機関投資家の資金流入を後押しする構造的な要因として注目すべきである。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

この記事が参考になったら、ぜひXでシェアしていただけると嬉しいです。より多くの方にベトナム投資の魅力を伝えたいと思っています。

📊 ベトナム経済研究会メンバーシップ
ハノイ在住13年日本語で毎日配信。
✅ 個別銘柄の詳細分析 ✅ FTSE格上げ関連速報 ✅ 現地だからわかるリアルタイム情報
👉 月額980円でメンバーシップに参加する

出典: 元記事

noteメンバーシップのご案内

ベトテク太郎noteメンバーシップ
Dự kiến bổ sung tội phạm mới về chiếm dụng tiền thuế thu nhập cá nhân đã khấu trừ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次