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ベトナムがゲーム大国へ躍進—世界2位のダウンロード数、Unity初の公式イベントをハノイで開催

Việt Nam đang góp phần định hình ngành game toàn cầu
📘 この記事は「ベトナム経済研究会」が提供するベトナム最新ニュース解説です。
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世界最大級のゲーム開発プラットフォームであるUnity(ユニティ)が、ベトナムで初となる公式コミュニティイベント「U/Day Hanoi 2026」を2026年6月17日にハノイで開催した。同社幹部はベトナムのゲーム開発者の実力を高く評価し、「ベトナムは世界のゲーム産業を形づくる存在になりつつある」と明言した。ベトナム発のゲームのダウンロード数は世界第2位に達しており、デジタルコンテンツ輸出の柱として急成長を遂げている。

目次

Unity初のベトナム公式イベント——背景と概要

Unityは、世界のモバイルゲームトップ1,000タイトルのうち70%以上が同社プラットフォーム上で開発されているという圧倒的なシェアを持つ。2025年12月時点で、Unity製アプリは全世界で月間30億台以上のアクティブデバイスに到達していると推計される。そのUnityがベトナムで初めて公式イベントを開催したこと自体が、同社がベトナム市場をいかに重視しているかを如実に示している。

イベントでは、Unityの「Create(構築)」と「Grow(成長)」という2つのソリューション領域に関する最新情報が共有された。

驚異的な数字——2025年のベトナムゲーム産業

Unityの韓国・東南アジア地域エンターテインメント部門責任者であるミンソク・ソン(Minseok Song)氏は、ベトナムのゲーム産業が世界の「ゲーム地図」上で存在感を急速に高めていると指摘した。同氏が示したデータは衝撃的である。

  • 2025年だけで、ベトナム国内のスタジオが27,000タイトル以上の新作ゲームをリリース
  • 累計49億回のダウンロードを達成
  • モバイルゲームのダウンロード数で世界第2位に浮上

この数字は、ベトナムがもはや「安価な開発外注先」ではなく、自らIPを生み出しグローバル市場で競争できるプレイヤーへと変貌していることを意味する。

量から質へ——収益モデルの転換が進行中

注目すべきは、ベトナムのゲーム産業が「量的拡大」から「質的成長」へとフェーズを移行しつつある点である。ゲーム配信プラットフォームのGamota(ガモタ)が発表した「Vietnam Mobile Gaming Year-in-Review 2025」によると、アプリ内課金(IAP)による収益が前年同期比で約83%増となった。さらに、ベトナムのゲームスタジオの73%が、従来のアプリ内広告依存型モデルから、IAP単独またはIAPと広告のハイブリッドモデルへと移行済みだという。

この転換は極めて重要である。広告収益モデルはユーザー数に依存するため天井が低いが、IAP中心のモデルはユーザー単価(ARPU)を引き上げ、より持続可能な成長を実現できる。ベトナムのスタジオが「稼ぎ方」を高度化させていることは、産業全体の成熟度が上がっている証左である。

ダウンロードの95%が海外から——真のグローバル競争力

Unityのグローバルパートナーシップ担当副社長であるアシュリー・ネヴォン(Ashley Nevon)氏は、ベトナム市場との長年の関わりの中で、国内の開発コミュニティが高品質な人材と大きな成長ポテンシャルを持っていることを実感してきたと語った。

同氏が示した最も印象的なデータは、「ベトナムの開発者が制作したゲームのダウンロードの約95%が海外市場からのもの」という事実である。これは、ベトナムのゲームスタジオが国内1億人市場だけでなく、グローバル市場で通用する製品を生み出していることを端的に証明している。

世界のゲーム市場は2,100億ドル規模——モバイルが主戦場

ベトナムのスタジオにとっての機会は極めて大きい。世界のゲーム市場規模は現在約2,100億ドルと推計されており、これはオンライン動画、オンライン音楽、映画興行収入の世界合計を上回る規模である。中でもモバイルゲームは、ユーザーがアプリに費やす年間約1,300億ドルの支出の約60%を占めている。モバイルゲームに強みを持つベトナムのスタジオにとって、この巨大市場は最大の成長フロンティアとなる。

成功の「公式」——Supersonic幹部が語る4つの柱

Unity傘下のSupersonic(スーパーソニック)で戦略・収益担当シニアディレクターを務めるダニエル・コーエン(Danielle Cohen)氏は、「ゲームの成功は運ではなく、意図的に設計され、継続的に最適化された公式の結果だ」と強調した。同氏は、5年以上経過してもランキング上位を維持しているタイトルを例に挙げ、成功の4つの柱を示した。

  1. 明瞭性——プレイヤーにとって分かりやすいゲームであること
  2. 市場検証——開発初期段階から市場ニーズを見極め、ターゲットユーザーに合わない製品へのリソース浪費を避けること
  3. リテンション設計——プレイヤーを引き留める仕組みを製品設計の中核に据えること
  4. スケーラブルな収益戦略——IAPと広告を組み合わせた拡張可能なマネタイズを構築すること

また、Unityは翌月にベトナムのゲーム開発者を対象とした専用コンペティションの開催を予定しており、賞金は30,000ドルから200,000ドルに設定されるという。これもベトナム市場への本格的なコミットメントを示すものである。

投資家・ビジネス視点の考察

今回のニュースは、ベトナムのデジタルコンテンツ産業、とりわけゲームセクターが投資対象として本格的に注目されるべき段階に入ったことを示唆している。以下の観点から考察する。

ベトナム株式市場への影響:ベトナムのホーチミン証券取引所(HOSE)には、ゲーム専業の大型上場企業はまだ限られるが、IT・デジタルサービス関連銘柄(FPT〈ベトナム最大手IT企業〉など)への波及効果が期待される。FPTはソフトウェア輸出の文脈で常に注目されるが、ゲーム産業の成長はベトナムのIT人材エコシステム全体の評価を押し上げる要因となり得る。また、今後ゲーム関連企業のIPOが実現すれば、市場の多様性向上にも寄与するだろう。

日本企業への示唆:日本のゲーム企業やパブリッシャーにとって、ベトナムは「開発コストが比較的低い」だけでなく、「グローバル市場で勝負できる開発力を持つ」パートナー候補としての位置づけが強まっている。共同開発やスタジオ買収といった動きが今後加速する可能性がある。

FTSE新興市場指数への格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるベトナムのFTSE新興市場指数への格上げは、主に金融・不動産セクターの大型株が恩恵を受けると見られているが、格上げに伴う海外資金流入はベトナム経済全体への信認を高める。ゲーム産業のような「輸出型デジタル産業」の成長は、ベトナムが製造業一辺倒ではない多角的な経済構造を持つことを国際投資家にアピールする好材料となる。

マクロ的な位置づけ:ベトナム政府はデジタル経済をGDP比20%以上に引き上げる目標を掲げている。ゲーム産業はその中核を担うセクターの一つであり、若年人口の多さ(平均年齢約33歳)、高いスマートフォン普及率、良質なIT人材の供給という構造的優位性に支えられている。Unityのような世界的プラットフォーム企業がベトナムに本格参入することは、エコシステムの厚みを増す好循環を生む可能性が高い。


いかがでしたでしょうか。今回のニュースについて、皆さんのご意見もぜひお聞かせください。コメント欄や@viettechtaroのDMでお待ちしています。

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出典: 元記事

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