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ベトナム・ハノイが歩道を月額4万5,000ドン/㎡で貸し出しへ——夜間経済活性化の切り札となるか

Hà Nội có thể cho thuê vỉa hè 45.000 đồng một m2 mỗi tháng để kinh doanh
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ベトナムの首都ハノイが、車道や歩道の一部を商業利用に開放し、1㎡あたり月額最大4万5,000ドンで貸し出す試験運用を検討していることが明らかになった。都市型経済および「夜間経済(エコノミー・オブ・ナイト)」の発展を目的としたこの施策は、ハノイの街の風景を大きく変える可能性を秘めている。

目次

歩道貸し出し制度の概要

ハノイ市は、市内の一部エリアにおいて車道(lòng đường)および歩道(vỉa hè)の一定区画を商業活動に供するパイロットプログラムを導入する方向で調整を進めている。貸出料金は最高で1㎡あたり月額4万5,000ドンとされ、屋台や小規模飲食店、物販などのストリートビジネスに合法的な営業スペースを提供することが想定される。

ベトナムでは長年、歩道での営業は法的にグレーゾーンとされてきた。ハノイやホーチミン市では歩道占拠の取り締まりキャンペーンが繰り返し行われる一方、路上経済はベトナムの都市文化と市民生活に深く根ざしており、完全な排除は現実的ではなかった。今回の制度化は、取り締まり一辺倒の姿勢から「管理しながら活用する」方向へ政策を転換するものであり、注目に値する。

背景にある「夜間経済」振興策

この歩道貸し出し構想は、ベトナム政府が近年力を入れている「夜間経済(kinh tế đêm)」の振興と密接に結びついている。ベトナムでは観光業の回復と内需拡大を同時に追求するなかで、夜間の消費活動を活性化させる政策が全国的に展開されている。ハノイ旧市街(ホアンキエム区周辺)のナイトマーケットや、ホーチミン市のブイビエン通りなどはすでに観光名所化しているが、制度的な裏付けが不十分なまま運営されてきた側面がある。

今回の施策により、ハノイ市は歩道の商業利用を正式に制度化し、賃料収入を市の歳入に組み込むと同時に、衛生管理・交通安全・景観保全といった課題に一定のルールを設けることが可能になる。東南アジアの主要都市では、バンコクやシンガポールがすでにストリートフードの制度的管理を進めており、ハノイもこうした国際的なトレンドに追随する形となる。

料金水準の妥当性と実効性

最大4万5,000ドン/㎡/月という料金設定は、屋台や個人経営の零細事業者にとっても比較的負担が小さい水準と言える。仮に5㎡のスペースを借りた場合、月額22万5,000ドン程度となり、ハノイの一般的な路面店の家賃と比較すれば格段に安い。これは、制度の普及率を高め、「無許可営業よりも正式に借りた方が得」という誘因を作ることを意図したものと見られる。

一方で、料金が低すぎれば歩道の過度な商業化を招き、歩行者の通行や都市美観を損なうリスクもある。ハノイ市当局がどのエリアを対象とし、どのような業種に許可を与え、営業時間をどう設定するかなど、運用面の詳細が今後の焦点となる。

ハノイの都市開発と路上経済の歴史

ハノイの36通り(phố cổ=旧市街)は、かつて各通りが特定の職種・商品に特化した「専門街」として発展した歴史を持つ。銀細工のハンバック通り、絹のハンガイ通りなど、路上での商業活動はハノイの都市アイデンティティそのものである。フランス植民地時代に整備された広い並木道の歩道は、カフェの椅子やフォーの屋台が並ぶ風景として世界的にも知られている。

しかし近年、急速なモータリゼーションと都市人口の増加により、歩道は違法駐車やバイク通行に侵食され、本来の歩行空間としての機能が著しく低下していた。2017年にはハノイ市が大規模な歩道奪還キャンペーンを実施し、違法占拠物の撤去が進められたが、しばらくすると元に戻るという「いたちごっこ」が続いてきた。今回の制度化は、こうした長年の課題に対する新たなアプローチと位置付けられる。

投資家・ビジネス視点の考察

この歩道貸し出し制度は、一見すると小規模な地方行政の話に見えるが、ベトナムの都市経済・消費セクターに関心を持つ投資家にとっては複数の示唆を含んでいる。

①小売・外食セクターへの追い風:歩道の合法的な商業利用が進めば、ストリートフードや小規模飲食の事業環境が改善される。これは中長期的に、食品・飲料メーカーや外食チェーンの売上拡大につながる可能性がある。ベトナム株式市場(ホーチミン証券取引所=HOSE)に上場する外食・食品関連銘柄にとっては間接的なプラス材料となり得る。

②不動産・商業施設への影響:歩道ビジネスが制度化されることで、路面店の家賃に対する下方圧力が生じる可能性がある一方、夜間経済の活性化はエリア全体の集客力向上に寄与し、周辺の商業不動産価値を押し上げる効果も期待できる。

③日本企業への示唆:日本からベトナムに進出している飲食チェーンや小売企業にとって、歩道スペースを活用したプロモーションやポップアップ出店の選択肢が広がる。また、都市整備・景観デザインの分野で日本企業のノウハウが活用される余地もある。

④FTSE新興市場指数格上げとの関連:2026年9月に決定が見込まれるFTSE新興市場指数へのベトナム格上げに直接影響する材料ではないが、都市経済の制度化・透明化が進むことは、ベトナムの「制度的成熟度」を示すシグナルの一つとして海外投資家にポジティブに受け止められる可能性がある。

⑤内需主導型成長の象徴:ベトナムは従来、輸出主導型の成長モデルが注目されてきたが、近年は内需・消費の拡大が新たな成長エンジンとして重視されている。歩道経済の制度化は、都市部の消費活動をさらに活発化させる施策の一環であり、ベトナム経済が「製造業の国」から「消費市場としての魅力」を持つ段階へ移行しつつあることを象徴している。


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出典: 元記事

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