ベトナム・フーコック島で沿岸部5地区の都市計画を審査—総面積1万ha超の大規模リゾート開発の行方

An Giang thẩm định 5 đồ án quy hoạch ven biển tại Phú Quốc
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ベトナム南部の観光拠点フーコック島(Phú Quốc)において、沿岸部5地区・合計約1万ha超に及ぶ分区計画(都市詳細計画)の審査会議が開催された。アンザン省(An Giang)人民委員会のゴー・コン・トゥック(Ngô Công Thức)副主席が主宰し、「持続可能な観光開発」と「グリーン・スマートシティ」の方向性を強く打ち出した点が注目される。

目次

審査対象となった5つの分区計画

今回審査されたのは、いずれも縮尺1/2,000の分区計画で、以下の5地区である。

①バイサオ地区(Bãi Sao、分区5)——面積436.31ha。複合型都市観光地区として、高級エコリゾートおよびマリンスポーツ拠点と位置づけられている。バイサオはフーコック島南東部に位置し、白砂のビーチで知られる人気スポットである。審査会議では、計画がフーコック総合計画に概ね適合していると評価された一方、トゥック副主席は土地利用指標、特に居住用地と観光宿泊用地の精査を指示。「持続可能な観光地区」の方向性から逸脱しないよう求めた。さらに、海浜公園の幅員、公共ビーチアクセス通路の数と位置の具体化、沿岸部の建築密度・高さ制限の厳格化、グリーンビルディング基準や太陽光エネルギー活用の要件追加が求められた。

②東部沿岸地区(分区9)——面積1,673.8ha。サービス・観光、複合型都市観光、エコリゾート、マリンスポーツ・ゴルフ場を含む大規模ゾーンである。海岸沿いの景観軸と防護林に連なるオープンスペースの確保が評価された。ただし、海岸保全策、生態回廊・防護林の保護、建設制限区域の明確化、再生可能エネルギー導入方針の補完が課題として指摘された。

③バイオンラン~クアカン地区(Bãi Ông Lang – Cửa Cạn、分区3)——面積4,431.43haと5地区中最大。フーコック島北部の主要複合都市・観光地区であり、商業・教育・エコシティの中核拠点となる。「生態都市」の性格を担保するため、緑地率、非建築面積、河川・海岸沿いの建築セットバック距離、敏感地域での建築密度・高さの厳格管理が要請された。環境配慮型建材やクリーンエネルギーの導入要件も追加される。

④北西部沿岸地区(分区11)——面積1,171.27ha。高級リゾート・カジノ付きゴルフリゾート・伝統工芸村を組み合わせた開発構想である。海岸のコンクリート化抑制、建築密度・高さ・規模の厳格な管理、オープンスペース・緑地・水面比率の引き上げ、侵食対策・気候変動適応策、太陽光発電の推進が条件として付された。

⑤バイチュオン地区(Bãi Trường、分区2)——面積2,326.83ha。フーコック島西部に広がるロングビーチ沿いの主要複合都市・観光・商業・娯楽・再定住地区である。人口指標・居住用地・建築高さの全面的見直しが指示されたほか、連続した海浜公園と公共空間の維持、住民の公平な海へのアクセス確保が強調された。加えて、社会住宅、社会インフラ、公共交通、駐車場、「グリーン・スマートシティ」基準の導入が求められた。

「緑の島」を目指す省の姿勢

トゥック副主席は会議の総括として、計画策定機関およびコンサルタントに対し、指摘事項を早急に反映し上級機関に提出するよう指示した。特に、グリーン開発とクリーンエネルギーの活用を重視し、「フーコックが急速に発展しつつも持続可能であり、国の宝石島にふさわしい姿」を実現するよう強調した。

フーコック島は2021年に「フーコック市」へ昇格し、ベトナム初の島嶼都市となった。カジノを含む統合型リゾート(IR)の運営が認められている国内唯一の地域でもあり、ビングループ(Vingroup、ベトナム最大手コングロマリット)傘下のヴィンパール(Vinpearl)やサングループ(Sun Group)など大手デベロッパーが大規模投資を展開している。

投資家・ビジネス視点の考察

今回の5分区計画が正式承認されれば、フーコック島の不動産・観光開発は新たなフェーズに入る。注目すべきポイントは以下の通りである。

関連銘柄への影響:フーコックで事業展開するVIC(ビングループ)、QCG(クオックコンザン)、PHR周辺の不動産銘柄、さらにリゾート運営を手がけるサングループ関連企業に中長期的な追い風となり得る。ただし、グリーンビルディング要件や密度制限の強化はコスト増要因でもあり、開発スケジュールの遅延リスクも意識すべきである。

日本企業への示唆:太陽光発電、環境配慮型建材、スマートシティ技術など、日本企業が強みを持つ分野での需要が生まれる可能性がある。フーコック島のIR開発はインバウンド需要とも直結しており、日系ホテル・旅行関連企業にとっても注視すべき動きである。

FTSE新興市場指数との関連:ベトナムは2025年9月のFTSE分類見直しでの新興市場昇格が期待されている。観光インフラの整備と都市計画の透明性向上は、海外機関投資家がベトナム市場を評価する際のプラス材料となる。フーコックのような大型プロジェクトが計画段階から環境・持続可能性基準を組み込んでいることは、ESG観点からも好意的に受け止められるだろう。

総面積1万ha超の沿岸開発計画が「グリーン・持続可能」をキーワードに進む点は、乱開発が問題視されてきたベトナムの観光地開発において一つの転換点となる可能性がある。今後の正式承認と具体的な開発進捗を注視したい。


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出典: 元記事

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